光回線サービス契約件数シェアに変化、「NURO光」は好調を維持【MM総研調べ】

ICT市場調査コンサルティングの「MM総研」は6月8日、2022年度通期(2022年4月~2023年3月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表。2020年度以降、コロナ下のテレワーク需要の急拡大を背景に好調な伸びを見せていたFTTH(光回線サービス)の契約数の推移や、今後の市場動向を分析している。

2022年度通期のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果

FTTHの純増数はコロナ下以前に戻ったか(「MM総研」調べ)

ICT分野専門の市場調査コンサルティング会社・MM総研は、2022年度通期(2022年4月~2023年3月)のブロードバンド回線事業者の加入件数調査結果を発表した。2023年3月末時点のFTTH(光回線サービス)の契約数は3800万件で、年間で109.8万件の純増(成長率は3.0%)となった。同社によると、「2020年度以降、コロナ下のテレワーク需要の急拡大を背景に好調な伸びを見せていたが、需要が一巡したことにより、純増数は2018年度水準まで大きく落ち込んだ」という。

かたや、無線を利用するワイヤレス市場は2023年末の時点で500万件(年間成長率は12.3%)となり、固定ブロードバンド市場の10.1%と1割をはじめて超えた。同社は2023年も同様の傾向が続き、FTTH市場の純増数は成長鈍化すると分析。一方で、各社が純増数確保を目指し「FTTH間の乗り換えが一層、増加するのでは」と予測しており、高速大容量の10Gbpsサービスや宅内通信環境を最適化する、メッシュWi-Fiの普及などによる高品質化もさらに進むと見込んでいる。

FTTH(光回線)契約数・回線事業者のシェアにも変化が

マンションにまるごと導入することで契約を増やす業者も(「MM総研」調べ)

2023年3月末時点のFTTH事業者の契約件数シェアでは、NTTの光回線(フレッツ光およびコラボ光)契約数が東西合計で2357.5万件(シェア62.0%)とトップだったが、前年同時期と比べると1ポイント減っており、シェアが低下していることが判明した。光回線事業者の中で順調に契約数を伸ばしているのは、ソニーネットワークコミュニケーションズで、主力サービスの「NURO光」が好調を維持している。最近では、集合住宅向けの全戸一括型導入も順調で、年平均成長率は上向きだと予測される。

同社によると、固定ブロードバンド市場は緩やかに成長が続き、2023年度中にも5000万件を超える見込み。ADSLや光化が進むCATVアクセスが減少する一方で、FTTHやワイヤレスの市場は拡大中で、固定ブロードバンド市場の2023年3月末から2026年3月末までの年平均成長率は2.3%と予測されている。とくに、ワイヤレス市場は前年に比べて12.3%増という結果で、これは固定ブロードバンド契約数の10.1%を占め、はじめて1割を超えた。

安定を求めてワイヤレスからFTTHに移行する動きもあり、ワイヤレスサービス提供事業者は、引き続き通信サービスの高品質化が求められそうだ。

出典元:【MM総研

オトナライフ編集部
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