インスタグラム(Instagram)とフェイスブック(Facebook)では、ユーザー自身の投稿につけられた「いいね!」の数を非表示にできる機能が追加された。これによって、フィード上のすべての投稿のいいね数を非表示にできたり、投稿前・後にかかわらず自分の投稿の「いいね!」を非表示にできたり、自分の投稿に対する「いいね!」数を他のユーザーから見られないように設定することもできる。2019年からテストを行っていた非表示機能がようやく正式リリースとなった形だが、ユーザーにどれほどの影響があるだろうか。
「いいね疲れ」の解決になるか?インフルエンサーにとっては必要機能
この機能は、インスタへの投稿にストレスや不安を感じるユーザーの健康状態を懸念して追加された。いわゆる「いいね疲れ」への対応で、フェイスブックにも同様の機能が導入されている。2019年から行っていたテストでは、いいね数の非表示機能は人によって有益だったり迷惑であったりすることが分かったため、自分で管理できるようにしたという。確かに、トレンドや人気の記事を知りたい人はいいね数を知りたがり、インフルエンサーにとってはブランドや広告主などに自分の価値を示すために「いいね!」を利用したい。
一方、友達がどう思うかに敏感な若年層では、十分な「いいね!」がつかない投稿は削除するほどいいね数に左右されており、こういった人は非表示設定にすることで精神衛生上の問題は多少解決するかもしれない。
インスタグラムで他人の「いいね!」を非表示にするには、プロフィールの「≡」→「設定」→「プライバシー設定」→「投稿」で、「いいね!数とビュー数を非表示にする」横のボタンをオフにする。自分の投稿をシェアする前に「いいね!」を非表示にするには、投稿画面下部の「詳細設定」から「いいね!数と閲覧数を非表示にする」の横のボタンをタップ。投稿済みのものについては、投稿の右上にある3点アイコンをタップして「いいね!数を非表示にする」をタップすればOKだ。残念ながら、過去の投稿すべてについて「いいね!」を非表示にする方法はない。
ネット上では「選択肢が増えるのはいいこと」という賛同意見や、「インフルエンサーがいいね獲得を目指す以上、意味がないのでは」といった懐疑的な意見がみられている。「いいね!」の数がその人自身の人気や他人への影響力とイコールかどうかの問題はおいといて、その数が気になる人は非表示になったとしても気になり続けるだろう。インフルエンサーがいいね数を自身の価値として提供する限り、他のユーザーもその基準を受け入れるし、すでに人気のある投稿に「いいね!」をつける同調行動は安心感が得られ、コミュニティ内の人間関係がうまくいきやすいからだ。
そもそもインスタのユーザーが「いいね!」の非表示を望んでいるのか、という意見もある。TikTokなどいくつものSNSが話題となってきたが、それらにもフォロワーの反応が見えるようになっていて、ユーザーは重視しているからだ。インスタで非表示設定にできるという選択肢が増えたことは単純によいことではあるが、「いいね疲れ」問題の原因は、非表示にする程度では解決できないのかもしれない。
参考元:InstagramとFacebookの「いいね」数の非表示設定が可能に【ITmedia NEWS】
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