LINEにはLINE公式アカウントというものがあるのが、いったいどんなサービスなのだろうか。この記事では、LINE公式アカウント(旧LINE@)にはどんな種類があり、どのような機能が使えるのか、公式アカウントを運用する上でのコツや注意点などについて解説する。
「LINE公式アカウント」とは?
LINEには個人的に家族や友人と繋がりを持つための1対1トークやグループトークができるトークルームの他に、公式アカウントというものがある。LINEの公式アカウントと友だちになると、クーポンをもらえたりいろいろとお得なことが多いのだが、ラインの公式アカウントとはどんなサービスなのだろうか。この記事では、LINEの公式アカウントとはどんななサービスなのか、運用するためのコツとはどうしたらいいのか、詳しく解説する。
まずは、LINE公式アカウントの詳細について解説しよう。
・店舗や企業が商品情報やイベント告知に使うサービス
LINEの公式アカウントとは、店舗や企業がプロモーションのために利用することができるアカウントである。企業や店舗、芸能活動やセミナー活動をしている個人など幅広い業種や事業規模で開設できる。
ただし、LINEのポリシーによってLINEの公式アカウントの開設ができない業種もある。ラインで公式アカウントの開設を目指すのであれば、事前にライン公式アカウントのポリシーをよく確認するようにしよう。
・利用するメリット
LINE似公式アカウントを開設するメリットとは次のとおりである。
●LINEユーザーと簡単に繋がりを持てる
現在、LINEは日本国内で人口の65%以上がアクティブユーザーであると言われている。日本の人口が約1億2,500万人なので、8,000万人以上のラインユーザーがいる計算になる。公式アカウントと友だちになる方法は、店頭のポスターのQRコードを読み込んでもらったりWebでリンクをクリックしてもらうだけでいい。
宣伝や告知が必要な企業や店舗、有名人やセミナー講師などの個人にとっては、多くのユーザー利用しているLINEで公式アカウントを開設することは、顧客を増やすためには欠かせない戦略となりつつある。
●店舗やサイトの宣伝ができる
LINEの公式アカウントで商品やサービスの情報を提供できるので、店舗への来店やサイトへの訪問を促すこともできる。従来のWebマーケティングというと、メルマガの活用が主流であったが、メルマガよりも送客率が3倍近く増加した例もある。LINEの公式アカウントではクーポンの配布もできるので、ライン友だちの数を増やすことができれば、売上の大幅UPも期待できる。
●LINE広告との連携も可能
LINEにはLINE内で広告を配信できるサービスがあるが、LINE公式アカウントはLINE広告と連携可能だ。LINE広告を公式アカウントと連携させると、LINE公式アカウントの友だち情報を活用した広告配信の最適化が可能になり、広告の効率アップに役立つ。
・旧LINE@との違いは?
