皆さんは「ガラケー」という単語をご存じだろうか。ガラケーとは2000年代に流行った押しボタン式の携帯電話のことである。
スマートフォンが携帯電話の主流となった令和の今では、街でガラケーを見かけることはほとんど無くなってしまった。
2022年4月8日に投稿された、まりげ@marige333さんの「父、2006年から使い続けた携帯を買い替える」というツイートには、2006年の携帯電話をめぐる、まりげさんとお父さんのクスっと笑える日常を描いた漫画が添えられており、4500件を超える「いいね」とともに、多くのツイッターユーザーたちの反響を呼んだ。
今回は、まりげさんのツイートの詳細と、リプライ欄に寄せられたさまざまな意見をご紹介したい。
父、2006年から使い続けた携帯を買い替える pic.twitter.com/v86W1TAEs7
— まりげ【 新刊4/15発売 】 (@marige333) April 8, 2022
15年近く使ったガラケー
「携帯電話を買い替えたいが、どこに行けばいいのかわからない」と、胸の内を語るお父さんの一言から、この漫画は始まる。
父親思いのまりげさんは、「一緒にお店へついて行くから、今はどんなのを使っているのか見せて」と言うと、お父さんが差し出したのは、折りたたみ式の昔懐かしい携帯電話だった。
しかも、その携帯電話の液晶には、長年使い続けた経年劣化からか、謎のブラックホールのようなものまで出現している始末。
このボロボロの折りたたみ携帯電話を「もう15年近く使っている」というお父さんに、まりげさんは「これを機にスマホにしよう!」と提案するのだった。
懐かしのガラパゴス携帯
まりげさんのお父さんが使っていた15年前の折りたたみ式携帯は、冒頭でも触れた「ガラケー」と呼ばれている携帯電話である。
簡単に言うと、「スマホが普及する前の普通の携帯電話」のことなのだが、当時の日本の携帯電話は、IT技術で独自の進化をしながらも国際規格とは異なっていた。
平成の時代には、「ワンセグケータイ」や「着うた」・「着メロディー」などが一世を風靡していたが、これらの機能は海外ではほとんど普及していなかったらしい。
そのため、世界とは別に独自の進化を遂げていた日本の携帯電話は、周辺地域から海によって隔離され、独特の生態系を維持してきたガラパゴス諸島になぞらえて「ガラパゴス携帯」と総称されるようになり、その略称として「ガラケー」と呼ばれるようになったのだそうだ。
2000年代生まれの皆さんは、ファースト携帯がすでにスマホだった人も多いかもしれない。
もちろん、使い勝手でいうとスマホの方が断然上だが、ガラケーにはガラケーの良さがあり、今もなおガラケーを好んで使っている人も存在する。
20代、30代は、すでにほとんどの人がガラケーからスマホに移行したと思うが、今もガラケーの端末を見ると、懐かしさを感じる人が多いのではないだろうか。
あの頃は、なかなか届かないメールを待てず、幾度となくセンター問い合わせを試みたり、電波の弱い場所でもなんとか通信しようと、アンテナをめいっぱい伸ばした端末を空に向かって振り回すというような、奇行に走った人も多かったはずである。
お父さんのメールアドレス
無事にガラケーからスマホへと機種変更した、まりげさんのお父さんだったが、やはりスマホ移行の手続きは大変だったようで、かなりお疲れの様子。
あとは「メールアドレスを何にするか決めよう」と言うまりげさんに、意外にもお父さんは即答で「fujiikun18saiでお願いします」と答える。
理由は「将棋でおなじみの藤井聡太くんが18歳を迎えたから」とのこと。まりげさんはこの理由がまったく理解できない様子を見せながら、漫画は締めくくられている。
このツイートの漫画を読んだファンからは、「藤井くんが年を重ねるごとにアドレス変えなきゃいけなくなっちゃう」との冷静なツッコミや、「まりげさんとお父さんコンビの距離感がいつも面白くて好きです」などのコメントが寄せられた。
3G回線のサービス終了について
もしかすると、読者の皆さんの中にも、まだガラケーを使い続けている人がいるかもしれない。もうご存じかもしれないが、念のためにお伝えしておくと、次世代の5G回線に対応することから、すでに大手3キャリアは3G回線のサービス終了を発表している。
3G回線のサービスが終了すると一体どうなるのかと言うと、ガラケーではインターネットどころか通話もできなくなってしまうのだ。
すでにauでは今年の3月末にサービスが終了しており、今後は、ソフトバンクが2024年の1月下旬、ドコモが2026年の3月末をサービス終了時期としているので、なるべく早いうちにスマホへと移行するのがオススメである。
ただ、「どうしてもガラケーが良い!ガラケーじゃなきゃ嫌だ!」というマニアな人は、「ガラホ」という、形はガラケーだが機能面がスマホに近い端末もあるので、そちらを検討してみるのもひとつの手かもしれない。
※サムネイル画像(Image:「まりげ【 新刊4/15発売 】(@marige333)さん」提供)