インターネット回線を選ぶときに気になるのは、やはり料金と速度。2019年にスタートした「おてがる光」は、NTTの光回線を利用した光コラボレーションサービスで、工事費実質無料やキャッシュバックなどのお得なキャンペーンを実施しています。
「違約金・縛りなし」を謡っていますが、利用者がいちばん求めている「安くて速い」は実現されているのでしょうか?この記事では、他社と比較検証しつつ、「おてがる光」について解説。実は「実質的な料金」は他社と大きく変わらない面もあることが見えてきます。
おてがる光とは
おてがる光はIPv6対応の光コラボです。
(画像引用元:おてがる光公式サイト)
フレッツ光と比べて月額料金が安く、契約期間や違約金もありません。また、フレッツ光からおてがる光に乗り換える場合は、工事不要で簡単に切り替えられます。
おてがる光の通信速度の目安
おてがる光の通信速度は最大1Gbps。ただしベストエフォート方式のサービスのため、実際の通信速度は1Gbpsを大きく下回るケースが多いです。
2023年7月現在、実際におてがる光を利用しているユーザーの通信速度の目安は、以下の通りです。
・平均Ping値: 15.62ms
・平均ダウンロード速度: 321.83Mbps
・平均アップロード速度: 344.32Mbps
参考元:みんなのネット回線速度
後述しますが、主要な光回線と比較すると、おてがる光の速度はソフトバンク光と同程度。一方でNURO光やauひかりと比較すると劣ります。
ちなみにおてがる光をゲーミング目的などで使いたい場合は、おてがる光クロスを利用すると良いでしょう。月額料金が6,160円と高くなるものの、上り・下りが最大10Gbpsまで高速化します(画像はおてがる光公式サイトより引用)
おてがる光の月額料金の目安
おてがる光の料金は2023年7月現在、マンションタイプ月額3,280円(税別)、戸建てタイプ月額4,280円(税別)という料金で利用できます。ちなみにたとえばNURO光では、契約期間なしプランでは月額料金6,100円(2ギガプラン)。おてがる光の価格帯は格安といえるでしょう(画像はおてがる光公式サイトより引用)
こうしたコストパフォーマンスの良さもあり、おてがる光は低価格で契約期間の縛りがない光回線として、日本トレンドリサーチの「おすすめしたい光回線No.1」(2021年1月調査)に選ばれました。
おてがる光の実質的な月額料金は「安くない」?
前述の通り、おてがる光は月額料金の安さで人気を集めています。他社にはよくある「2年縛り」といった契約期間が存在しないことも、加入しやすく解約しやすいという点でもプラスでしょう。
回線名 | 戸建てタイプ | マンションタイプ |
おてがる光 | 4,708円 | 3,608円 |
ドコモ光 | 5,720円(2年定期契約)~ | 4,400円(2年定期契約)~ |
auひかり | 6,160円 (ずっとギガ得プラン/3年更新) |
4,730円 (お得プラン/2年更新) |
ソフトバンク光 | 5,720円(2年自動更新プラン) | 4,180円(2年自動更新プラン) |
ビッグローブ光 | 5,478円(3年プラン) | 4,378円(3年プラン) |
ぷらら光 | 5,280円 | 3,960円 |
※すべて税込価格
ただし注意が必要なのが、たとえば「光回線に1カ月だけ加入する」といったことは本当にあり得るのかという点です。光回線は工事も必要で、導入そのものに時間とコストがかかります。ほとんどの方が一度加入した光回線を、2年や3年といった長期に渡って使い続けるのではないでしょうか。
また他社では大きな額のキャッシュバックキャンペーンなども行っている点も、見逃せないポイントです。そこで次項で、「2年間の利用」を前提とした実質的な月額料金を比較・検証してみます。
おてがる光は本当に安くて速いの?他社と比較・検証
前述の通り、おてがる光は「ソフトバンク光」と同程度の通信速度です。
一定程度の速度が期待できるならば、やはり比較で重要なのは「料金」でしょう。2年間の利用を前提とした実質的な月額料金をNURO光やauひかりなど他社と比較してみましょう。
マンションタイプ
マンションタイプのプランについて、「おてがる光」と他社の最安料金を比べてみました。
契約満了時の工事費無料やキャッシュバックの適用などを前提とした上で、実質的な月額料金を比較してみるとおてがる光は必ずしも安くないことが分かります。NURO光やauひかりなど他社の方が安いケースが出てきます
ファミリー(戸建て)タイプ
ファミリータイプ(戸建てタイプ)の他社との比較は以下の通りです。
マンションタイプと同様に、ファミリータイプでも契約満了時の工事費無料やキャッシュバックの適用などを前提とした上で実質的な月額料金を比較するとおてがる光は必ずしも安くないです。こちらもNURO光やauひかりの方が安いのが事実です
