世界最大の動画配信サービス、Netflix。さまざまなジャンルのドラマや映画、ドキュメンタリーをいつでもどこでも観られることから、毎日の生活に欠かせないサービスになりつつあります。
今回はNetflixから2022年に観たいおすすめの海外や韓国のドラマ、日本のドラマ、Netflixオリジナル映画、ドキュメンタリーなど計18作をあらすじや見どころを踏まえてご紹介します。
Netflixのおすすめ海外ドラマ 5選
アメリカの大人気SFホラードラマ『ストレンジャー・シングス』の新章、シーズン4の第二部が2022年7月1日から配信開始。同作をはじめに、ますます盛り上がるNetflixの海外ドラマからおすすめの5作品を紹介します。
ストレンジャー・シングス | 80年代のSF・ホラー映画へのオマージュが魅力
(画像はNetflix公式より引用)
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』は2016年7月からシーズン1の配信を開始し、記録的な視聴回数を獲得したSFホラードラマシリーズです。
1983年、アメリカの田舎町で少年が失踪し、捜索しているうちに超能力を持った少女が現れさまざまな超常現象が起こっていくという、スティーブン・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせる少年少女の冒険譚と、同じくキング原作の『キャリー』のような摩訶不思議なホラー要素の融合が魅力的な作品です。シーズンごとに子役が成長していくのを実感できるのも魅力のひとつです。
クイーンズ・ギャンビット | チェスの才能を開花させた少女の苦悩と栄光の物語
(画像はNetflix公式より引用)
『クイーンズ・ギャンビット 』は1950年代、冷戦下のアメリカで母親を交通事故で失った少女が養護施設でチェスと出会い、孤独や薬物・アルコールの依存症と戦いながら男性中心のチェスの世界で世界一を目指す社会派ヒューマンドラマです。
このドラマの魅力はなんといっても主人公ベス・ハーモンを演じるアニャ・テイラー=ジョイの大きく印象的な瞳。チェスの対戦中に上目遣いで相手をじっと見つめる様は、視聴者のこちらまで見透かされているように感じるほどの迫力があります。
『クイーンズ・ギャンビット 』とはチェスの駒の定跡の名前ですが、チェスの知識がなくても楽しめるドラマになっています。
13の理由 | 世界的に社会現象を巻き起こした問題作
(画像はNetflix公式より引用)
『13の理由』はアメリカの高校で女子生徒が自ら命を絶ち、その理由を彼女が録音した7本のカセットテープをもとに探っていくティーン向け社会派ヒューマンドラマです。2017年にアメリカで公開されると10代の自殺者が急増し、WHO(世界保健機関)が映画やテレビ制作者に向けて「自殺予防の指針」を策定するに至るなど世界的な社会現象を巻き起こし、現在ラストシーズンであるシーズン4まで配信されています。
ティーン向けドラマですが、アメリカのさまざまな社会問題を内包しており、登場人物一人ひとりにフォーカスしたストーリーは見応え抜群です。
ペーパー・ハウス | スペイン発のサスペンスドラマ、韓国リメイク版も好調
(画像はNetflix公式より引用)
『ペーパー・ハウス』はスペイン・マドリードの王立造幣局(ペーパーハウス)に人質を取って籠城し、24億ユーロ(日本円に換算すると3200億円以上!)を盗み出そうとする8人組の強盗団を描いたスペイン発のサスペンスドラマです。フード付きの真っ赤なジャンプスーツに身を包み、スペインを代表するシュルレアリスム画家であるダリの仮面を付けた強盗団の姿は一度見たら忘れられません。
韓国で『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』としてリメイクされ、2022年6月から配信が開始しこちらも大ヒット中です。
ハウス・オブ・カード 野望の階段 | 冷酷非道な政治家が目指す権力の頂
(画像はNetflix公式より引用)
