ポケットモバイル社の訪問販売による「auひかり」の勧誘を受けた経験がある一人暮らしの方は多いのではないでしょうか。「auひかり」は知っていても、ポケットモバイルという社名に聞き覚えが無く「同社の訪問販売を信用していいのか」疑問に感じた方もいるのでは。
ポケットモバイルがKDDIの正規代理店だとしても、光回線の訪問販売は「回線の乗り換え意欲が薄い方にもアタックしている」ため、一定の悪い評価があることも事実。今回はそのようなポケットモバイルが扱うauひかりについて解説します。
ポケットモバイルが訪問販売で扱う「auひかり」の勧誘は怪しい?
前述の通り、ポケットモバイルはKDDIの正規代理店であり「怪しい企業」ではありません。
株式会社ポケットモバイルの会社概要は以下の通りです。
株式会社ポケットモバイル | |
所在地 | 東京都台東区上野1-11-9 イマスサニービル7階JTA内 |
設立 | 2009年10月23日 |
事業内容 | ・インターネット回線販売取次業務 (KDDI auひかり正規代理店) ・テレマーケティング業務 ・メディアソリューション ・労働者派遣事業(許可番号 派13-315120) ・職業紹介事業(許可番号 13-ユ-312654) |
主要取引先 | ・ソフトバンク株式会社 ・株式会社ティーガイア ・KDDI株式会社 ・マイナビ株式会社 ・リクルートホールディングス ・エン・ジャパン株式会社 ・パーソルキャリア株式会社 |
支店 | 大阪、名古屋、福岡等全国計8カ所 |
ポケットモバイルの訪問営業が「怪しい」といった印象になりがちな理由には、ポケットモバイルが「auひかり」の運営元ではないという、ややわかりにくい関係性が一因となっています。
訪問営業に来るのは「代理店」と呼ばれる会社に所属する人たち。「代理店」はインターネット回線の運営会社と提携した会社のことで、インターネット契約を取ってくる、営業宣伝を担っている会社となります。
つまり、auひかりを勧めてくる営業の人がいたとしても、この人はKDDIに勤務しているわけではありません。
ポケットモバイルによる「auひかり」の訪問営業を受けた際の3つのチェックポイント
ポケットモバイルはもちろん怪しい会社ではありませんが、訪問営業を受けた際に契約締結すべきかは別問題。営業担当者が光回線のすべてを理解しているとは限りません。営業トークをそのまま信じて契約し、工事までしたのに開通してみたら「思ったほど速度が出ない」と期待外れなんてことも……。
そうならないために、以下の3つの点をチェックしましょう。
「乗り換えるとインターネット速度が上がる」と「断言」しているか
auひかりは「ベストエフォート型」のサービスです。
たとえば同様のベストエフォート型の光回線サービスには「NURO光」がありますが、広告で「高速回線」と謳っていながら高頻度で速度が遅くなり、大幅なパケットロスが発生。集団訴訟にまで発展するなど炎上騒動がありました。
つまり「速度が上がる」と断言している営業担当者は、光通信の知識があまりないかもしれません。営業トークを鵜呑みにするのではなく、自分自身でも検索し、比較検討してから契約しましょう。
提示された契約内容に「有料オプション」が含まれているか
顧客が有料オプションを追加することで、代理店からすると「より営業成績が上がる」のが現実です。そのため、不要なオプションであっても契約に追加してくることも契約内容に有料オプションが含まれていないか確認しましょう。
申し込み後キャンセルが可能か
「申し込み後、何日以内なら無料で解約が可能なのか」などキャンセルについても細かく確認しましょう。
仮に営業担当者から「キャンセル不可」と言われた場合でも、インターネット契約は電気通信事業法における消費者保護ルールに基づき、契約書面受領後8日以内なら契約の解除が可能です(初期契約解除制度)。営業担当者がもし不誠実な対応をしたとしても、事業者との合意なしに解除できます。
代理店の訪問営業を受け契約した後に「キャンセル」したい場合はどうしたらいい?
前述の通り、電気通信事業法における消費者保護ルールに基づき、契約書面を受け取ってから8日以内であれば、事業者(auひかりの場合はKDDI)の合意なしに契約の解除が可能(初期契約解除制度)。営業担当者が対応してくれない場合、auひかりに直接問い合わせてキャンセルすることも可能です。
ただし、契約を解除できても、実際にインターネットを利用した分の料金や、開設工事や撤去工事の費用など、すでに発生した費用については支払わなければなりません。なお、初期契約解除の際に解約手数料や事業者変更手数料については、事業者は請求することができません。
参考:総務省
【光回線の契約の注意点】工事が行われた場合は工事費用等の負担が必要になる
前述の通り、初期契約解除制度を利用しても開設工事や撤去工事の費用は支払う義務が生じます。また、契約書面を受け取ってから8日を過ぎ、契約の解除ではなく解約をするときも、開設工事費の残債や撤去工事費用の負担が必要になります。
訪問営業を受けてから光回線の工事が行われるまでの流れ
訪問営業を受けてから光回線の工事が行われるまでの流れは以下の通りです。キャンセルや解約をする場合は、できる限り「工事に着手する前」に手続きしましょう。
1.訪問営業を受け、インターネット回線契約書に同意し署名する。
2.契約内容を確認する電話がかかってくる(ない場合も)。
3.契約書の内容がインターネット回線事業者に送られる。
→インターネット回線契約の申し込みをした状態で、「エントリー」と呼ばれる。
4.エントリーから約1週間後に、「契約内容の書類」がインターネット回線事業者から送られてくる。
5.「工事開通日のご連絡」が送られてくる。
6.必要な場合は開通工事を経て、本契約が開始。
訪問営業での光回線の契約をすべき人、すべきではない人
もともと光回線への乗り換えを検討していたけれど、自分で複数事業者を比較するのは面倒で、対面でサポートを受けながらサクッと契約したいといった人は、訪問営業を受けての契約は良い機会となるでしょう。
一方で、自分自身でしっかり比較検討して決めたいという人は、きっぱりと訪問営業はお断りし、時間をかけて検討すべきです。
まとめ | シングルマンション(一人暮らし)の方は訪問営業の対象になりやすいので注意
インターネット回線の訪問営業でシングル向け集合住宅が狙われやすい理由は、一人暮らしの場合、決定権があるひとりの住人さえOKであれば、その場で契約を成立させることができるからです。
とくに一人暮らしの若年層は、スマホゲームやオンラインゲームに熱心であるにもかかわらず、自宅ではポケットWi-Fiを利用しているという人も多いので、光回線の営業が多いのです。しかし、訪問営業のセールストークを鵜呑みにしても、提示された速度は出ないことも多いので、要注意です。
※サムネイル画像(Image:oatawa / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています