公共の場でフリーWi-Fiを使ってインターネットに接続する機会は多いですが、気をつけていないと通信の傍受や個人情報の盗難といった被害にあってしまいます。安全にフリーWi-Fiを使う上でおすすめなのがVPNです。この記事では数あるVPNの中でどれを選択すべきか、またMacにVPNを接続する方法を分かりやすく解説します。
【Mac】「VPN」サービスの選び方

レストランやカフェといった場所で、利用者がインターネットを利用できるように無料で提供されているサービスがフリーWi-Fiです。外出先でインターネットを使ってMacで作業しなければならないときに、フリーWi-Fiを利用できると大変便利です。
しかしフリーWi-Fiにはいろいろな危険が潜んでいるので注意しなければなりません。多くのフリーWi-Fiは暗号化されていないので、Macに接続すると第三者による通信の盗聴やのぞき見の被害に遭うリスクが高まります。
暗号化されていないフリーWi-Fiは、利用者がMacで閲覧しているWebサイトのURL、履歴、メールの内容なども簡単に閲覧されてしまったり、Macのユーザー名やパスワードを盗まれてしまったりすることもあるため、安全とはとてもいえません。
フリーWi-Fiでよくある危険には、なりすましアクセスポイントもあります。飲食店の店内に貼りだ出されているネットワーク名(SSID)とよく似たネットワーク名は、なりすましアクセスポイントです。
なりすましアクセスポイントを誤ってMacに接続してしまうと、Macの盗聴、のぞき見、乗っ取りといった被害に遭う場合があります。Macで盗聴や個人情報の盗難を経験せずに、公共のフリーWi-Fiを安全に利用するためにおすすめなのがVPN接続です。
VPNは「Virtual Private Network」の頭文字を繋げたもので、仮想的なプライベート回線を設置するものです。いろいろな人の通信が入り乱れ、セキュリティが脆弱な公衆ネットワークの中に、自分だけのMac専用回線を仮想的に作ってくれるのがVPN接続です。
VPN接続は「トンネリング」「暗号化」「認証化」という3つの技術を使って通信の安全を守ってくれます。まず、Macと通信先までの間に仮想的なトンネルを作り、外部から見えないようにします。
さらにトンネルの中を通過するデータを暗号化し、箱に詰めて鍵をかけてしまうため、仮に箱が開けられても暗号化されているためMacで行う通信データを見ることはできません。さらに認証された鍵がなければ、暗号化を解くことはできません。
VPN接続はMac利用者の通信経路を消してくれるので、たとえば海外在住では利用できないPayPayでも、接続サーバを日本に選択すれば、海外に住んでいてもMacでPayPayを利用できるといったメリットもあります。
安全性と利便性の面で今、多くの人が利用しているVPNですが、現在たくさんのVPNサービスが提供されているため、Macに最適なVPNサービスを選択するのは容易なことではありません。
この記事では、安全で信頼できるVPNサービスがどれかを紹介します。これからVPNを始めようと考えているものの、おすすめのVPNサービスがどれなのか悩んでいる人は、この記事を最後まで読んで参考にしてください。
Macで最適なVPNサービスがどれかを選ぶ上で、重要な4つのチェックポイントをこれから紹介します。
安全性
Macで最適なVPNサービスがどれかを選ぶ上でまずチェックしていただきたいのは、提供されているVPNサービスの安全性です。安全性の高さは非常に重要な選定基準です。
安全性の面で確認していただきたいのは、VPNサービスが強力な暗号化通信、ノーログポリシー、信頼性の高いプロトコルを提供しているかどうかです。暗号化については、「256ビットAES」という方式が現時点で最も信頼できます。
安全性の面で欠かせないプロトコルについて以下にまとめるので参考にしてください。
プロトコル | 特長 |
PPTP | 互換性には優れているが安全性が低い |
L2TP | PPTPに比べ安全性は高いが速度が遅い |
SSTP | 安全性は高いが互換性が悪い |
IKEv2 | PPTPやL2TPに比べ安全性が高く高速である反面、端末が限定される |
OpenVPN | 安全性や速度の面で最も優れ柔軟性がある |
通信速度
Macに最適なVPNサービスがどれかを選ぶ上で2番目にチェックしていただきたいのは、通信速度です。VPN接続はインターネットを安全に利用するためのサービスなので、通信速度が遅ければたとえ安全でもストレスが溜まります。
提供される通信回線サービスは一般的に、通信速度を保証しない「ベストエフォート型」と、通信速度をある程度保証する「帯域保証型」の2つに大別されます。
サーバの拠点数が多いほどアクセスの集中を避けられるため、通信速度を落とさずにすみます。また帯域幅が無制限なら、たくさんのデータの送受信を一度に行えるため、高速の通信速度を維持できます。
料金
Macに最適なVPNサービスがどれかを選ぶ上で3番目にチェックしていただきたいのは、料金です。VPNサービスを導入するには初期費用がかかります。毎月の利用料金も、VPNサービスを提供する会社によって違いがあるので比較する必要があります。
さらに、契約更新にかかる料金やサービスの中断をするための解約料金も必ずチェックするようにしましょう。理想的なのは、数年間というスパンで費用計算をすることです。
提供元が日本
Macに最適なVPNサービスがどれかを選ぶ上で4番目にチェックしていただきたいのは、VPNサービスの提供元が日本であることです。
海外にもVPNサービスを提供している企業はたくさんありますが、問題はデータの抜き取りなどの悪質な問題が起こっても、気づかない場合があることです。
提供元が日本であっても、サービス提供事業者の信頼性は必ずチェックするようにしましょう。事業者の知名度、提示しているプライバシーポリシー、またプライバシーポリシーをどのように履行しているかも確認してください。
さらに、ネットワークの構築やシステム開発などに特化している事業者が提供しているVPNサービスであれば安心できます。