Apple社がAIツール開発の競争に参戦し、数多くの企業が競う分野で、オープンAIに挑もうとしている、とブルームバーグが報道した。検索やSiri、地図にすでに改良が施され、このニュースの影響でアップルの株価は最高値を更新した。今回は「Apple GPT」と呼ばれる、AIチャットボットの開発についてお伝えしよう。
Apple、自社の新AIツール「Apple GPT」を開発中
Apple社がオープンAIの「ChatGPT」や、Googleの「Bard」に対抗する、独自の人工知能(AI)ツールをひそかに開発中だという。事情通の複数の関係者がブルームバーグに明らかにした。報道によると、Apple社は「Ajax」と名付けた大規模な言語モデルの基盤となるフレームワークをすでに完成させ、一部のエンジニアが「Apple GPT」と呼ぶチャットボットを製作したという。
過去数カ月、Apple社ではAIの推進が主要な取り組みとなり、複数のチームが協力しているそうだ。Apple社が2022年に開始した「Ajax」フレームワークは、Apple GPTを含むさまざまなマシンラーニングプロジェクトの基盤となっている。
このシステムを基に、すでに検索機能やSiri、地図などでAIの改良が実施されているという。Apple社の広報担当者からはコメントは出されていない。
「Apple GPT」が一般公開される可能性は? 2024年に大きな発表か
全端末上のソフトウェアで、機械学習(ML)という形でAIを活用しているApple社は、7月19日の米株式市場で最高値を更新した。一時2.3%高となった株価の上昇は、ブルームバーグの報道を受けたものだ。
注目されるのは、Apple GPTが一般に公開されるかどうかだろう。ブルームバーグのガーマン記者によると、Apple GPTはあくまでも「社内ツール」という位置付けで、公開の予定はないようだ。
また、Apple社は社員に、OpenAIのChatGPTやマイクロソフト傘下のGitHub Copilot機能を使用することを禁じている、と報道されている。しかし、これはAIの使用自体が禁じられているのではなく、他社製品に対するプライバシーの懸念からだそうだ。
現在、Apple GPTは社内専用ツールだが、同記者は2024年にApple社からAI関連の大発表があると予測している。多くの技術企業がAIチャットボットや生成AIの開発に参入しており、今後の動向に要注目だ。
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)