LINE公式アカウントは以前は「LINE@」というサービスであった。しかし、旧LINE@は2018年にLINE公式アカウントへ統合されている。旧LINE@と公式アカウントは同じようで違う点もある。旧LINE@と公式アカウントの違いとはどんな違いがあるのだろうか。旧LINE@との違いは次のとおりだ。
●事業規模にかかわらず初期費用0円
旧LINE@では個人や中小企業向けの初期費用無料プランと、大企業向けの初期費用有料プランがあった。公式アカウントでは旧LINE@の初期費用の2種類のプランが廃止され、事業規模にかかわらず初期費用0円から始められるようになっている。
●無料で利用できる機能の大幅拡充
旧LINE@では有料だった機能が、公式アカウントでは無料で使えるものが多くなっている。旧LINE@と同じように有料の機能もあるが、公式アカウントのほうが旧LINE@よりも多くの企業や個人が導入しやすいものになっていることは間違いない。
「LINE公式アカウント」とはどんなサービス?【機能】
旧LINE@よりも進化して、より多くの店舗やプロモーションが必要な個人でも使いやすいものになっているLINE公式アカウントだが、どんな機能が使えるのだろうか。LINE公式アカウントで使える機能について解説する。
【機能①】メッセージの配信
公式アカウントの友達に対してメッセージを送信できる。メッセージも単なるテキストメッセージだけでなく、さまざまな種類での送信が可能だ。公式アカウントのメッセージで送信できる種類は次のとおりである。
●テキスト(500文字まで)
●スタンプ
●画像
●クーポン
●リッチメッセージ
●リッチビデオメッセージ
●動画
●ボイスメッセージ
●リサーチ
●カードタイプメッセージ
クーポンやカードも送れるので、友だちにより興味を持ってもらえるような工夫も可能だ。
【機能②】チャット
LINE公式アカウントではチャット機能も使える。公式アカウントを友だち登録している友だちと、通常のLINEトークのようにテキストチャットができるのだ。チャット機能を使えば、問い合わせや相談を受け付けられる。ユーザー側としても、電話やメールよりも問い合わせのハードルが低くなり使いやすいので、顧客フォローにおすすめの機能だ。
【機能③】自動応答メッセージ
チャット機能は手動で対応することも可能だが、人手が足りなくてすべての問い合わせに対応しきれないという場合もある。そのようなときに便利なのが自動応答メッセージだ。LINE公式アカウントで使える自動応答メッセージには次の3つがある。
●自動応答機能:事前に登録したメッセージをランダムに送信
●キーワード応答:ユーザーからのメッセージに特定のキーワードが含まれていた場合にキーワードに対応する返答をする
●シンプルQ&A:ユーザーからの問い合わせをAIが自動判別してカテゴリー別に応答する
【機能④】ショップカード
スタンプカードの機能である。LINEの公式アカウント内にスタンプカードを作成して、LINE1回に付き1スタンプを押す、といった使い方ができる。5スタンプでクーポン発行などという使い方もできるので、店舗での公式アカウントではぜひ活用したい機能である。
【機能⑤】クーポンの作成・抽選
LINE公式アカウントを開設すると、公式アカウント内でクーポンを作成して配布できる。割引クーポンやプレゼントクーポンを作成して、キャンペーンに活用することが可能だ。
また、クーポンだけでなく、抽選キャンペーンの作成もできる。イベントで抽選したいときに活用するといいだろう。
【機能⑥】リッチメニュー
リッチメニューとはユーザーが公式アカウントのトーク画面を開いたときに、画面の下に表示される部分である。複数のメニューを常時表示できる。
画面の占有率が高いので、視覚的なアプローチ効果を見込める。また、ユーザーにわかりやすく公式アカウントからアクセスできるメニューを表示できるので、ショップページやキャンペーンの案内への誘導、クーポンの配布などへの動線として活用できる。
LINE公式アカウントの成功はリッチメニューにかかっていると言ってもいい、とても重要な機能である。
「LINE公式アカウント」とはどんなサービス?【アカウントの種類】
LINEの公式アカウントのサービスは、アカウントの種類によって利用できるサービスが変わってくる。どんな種類のアカウントがあるのか見ておこう。
【種類①】認証済アカウント
LINE公式アカウントには認証済みアカウントという種類がある。認証済みアカウントとは、LINEに審査を申し込んで、審査に通り認証されたアカウントのことである。認証済みアカウントになると、次のことができる。
●認証済みバッジの表示
●LINEアプリ内の検索で表示される
●販促用ポスターのダウンロード
