SNSをはじめとするテキスト同士のやりとりは、相手の表情がわからないがゆえに感情が正確に読み取れず、トラブルに発展しがちだ。些細なことをきっかけに口論に発展し、誰かが止めに入るまでヒートアップし続ける……そんな光景を見たことはないだろうか。そんな時に「喧嘩はやめて」と囁いてくれる存在が現れた。人工知能(AI)である。現在フェイスブックでは、グループ内の喧嘩を止める役割を持つAIをテスト運用中とのこと。一体これはどんな機能なのだろうか。もし運用が成功すれば、インターネット上で巻き起こる様々なトラブルを解決してくれるのだろうか。
グループ内の口論をAIが察知し、管理人に「対立アラート」を送信
フェイスブックは6月16日にブログにて、SNSのグループ内で起きている口論を見つけ出し、グループの管理人宛てにアラートを送るAI技術をテスト運用していることを発表した。広報担当者によると、AIはコメントへの返信回数やコメント量といった会話内の特徴的なサインから口論が勃発していることを判断し、「対立アラート」を発信するタイミングを決めるという。
対立アラートを受け取った管理人は、グループ内の会話のペースを遅らせるように設定を変更することが可能。口論を繰り広げる当事者たちがひと呼吸おきながら会話することで、燃え上がる舌戦をクールダウンさせることが狙いなのだろう。
こちらの気持ちを推し量ってニーズに即した選択肢を提示してくれるAIが、ついに喧嘩まで止めてくれる時代が来たということだ。気持ちよくインターネットを使うために、トラブルは少ないに越したことはない。
フェイスブックでの運用はグループ内の口論を止めるところから始まるが、これが後に一般化されれば、各SNSでのいじめや芸能人への誹謗中傷も抑制することができるかもしれない。すでにインスタグラムでは、いじめになりうるコメントをしようとすると投稿前に警告が通知される機能や、特定のアカウントのコメントを非表示にする機能が導入されている。ほかにも、各企業が誹謗中傷を防ぐためのAIを開発したり、不適切なコメントが書かれていないか目視でチェックするサービスを実施したりとSNSでのトラブル防止に尽力している。
これら複数の機能がそれぞれの役割を果たすことによって、グループ内のいじめや一方的な中傷など、様々な種類のトラブルを防ぐことができそうだ。健やかなインターネット社会を目指して、AI技術の発展に期待したい。
参照元:AIがグループ内のけんかを探知、フェイスブックが新機能をテスト中【CNN】