株式会社PMSが運営する「アンテナドクター」は、2024年1月29日~30日に10~20代の男女332人を対象に「テレビの視聴状況に関する調査」を実施した。若者のテレビ離れが叫ばれている昨今だが、実際に若い世代はテレビを視聴していないのか。その実態について紹介しよう。
若い世代は、テレビとネットを併用している人が多い?
まず、若者のテレビを見る頻度に関する調査結果を見ると、59.4%が「ほぼ毎日見る」と回答しており、「週に3,4日」は10.5%、「週に1,2日」は7.5%であった。若者のテレビ離れが深刻だと騒がれているが、世間が想像しているよりもテレビを視聴している人は多いことがわかった。
一方、17.1%が「まったく見ない」と回答。その理由についてたずねると、「家にテレビがない」「見たい番組がない」「そもそも興味がない」がそれぞれ35%以上で、大部分を占めていた。YouTubeや動画配信サービスの普及によって、地上波以外の選択肢が増えたことがテレビ離れの主な原因だと推測できる。
テレビを年に1回以上視聴する人に、テレビとネット配信のどちらをよく視聴するかを聞いたところ、テレビ派の人は43.9%、ネット配信派の人は41.5%と、わずかにテレビ派のほうが多いという結果に。ただ、どちらかに偏ることはなかったため、テレビもネットも併用している若者が多いのだろう。
およそ8割が新しい環境でもテレビがほしいと回答
世間の予想に反して、意外と多くの若者はテレビを見ていることが明らかになったが、何を求めてテレビを見ているのだろうか。テレビを見る理由についての調査では、「好きな番組がある」「習慣になっている」「なんとなく」という答えが上位を占めた。子どものころからのルーティーンとしてテレビをつけている人も少なくない。
若者は進学や就職など、住環境が変わる機会も多い。転居などの際にテレビをほしいと思う若者は78.1%と、テレビを必要だと感じている人の多さが見て取れる。では、なぜ新しい環境でもテレビが必要なのだろうか。その理由として「テレビを見るのが習慣になっている」「見たい番組がある」という回答が最も多かった。そのほか「災害時などの情報収集ができる」という声も。必要な情報をある程度整理された状態で収集できるのは、テレビだからこそといえるかもしれない。
反対に「テレビがほしくない」と回答した人の理由については「テレビの必要性を感じない」という意見が圧倒的に多かった。「テレビ番組はネットでも見られる」という回答もあるように、番組視聴も情報収集もネットで十分だと考えているのだろう。
いわゆるZ世代は、ネット配信を視聴する人は多いものの、テレビをまったく見なくなったわけではないことが伺える。コンテンツの選択肢が増えたことや昨今のコンプラ規制などの影響で、地上波番組に魅力を感じなくなった若者はゼロではないが、テレビ自体のニーズはいまだ健在のようだ。
引用元:【アンテナドクター】