●請求書決済が利用可能に
●友だち追加広告の利用
認証済みアカウントにならなければ、幅広い宣伝効果を発揮できない。不特定多数の人を対象にする店舗などは、ぜひ認証済みアカウントを目指すことをおすすめする。
【種類②】未認証アカウント
LINE公式アカウントのもう一つの種類は未認証アカウントである。未認証アカウントは、LINEの審査を通っていない公式アカウントのことである。こちらの種類の公式アカウントは企業だけでなく個人でも誰でも簡単に作成できる。
未認証アカウントでは、認証済みアカウントでできることができない。しかし、その他の機能や料金は承認済みアカウントと全く同じである。検索に表示されないと言ったデメリットが大きなデメリットにならない個人などは、未認証でも構わないだろう。
LINE公式アカウントでは3種類の料金プランが用意されている。公式アカウントを運用するにあたって、どのような料金プランの違いがあるのか見ておこう。
【料金プラン①】フリープラン
LINE公式アカウントには、月額料金無料で利用できるフリープランがある。フリープランでは、1ヶ月に送信できるメッセージの上限が1,000通までである。500人の友達がいたら、月に2回までメッセージが送信できる。メッセージの追加送信はできない。
顧客の多い店舗や企業にはおすすめできないが、個人で利用する場合にはフリープランで十分だろう。
【料金プラン②】ライトプラン
ライトプランは月額5,000円で1ヶ月に1万5,000通までメッセージを送信できるプランだ。500人の友だちがいたら、1人に30通まで1ヶ月にメッセージを送信できる。メッセージの送信数を追加したい場合には、1通あたり5円で送信できる。
【料金プラン③】スタンダードプラン
スタンダードプランは月額15,000円で1ヶ月に45,000通までメッセージを送信できる料金プランだ。1,000人の友達がいても、1ヶ月に45通のメッセージを送信できる。メッセージの送信数を追加したい場合には、1通あたり3円で追加できる。
「LINE公式アカウント」を運用するコツや注意点は?
LINEの公式アカウントを運用する上では、いくつかのコツや注意点がある。運用する上でのコツや注意点にはどんなものがあるのか見ていこう。
【コツ・注意点①】友だち追加に繋がる取り組みをする
LINE公式アカウントを運用する上では、友だちの数を増やすことがとても大切なコツになる。アカウントを運用する上で友だちの数が増えれば、売上アップに繋がっていく。
LINE公式アカウントの友だち登録のためのQRコードを店舗の見やすい位置へ掲示したり、お得なキャンペーンで登録を促したり、といった工夫を積み重ねることが友だちを増やすためのコツである。
【コツ・注意点②】友だちに有益な情報を配信する
個人的にLINEを使っている人は心当たりがあるだろうが、気がつくとLINEのトークが多くの公式アカウントで埋まってしまい、通知をすべて確認できない、という個人ユーザーも少なくない。
個人間トークや他の公式アカウントからの通知でいっぱいになってしまいがちなLINEの中でも、公式アカウントを運用するならメッセージを開いてもらわなければいけない。
メッセージを開いてもらうためには、日頃からユーザーにとって有益な情報を発信することを心がけて運用しよう。商品やサービスの宣伝だけではなく、商品やサービスに興味を持ってもらう雑学の解説やクイズ、抽選など、ユーザーが興味を持ってもらえるように注意しながら、アカウントを運用することが大切なコツだ。
【コツ・注意点③】ブロック率を増やさないようにする
LINEの公式アカウントを運用する上で、最も注意しなければいけない点は、ブロックされないような運用を心がけることである。
LINEではユーザーが通知を受け取りたくない公式アカウントを削除する機能がなく、通知を受け取りたくない公式アカウントはブロックするしかない。
トークの一覧に表示したくない場合には、さらに非表示設定が必要だ。ブロックされてしまったり、非表示設定にされてしまったりしたら、いくら有益でお得な情報を発信しても、友だちに届けることができなくなってしまう。
LINEの公式アカウントを運用する上では、ある程度のブロック率は仕方がないが、ブロック率を上げないように注意することが大切なコツだ。
ブロック率が上がってきたら、ターゲットにしている友だちの属性がズレているか、有益な情報を届けられていないかのどちらかを警告している注意信号だ。他の人気のLINE公式アカウントの運用方法や工夫に注意を向けて、ブロック率を下げるためにはどうしたらいいのか考えたほうがいいだろう。
※サムネイル画像(Image: I AM NIKOM / Shutterstock.com)