「脱はんこ」じゃ足りない! テレワークへの障害となっている意外なアナログ業務とは

新型コロナウイルスの流行により、2020年一気に定着し始めたテレワークなどの在宅勤務。しかしテレワーク化を進めるうえで課題となったのが、日本特有の「はんこ文化」だった。「たまった書類の調印業務のために出社しないといけない」、「上司から、書類にはんこをもらわないといけないので出社している」といった声が次々と噴出し、はんこ文化を見直す世論が強まった。
しかし、とある調査によると多くの社会人がはんこ以上にネックに感じているのが、「電話」や「FAX」への対応であるということが判明した。
テレワークの導入実績調査の結果から、日本の抱えるアナログ文化への問題点を探る。

社内体制が未整備でテレワークの導入に踏み切れない

2020年はオフィスから人が減った年となった

 BtoB受発注システムを提供する企業・CO-NECTが8月に実施した、受注業務に従事する企業を対象としたテレワークに関するアンケート結果によれば、テレワーク導入について「全社導入している」と答えた企業はわずか15%に留まった。「一部の部署・社員のみ導入している」と答えた企業も40%、「導入していない」と答えた企業は45%となった。テレワーク未導入の企業で最も多かった理由は「テレワーク勤務時の業務フローや社内規定が整備されていない」という社内体制のソフト面での課題だった。このことから、導入に向けてのノウハウ不足や情報を集めるだけのリソース不足が、テレワーク未導入の原因であることがうかがえる。
 また、「全社導入している」と答えた企業は、10名以下の小規模企業、もしくは100名以上の企業のみで、小回りの利く少人数の企業か、大きな資本や経営体力のある企業でないと、現状は会社全体のテレワーク勤務を実現することが難しいという課題も露呈したのだった。

FAXをはじめとした紙文化に対しても、ペーパーレスの流れが起こっている

 テレワーク導入が進まない企業に「FAX対応はテレワーク実現の障壁になるか」を質問したところ、「FAX対応の為に一部社員のテレワークが実現できない」と回答した企業は35%。さらには、「FAXや電話経由での受注など、会社に行かないと注文情報が見られない」と全体の37%の企業が回答した。FAXや電話といったアナログな業務がテレワークを阻害していることが見て取れる。会社としてのソフト面だけでなく、アナログな日本のビジネス文化全体がテレワークの導入に大きな障害となっているようだ。

 「はんこ」文化がナンセンスではないかと、マスコミなどで連日取り上げられているが、日本のビジネス界の内情は、はんこだけに留まらずに「電話」や「FAX」といったアナログ文化がまだまだ根強く残っている。世界中で進む社会のデジタル化の波に日本が乗り遅れないためにも、国をあげての環境整備が急務と言える。国や都が提唱する「はんこレス」「ペーパーレス」などの取り組みが、官民の隔てなく全国に波及していくことを期待したい。

参照元:3割の企業が「FAX対応の為にテレワークが実施できない」と回答!受注企業へテレワークに関するアンケート調査を実施【CO-NECT

オトナライフ編集部
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