『ハウス・オブ・カード 野望の階段』はアメリカの政界を舞台に、下院議員のフランクとその妻クレアが手段を選ばず復讐し、権力を手に入れようとするサスペンスドラマです。名優ケヴィン・スペイシーが演じるフランクの血も涙もない極悪人ぶりや、カメラ目線で視聴者に語りかけるような演出、リアルなワシントンやホワイトハウスの描写、錯綜する人間関係など見応え充分な大人向けドラマです。
K-POPだけでなく、韓国ドラマでも世界的な大ヒットが続いています。
Netflixオリジナル韓国ドラマ『愛の不時着』は2022年現在でもロングヒットし、Netflixの日本の視聴者数TOP10に入り続けています。
また、上記「Netflixのおすすめ海外ドラマ 5選」に挙げたスペイン発のサスペンスドラマ『ペーパー・ハウス』のリメイク版『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』も朝鮮半島が再統一に向け動き出した2025年という近未来を舞台にしていることから話題となっています。
ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え | 南北の対立構造に注目
(画像はNetflix公式より引用)
スペイン発の大人気サスペンスドラマ『ペーパー・ハウス』の韓国版として、配信前から注目を集めていた韓国ドラマが『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』です。現在シーズン1のみ配信されており、今のところおおむねスペイン版『ペーパー・ハウス』に沿ったストーリーが展開されていますが、話題となったのはその舞台設定。
朝鮮半島が再統一に向け動き出した2025年という近未来を舞台にし、主人公のトーキョーも北朝鮮出身の元軍人という設定なのです。強盗団も北朝鮮出身者と韓国出身者の混合チームで、北と南の対立という軸が導入されているところがスペイン版と大きく異なるので、両方見比べてみるのも面白そうです。
ヴィンチェンツォ | 悪が悪を懲らしめる痛快さが魅力
(画像はNetflix公式より引用)
『ヴィンチェンツォ』はイタリアンマフィアの顧問弁護士を務める韓国系イタリア人ヴィンチェンツォが仲間の裏切りに遭い、ソウルの雑居ビルに隠された金塊を手に入れるため母国韓国へ渡り悪の大企業と雑居ビルを巡り法廷闘争に巻き込まれるクライムサスペンスドラマです。
イタリアンマフィアから培ったマフィア流の戦術で大企業と闘う「悪VS悪」の構図、二転三転するストーリー、ときおり挟まれるコメディな場面と、中毒性が高いドラマです。
愛の不時着 | 愛の障害は北朝鮮!正統派ラブストーリー
(画像はNetflix公式より引用)
『愛の不時着』はパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着した韓国財閥令嬢と、彼女を守るうちに愛が芽生えた北朝鮮の軍人とのロマンスを描いたラブストーリードラマです。全16話の1シーズンで完結しています。韓国財閥令嬢セリ役のソン・イェジンと北朝鮮の将校ジョンヒョク役のヒョンビンが実際の私生活でも2022年に結婚し、大きな話題となりました。
ラブストーリーは障害がなければ盛り上がりませんが、その障害を「北朝鮮」としたところが韓国ならではの設定であり、日常的に電気が止まりその影響で列車も止まる北朝鮮を舞台に正統派ラブストーリーを堂々と展開するのが『愛の不時着』の比類なき魅力です。
サイコだけど大丈夫 | ファンタジックな異色恋愛ドラマ
(画像はNetflix公式より引用)
『サイコだけど大丈夫』は自閉症の兄を支える精神病棟の保護士の男性と、人気児童文学作家でサイコパスの気質を持つ女性のファンタジーやサスペンスの要素を併せ持つ異色恋愛ドラマです。毎回童話にちなんだタイトルがつけられており、心を閉ざしたふたりが少しずつ歩み寄っていく様に見ているだけで癒されます。高機能自閉症で主人公の保護士の兄を演じるオ・ジョンセの演技がとにかく素晴らしく、一見の価値ありです。
イカゲーム | 世界的に大ヒットしたデスゲームドラマ
(画像はNetflix公式より引用)
『イカゲーム』は多額の借金を抱えた主人公が賞金を求めて命がけのサバイバルゲームに参加するいわゆるデスゲームものドラマです。2021年9月に配信されると、非英語作品ながら日本を含む世界94カ国で「今日の総合TOP1」を獲得するという、Netflix史上最大の記録を出した大ヒットドラマです。
