ChatGPTは日本語に対応している?日本語での使い方と利用時の注意点、デメリット

ChatGPTは、自然言語処理の技術を用いてAIとの会話を可能にしたチャットボットです。英語をはじめ、中国語やフランス語など多くの言語に対応していますが、日本語で質問しても使えるのでしょうか?

この記事では、ChatGPTの日本語対応状況や日本語での使い方を紹介します。ChatGPTを利用する際に注意すべき点やデメリットも解説するので参考にしてください。

ChatGPTは日本語に対応している?

ChatGPTは日本語に対応していています。言語設定などの切り替えも必要ないため、誰でも日本語でChatGPTを利用できます。

また、ChatGPTに指示すれば、入力文章を別の言語に翻訳することも可能。ただし、2023年5月現在、Webサイトは英語で表示されています。サイトメニューなどを日本語表示にすることはできず、切り替えもできません。 今後、日本語表示に対応するかは未定です。

日本語で質問すると日本語で対応

ChatGPTは基本的に、日本語で質問すれば日本語で返答してくれます。

このように日本語で質問を行うと、ChatGPTは日本語で回答してくれます。ちなみに、英語で質問すると返答は英語になります。質問文の言語を認識して、最適な言語で出力するため、言語切替を行う必要がないのです

英文での質問に日本語で回答することも可能

英語のプロンプト(質問に対して最適な回答を促す指示)を送っても、文末に「日本語で返答してください」「日本語で出力する」などと付け加えておくと、日本語で回答してくれます。

英語で「アメリカで放送されている日本のテレビ番組を教えて」と質問したあとに「日本語で出力する」と付け加えたところ、日本語で上記の回答をしてくれました。なお、英語で「Please answer in Japanese.」(訳:日本語で返答してください)と入力しても、日本語で返答してくれます

メニューの各種項目は英語表記

先述した通り、2023年5月現在、ChatGPTの各種メニューはいずれも英語表記です。変更はできません。

「生成AI」としては日本語での質問や出力に対応しているものの、Webアプリケーションとしてはまだ日本語に十分対応できていない状態です

ChatGPTを「日本語」で利用する際の注意点、デメリット

ChatGPTを「日本語」で利用する際の注意点などは以下の通りです。

・日本語と英語で「文字数制限」に大きな差がある
・返答の品質が「日本語での質問」「英語での質問」で大きく異なる
・ブラウザの翻訳機能を有効化しているとエラーが出やすい

日本語と英語で「文字数制限」に大きな差がある

ChatGPTを「日本語」で利用する際のデメリットの一つとして、「文字数制限」に大きな差があることが挙げられます。ChatGPTは、質問などなど入力された文章に対して応答を生成する際に、一定の文字数制限があります。

筆者が2023年5月に検証したところ、最大入力数は5390文字。最大出力文字数は、ChatGPTに質問したところ「2048文字」と答えたものの、実際には680文字前後でした。

ChatGPTの「文字数制限」は正確には「トークン数の制限」です。「トークン数」は言語モデルがテキストを処理する際の数を指します。

日本語と英語で文字数制限に差があるのは、日本語の方が英語よりもAIが認識する文字数が多くなるため。たとえば「日本の総理大臣」は7文字ですが、トークン数は13。一方、英語の「Prime Minister of Japan」は文字数が23文字に対し、トークン数は4なので日本語のほうが倍近く多くなります

なお、ChatGPTの文字数制限については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

返答の品質が「日本語での質問」「英語での質問」で大きく異なる

返答の品質が「日本語での質問」と「英語での質問」で大きく異なり、まったく同じ質問を与えても真逆の返答となるケースもあります。

試しに、オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレディンガーが行った量子力学に関する猫を使った有名な思考実験についてChatGPTに日本語と英語でそれぞれ聞いてみましょう。

具体的には「『シュレディンガーの猫』は生きているのか、死んでいるのか。生きている派と死んでいる派に分かれてディベートを行い、ChatGPTが勝敗を決定(※引き分けは禁止)する」というプロンプトを書いてみました。

プロンプトの日本語バージョンと英語バージョンを作成して、出力した結果は以下の通りです。

日本語バージョンでは「生きている派」「死んでいる派」が一回ずつ主張をしているのみで、ディベート要素は極めて薄く、物足りない出力です。なおディベートで勝利したのは「生きている派」。「シュレディンガーの猫」とは、毒ガスの放出装置と猫を同じ箱に収めて蓋を閉じた場合、再び蓋を開けて観測するまでは「生きているとも死んでいるとも考えられる」状態を指しています。日本語バージョンでは「生きている派」の「絶対に死んでいるとは言えない」との論拠に基づいた主張が勝利のカギとなったようです

まったく同じ内容で英文で質問をすると、本格的なディベートが展開され、とくに「死んでいる派」の論理は具体的です

具体的な「死んでいる派」の指摘は以下の通り。なお実際の出力は英語で行われたため、以下は和訳です。

・この思考実験は、ガイガーカウンター(放射線量計測器)が放射性原子の崩壊をきっかけに毒を放出することに依存している。崩壊はランダムな出来事であり、崩壊が起こるまでの間に、猫は生きているか死んでいるか、その両方ではありません。

・生物は環境と相互作用することができるため、猫の存在自体が量子事象の観測者であると考えることができる。猫が放射性粒子、毒物、箱の中の空気と相互作用することで観測となり、波動関数が崩壊し、猫は生きているか死んでいるかのどちらかである。

総じて、生きている派が主張する「生きている状態と死んでいる状態」の重なり合わせを否定しています。こうした本格的な「生きている派」への反論や明確なロジックは、日本語での質問時には見られなかった高品質な回答です。

英語バージョンだと、ChatGPTの最終的な判定は「死んでいる派」の勝利。レベルの高いディベートが行われた結果、日本語での質問と英語での質問で勝敗がひっくり返りました。

ブラウザの翻訳機能を有効化しているとエラーが出やすい

Chat GPTでは、ブラウザの翻訳機能を有効化しているとエラーが出やすいため注意が必要です。

たとえば設定時に、日本語翻訳の設定をしたままChatGPTを使ってしまうと画像のようなエラーが発生し、正しい回答を得ることができません。翻訳機能はオフにしておきましょう

ChatGPTを日本語で使う際のコツ

ChatGPTは日本語で使用できますが、回答品質に満足できない場合は「質問文をまず英訳し、英語で返答を考えたうえで日本語訳して出力してください」という処理条件をプロンプトに加えるのが一つの手です。

日本語と英語での処理性能に差がある理由には、日本語圏の学習データよりも英語圏の学習データが多いことがあげられます。加えて、前述した通り「Apple」を5文字ではなく1単語として扱うような、文字数をトークンに換算する英語ならではの処理効率の良さが影響していると考えられます。

上の通りに指示を行うと、ChatGPTは「①質問文を英語に訳し」「②英語で返答を考え」「③その返答を和訳して送信」という手順を踏みます。これによって回答品質が上がるケースがあります。

まとめ

ChatGPTのサイトやメニュー表記は日本語に対応していないため、すべてを日本語表記にしたい人にとっては不便さを感じるかもしれません。しかし、日本語切り替えを必要とせず、日本語で質問して日本語で回答出力を得られるのがChatGPTの大きな魅力です。

満足のいく回答が得られない場合は、DeepLなどの翻訳ツールを使って英訳した質問をするという方法もあります。「日本語で回答する」と付け加えておけば、日本語で回答を得られるため質問内容によって、質問のやり方を変えてみましょう。

※サムネイル画像(Image:Diego Thomazini / Shutterstock.com

オトナライフ編集部
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