2年以上に渡っておてがる光を使う場合、ファミリータイプでも、マンションタイプでも「安さ」そのものはあまり魅力に感じられないかもしれません。
安さそのものよりも、やはり「おてがる光」の名前通り、解約しやすいお手軽さにどれだけ、魅力を感じられるかが回線選びのポイントといえるでしょう。
おてがる光の利用料金
「おてがる光」の利用料金についてあらためてご紹介します。
プラン料金 | 戸建てタイプ4.708円/マンションタイプ3,608円
おてがる光の月額基本料金は住宅のタイプにより2プランの用意があります。
ファミリータイプ (戸建てタイプ) |
4,708円 |
マンションタイプ (集合住宅タイプ) |
3,608円 |
※すべて税込価格
初期費用 |事務手数料3,300円
おてがる光に申し込む方法は3通りありますが、事務手数料はすべて同じ3,300円です。
契約種別 | 料金 |
新規契約事務手数料(新規申込み) | 3,300円 |
転用事務手数料(転用申込み) | 3,300円 |
事業者変更事務手数料(事業者変更申込み) | 3,300円 |
おてがる光の工事料金は、住宅のNTTフレッツ光の設備状況によって変わってきます。NTTフレッツ光設備がないなら「新規工事」、NTTフレッツ光設備および光コンセントが設置されていれば「無派遣工事」となります。
ただし、2023年現在はキャンペーンで工事費は実質無料。キャンペーン期間中に新規工事費を分割支払い設定し、おてがる光に申込みすると、毎月の利用料金から分割工事費用と同等金額の割引が最大12カ月間適用されます。
工事の種別 | 一括払い | 分割払い | |
工事費用 (戸建て) |
新規工事 | 19,800円 | 550円×36回 |
無派遣工事 | 2,200円 | なし | |
工事費用 (集合住宅) |
新規工事 | 16,500円 | 550円×30回 |
無派遣工事 | 2,200円 | なし |
おてがる光の対応エリア
おてがる光の対応エリアは、NTTの回線を利用しているということもあり、基本的に「フレッツ光」と同じです。ほぼ全国で利用できると言えるでしょう。
なお、対応エリアは公式サイトから調べることも可能です。
おてがる光のメリット・デメリット
おてがる光を利用するメリット・デメリットをまとめました。
IPv6通信が有料オプションである点にも注意
おてがる光ではIPv6通信は月額165円(税込)の有料オプションとなっています。IPv6とは、通信速度が速くなる新しい接続方式のことです。通信速度を求める方にはおすすめですが、有料オプションであることに留意しましょう。
おてがる光がおすすめできる人・おすすめできない人
「おでがる光」がおすすめできる人とできない人の特徴をそれぞれ解説します。
おてがる光がおすすめの人
違約金を気にせずに使いたい人や、転居などが多くいつ解約するかわからないという方は、契約期間の縛りがないおてがる光がおすすめ。
また、大手キャリアのスマホユーザーで、ahamo・povo・LINEMOなどの格安プラン利用者は光回線とのスマホセット割が適用されません。格安SIM利用者はセット割が適用されたとしても、大手キャリア利用者より割引額が低く設定されています。スマホで格安プランや格安SIMを利用している方は、月額料金が安いおてがる光を検討してみましょう。
おてがる光がおすすめできない人
スマホの通信キャリアがドコモの場合はドコモ光、auの場合はauひかりの方がスマホセット割が適用されトータルで見ると通信費が安くなるケースも。光回線の月額利用だけでなくスマホも合わせた通信費全体で料金を確認してみましょう。
おてがる光の申し込み方法
おてがる光の申し込み方法は以下の通りです。
まず、申し込みページにアクセスします。
【3】「建物区分」を一戸建てもしくは集合住宅より選び、「申し込みプラン」をマンションタイプもしくはファミリータイプより選択します。続いて、おてがる光Ipv6オプション、おてがる光電話、HGW(無線LAN機能付き)、セキュリティソフトのオプションサービスを選択します。オプションを追加する人はここで選択しておきましょう。【4】「新規に申し込む」か「利用中の光回線から切替える(転用・事業者変更)」をここで選択します。そして、「確認連絡」の希望日時を入力します
まとめ
おてがる光は、契約期間や違約金のない自由度の高い光コラボです。料金も安くてシンプルで、速度も安定しています。しかし、繰り返しですが「2年以上に渡っておてがる光を使う場合、ファミリータイプでも、マンションタイプでも安さそのものはあまり魅力に感じられない」かもしれません。
また、スマホ割引やキャッシュバックなどの特典がなかったりすることもあります。自分のニーズに合わせて、おてがる光を検討してみてください。