マンガ好きの方でしたら『賭博黙示録カイジ』や『LIAR GAME』を思い出す少し懐かしい設定ながら、映像は色味が明るくポップで、それがかえって血みどろのサバイバルゲームの気味悪さを引きたてつつ、世界中の視聴者の興味を引いたのかもしれません。
Netflixオリジナルの日本のドラマも増えており、注目されています。特にシーズン2の制作が発表された『今際の国のアリス』は『イカゲーム』と同じくデスゲームものドラマとして海外からも関心を集めています。
今際の国のアリス | 異次元の東京を舞台にしたデスゲームドラマ
(画像はNetflix公式より引用)
『今際の国のアリス』はゲーマーの主人公が渋谷で友人とともに異次元の東京へ迷い込み、強制的にサバイバルゲームへ参加させられるというデスゲームものドラマです。主演は若手実力派俳優の山崎賢人と土屋太鳳、監督は『キングダム』でも山崎賢人とタッグを組んだ佐藤信介です。
『今際の国のアリス』の魅力は人が消えた東京の街を舞台にしているところです。いつもの渋谷を知っている人ならまったく人のいないスクランブル交差点のシーンだけでも少し怖くなると思います。このシーンは実際に渋谷でロケしたものではなく、精巧なセットで撮影されたものだそうです。
浅草キッド | 芸人ビートたけしの誕生秘話
(画像はNetflix公式より引用)
『浅草キッド』は昭和40年代の浅草フランス座を舞台に、芸人ビートたけしの誕生秘話を描いた青春映画です。監督・脚本をビートたけしを敬愛する劇団ひとりが担当し、ビートたけしの師匠である深見千三郎を大泉洋、ビートたけしを柳楽優弥が演じています。柳楽優弥演じる現在のビートたけしが本人と見まごうほどそっくりで、驚くこと間違いなしです。シンプルなストーリーと昭和40年代のノスタルジックな浅草の風景が魅力の映画です。
全裸監督 | AV業界の舞台裏を覗けるお仕事ドラマ
(画像はNetflix公式より引用)
『全裸監督』は実在のAV監督、村西とおるをモデルに、バブル景気に沸いた1980年代の日本を舞台として、村西とおるがアダルト業界に入るまでとAVの革命児として伝説になっていく様を追った虚実入り混じる評伝的ドラマです。主人公の村西とおるを山田孝之が演じています。
A V監督のドラマということもあり性的なシーンも多く含まれていますが、エロティックというよりA V撮影の舞台裏にスポットを当てたお仕事ドラマとしての側面が強く、ネット配信だからこそ可能な大人向けドラマに仕上がっています。
Netflixではオリジナル映画の製作にも力を入れており、作られた作品の多くが劇場で公開された直後にNetflixで独占配信されています。最近だとアカデミー賞4部門にノミネートされた 『ドント・ルック・アップ』が話題になりました。
そのようなNetflixオリジナル映画のなかからおすすめの映画をご紹介します。
ドント・ルック・アップ | 笑うに笑えない地球滅亡ブラックコメディ
(画像はNetflix公式より引用)
『ドント・ルック・アップ』は2人の天文学者が巨大彗星が地球に衝突する可能性を発見し、大統領を始めとする関係機関やメディアへその危険性を必死に訴えるものの、まったく取り合ってもらえず、そうしたなかでも地球の危機は刻一刻と迫っていくSFブラックコメディ映画です。
地球の危機を訴える天文学者をジェニファー・ローレンスとレオナルド・ディカプリオがダブル主演しており、監督・脚本は『俺たちニュースキャスター』のアダム・マッケイです。主演以外もキャストがとにかく豪華で、大統領役のメリル・ストリープ、テレビ司会者役のケイト・ブランシェット、補佐官役のジョナ・ヒルをはじめ、ティモシー・シャラメ、アリアナ・グランデ、マーク・ライランスらが出演しています。
地球滅亡の危機を前に人間の愚かさをリアルに描き出す本作に、地球温暖化など現実的に起こっていることへの対応を考えさせられます。
グレイマン | 正統派アクション大作
(画像はNetflix公式より引用)
