「LUSH」が世界の公式SNSを一斉停止…その背景とは? 日本ではFacebook、Instagram、TikTokの3つ

おもちゃのようにポップでカラフルなビジュアルと、ワクワクするような甘い香りが人気を集めるスキンケアブランド「LUSH(ラッシュ)」。イギリス発のラッシュは日本でも全国に店舗を展開しており、海外を思わせる独特な店構えを目にしたことがある人も多いかもしれない。

そんなラッシュが、11月26日をもって世界48カ国の公式SNSを一斉停止するという。いったいなぜなのだろうか?

11月26日からSNSを停止、再開は未定

ラッシュジャパンの公式Instagram。フォロワーは10万人にものぼる(画像はInstagram公式アカウントから引用)

ラッシュは11月22日、世界48カ国で運営しているSNSアカウントを、11月26日からすべて停止させることを発表した。停止期間については、「これらのSNSプラットフォームが、より安全な環境をユーザーに提供できるようになるまで継続する」としており、再開は未定だ。

ラッシュの商品はカラフルで、キラキラ輝いていて、“映えの極み”といっても過言ではないほど。その可愛らしいビジュアルに惹かれて商品を購入する消費者も少なくないため、InstagramをはじめとするSNSで公式アカウントを使って情報を発信することの重要性は他の企業よりも大きな効果を生んでいたことは想像に難くない。そんな企業の主力とも呼べる宣伝手法を実質的に切り捨てるのは、かなり勇気の要る決断だったのではないだろうか。

ラッシュ公式ホームページのプレスリリース(画像は公式サイトのリリースをキャプチャし引用)

今回の決断について、ラッシュ公式ホームページに掲載されたプレスリリースでは、「一部のSNSには深刻な弊害があるという証拠が続々と出てきている中、ラッシュはこの状況に対して早急に対処することが必要であると考えており、他の誰かがこの問題に関して警鐘を鳴らすのを待つのではなく、ラッシュ自らの行動を変えることで、この問題に対処したいと考えています」と伝えている。そのため「世界48の国と地域で運営するFacebook、Instagram、TikTok、Snapchat、WhatsAppの5つのプラットフォーム※のアカウントから一斉にサインアウトし、利用を止めます」と宣言。「日本でサインアウトの対象となるプラットフォームは、Facebook、Instagram、TikTokの3つです」と、日本ユーザーへ影響を与えるであろうSNSも案内していた。

また、プレスリリースの中で企業ステートメントにも言及し、この決断の背景には「元Facebook社の勇敢な内部告発者によってもたらされた、昨今報道されているFacebokやInstagramが心身への悪影響をもたらす内部調査情報」があることも明かしている。元Facebook社の元社員による内部告発によって明らかになったのは、「インスタグラムは子どもの自己肯定感を下げて自殺願望を増長させる」「Facebookのアルゴリズムは怒りを増幅するコンテンツを選ぶよう操作されている」など驚きの事実ばかり。これを受けて、消費者に“リラックスするバスタイム”を提供しているラッシュは、SNSの停止に踏み切ったのだそう。

この衝撃的な決定にネット上からは、「素晴らしい考えと実行力」「ラッシュの理念には全面的に賛同するわけではないけど、この姿勢は良いと思う」「日本はこうゆう企業における社会貢献意識まだ低いね」など、決断を評価する声が聞こえてきた。一方で「ラッシュはスメルハラスメント」と、商品の特徴的な香りを揶揄する投稿も。“自然派”のナチュラルコスメブランドというブランディングに対してのツッコミも存在した。

ラッシュによるこの決断は、勢い余っての一過性の対応ではなく長引きそうな気配もある。バスグッズのように、過去のことを水に流してラッシュとSNSが手を取り合える日は再び訪れるのだろうか?今後の動向にも注目したい。

参照元:世界48の国と地域で11月26日(金)から一斉にFacebookやInstagramなどのSNSアカウントからサインアウトします【LUSH

※サムネイル画像(Image:weare.lush.com)

オトナライフ編集部
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