『グレイマン』は所属組織であるCIAに裏切られ命を狙われる、CIAの元雇われ工作員の逃亡と闘いを描くアクションスリラー映画です。監督を務めるのは『アベンジャーズ』シリーズなどのアンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ兄弟、主演はライアン・ゴズリングです。正統派アクション大作映画と呼べる本作ですが、特にプラハの路面電車でのアクションシーンは圧巻です。
2022年7月に公開されたばかりですが、監督であるルッソ兄弟は『グレイマン』の世界をさらに拡大させる計画を持っているそうで、すでに続編とスピンオフの制作も予定されています。
アダム&アダム | 大人と子供で地球を救う!?タイムトラベルムービー
(画像はNetflix公式より引用)
『アダム&アダム』は2050年の未来から2022年へ不時着してしまった戦闘機パイロットのアダムが、12歳の自分と出会い、大人のアダムと子供のアダムが協力して世界を救うために奔走するタイムトラベル・アクションムービーです。
上記画像を見てピンときた方もいると思いますが、スターウォーズやMCUのパロディやオマージュをこめた小ネタが散りばめられており、ファンならつい反応してしまう映画です。
タイムトラベルものというとやり尽くされているようにも思えますが、ライアン・レイノルズ演じる大人アダムと、実年齢も12歳のウォーカー・スコベル演じる子供アダムが協力して困難に立ち向かうというのはなかなかない設定で、ふたりの掛け合いも映画の見どころとなっています。
映画やドラマの影に隠れがちですが、Netflixではドキュメンタリーも制作や配信を行っています。最後に、Netflixのドキュメンタリーシリーズからおすすめの2作品をご紹介します。
FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー | 余りの杜撰さに唖然!大失敗に終わった音楽フェスのドキュメンタリー映画
(画像はNetflix公式より引用)
バハマ諸島のリゾート・アイランドを貸し切り、豪華な食事や音楽、スポーツを楽しめると謳って開催された音楽フェス「ファイア・フェスティバル(Fyre Festival)」。ところが島に到着した参加者に用意されていたのは粗末な食事と水浸しのマットレスでした。出演アーティストは来ずフェスは大失敗、1日で中止になるも多くの参加者が島に取り残され、主催者が詐欺の容疑で逮捕されるなど大炎上に発展したファイア・フェスティバルの裏側に迫ったドキュメンタリー映画が『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』です。
もうこれが本当にあったことなの?と唖然としてしまいますが、あまりの杜撰さと酷さに笑えてくる夏にお薦めのドキュメンタリーです。
ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者 | 被害者の勇気ある証言にエールを
(画像はNetflix公式より引用)
『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』は、2019年未成年の少女数十人を性的に搾取した疑いで逮捕されたものの、拘留中の独房で謎の死を遂げたアメリカの大富豪ジェフリー・エプスタインの実態を、被害者たちの勇気ある証言とともに検証するドキュメンタリーシリーズです。
元々少女だった女性たちが巧妙に性的搾取の罠へ絡めとられていった証言に胸が苦しくなるものの、虐げられてきた女性たちが立ち上がり証言を始めたことを応援したくなる一作です。
まとめ | 筆者は『ヴィンチェンツォ』と『ドント・ルック・アップ』推しです
筆者は韓国のサスペンスドラマが大好きなので、おすすめのなかでも『ヴィンチェンツォ』が好みです。ヴィンチェンツォを演じるソン・ジュンギのイタリアンスーツ姿も素敵です。
また、『ドント・ルック・アップ』もキャストの豪華さとストーリーの皮肉さで特におすすめしたい作品です。
今注目しているのはNetflixオリジナルのドキュメンタリーシリーズです。今回ご紹介した『ジェフリー・エプスタイン 権力と背徳の億万長者』もそうですが、豊富な資金力をベースに社会的な問題に切り込むドキュメンタリー作家への支援を期待しています。
※サムネイル画像(Image:Peter Galleghan / Shutterstock.com)