ドコモのホームルーター「home 5G」は、工事不要でコンセントに挿すだけで利用開始できる、モバイル回線を利用したインターネットサービス(月額4500円・税別)です。データ量無制限で、複数デバイスの接続も可能なため「光回線など自宅の固定回線の代わりに利用できるのでは?」と考える方もいるでしょう。
・開通工事
home 5G:不要 光回線:必要(数カ月かかる場合も多い)
・契約期間
home 5G:縛りなし 光回線:2年など縛りがある場合も
といった違いもあり、引っ越しを控えている場合は「固定回線をそもそも導入せず、ホームルーターを使いたい」方も中に入るのでは。そこで今回はドコモのホームルーター「home 5G」があれば、固定回線は不要なのか具体的に見ていきましょう。
ドコモのホームルーター home 5Gとは?メリットは?
ドコモのホームルーター「home 5G」は、先にも述べた通りドコモのモバイル回線を利用したインターネットサービス。ルーター及びモバイル回線を利用してインターネットを利用でき、コンセントに差すだけで簡単にネット利用を開始できます。
工事不要で即使うことが可能
ドコモのホームルーター home 5Gの最大の特徴の1つは「工事が不要」なことです。ホームルーターが手元に届いたら、端末にSIMカードを挿入し、コンセントに挿し込むだけで使用開始できます。工事ができない賃貸物件でも利用できます。
自宅でインターネットを利用する場合、ホームルーターの対抗馬となるのが「光回線」です。光回線は一般的にモバイル回線よりも安定性が高く、高速ですが、開通工事に時間を要する場合が多いです。工事に数カ月以上の時間を要する場合も珍しくはありません。
よって「工事が不要であること」は、それだけで光回線より優先して自宅に導入する動機になりえるでしょう。
データ量無制限
自宅の固定回線代わりにモバイル回線を利用する場合、最低限必要な条件は「データ量無制限」であることです。仮にモバイル回線を利用しながらも、データ量に制限がある場合、YouTube動画の視聴など大容量データ通信を行うことですぐに速度制限の対象となりえるためです。
ドコモのホームルーター home 5Gは、データ容量無制限でインターネットが使い放題。動画視聴やオンラインゲームなどデータ量を多く消費するコンテンツでも、料金や通信速度を気にせず楽しむことができます。
5Gに対応
ドコモのホームルーター home 5Gは、5G通信に対応しています。最大通信速度は下り最大4.2Gbps、上り最大218Mbps。この下り速度は一般的な用途であれば十分に高速で、快適な通信が可能です。動画視聴やオンラインゲームのプレイなども、eSportsなど「若干の通信遅延が勝敗を分ける」レベルの高速通信を求められない限りであれば十分に可能です。
つまり5G対応エリアであれば、一般的な用途かつデータ通信無制限であれば「光回線」「5G通信」は遜色ないレベルでどちらも高速であると言えます。ただし、5G通信は5Gの対応エリアに限定されます。自宅が5Gエリア内にあるかどうかは事前に確認しておきましょう。
実はルーターはSIMフリー端末
ドコモのホームルーター home 5Gは意外と知られていないのですが、実はSIMフリー端末です。よって基本的にはドコモのSIMでの運用が想定されていますが、他社SIMでも運用可能。
差し替えて使う方法は、後半で解説します。ちなみに楽天モバイルではなく、povo 2.0などももちろん対応しています。
端末代金は実質無料
最新端末「home 5G HR02」は「home 5G プラン」と一緒に購入すると、最大36カ月、月々1,980円の割引を受けることができます。端末代金は7万1,280円ですが、36回払いにすれば月々の支払額は1,980円。つまり、端末は実質無料で利用することができます。
ドコモのホームルーター「home 5G」があれば自宅の固定回線は不要?
ホームルーターが「固定回線代わり」として注目を集める理由には、以下のような項目が挙げられます。
・5Gの普及
・光回線の開通工事に半年近く時間がかかるケースがある
・賃貸では光回線の開通工事自体がNGのケースがある
5Gの通信速度は4Gの20倍と言われており、なおかつ通信の遅延は4Gの10分の1です。5Gが全国的に普及した場合、たとえば「4G回線で動画再生がカクつく」といったことはほぼ発生しなくなるでしょう。
つまり一般的な用途では、光回線がなくとも5G通信で十分になるでしょう。光回線が必要な職種は動画配信者やeSportsプレイヤー、極めて大量のデータを日常的に扱うアナリストやコンサルタントなど一部に限られる可能性があります。
そして5Gはすでに都市圏では十分に普及が進んでいます。
5G対応エリアにお住まいの方で、光回線をまだ導入していない方や、契約中の光回線の通信品質やサービス状況に不満がある方などの場合、固定回線を解約して「5G通信」に切り替えるのも一案でしょう。逆に5G未対応エリアの場合、4Gでの通信となるため「カクつく」「遅い」と感じてしまうケースも多いかもしれません。
ドコモhome 5Gの料金の目安
ドコモhome 5Gの料金は以下の通りです。
他社のSIMに差し替えて利用することも実は可能
前述の通り、ドコモのホームルーター「home 5G」は実はSIMフリーです。本体にはHR01、HR02という2つの機種がありますが、いずれも説明書にSIMフリーであることが記載済み。よって以下の手順で、楽天モバイルのSIMカードを挿入して安く本体を利用できます。
ドコモhome 5Gの通信速度の目安
先述した通り、ドコモhome 5Gの通信速度は最大受信速度4.2Gbps。しかし、これはあくまで「最大」であって、常時この速度が出るわけではありません。加えてhome 5Gは「5G」に対応していますが、5G対応エリア外であれば4Gでの通信となります。5Gの通信速度を期待して導入すると、実際には「4Gでの通信に切り替わる」などしてイメージよりも低速な通信になるケースも少なくないかもしれません。
ユーザーが実際に速度を投稿しているみんなのネット回線速度によると、ドコモ home 5Gの平均通信速度は、上りが19.54Mbps、下りが182.14Mbps、平均Ping値が47.2msとなっています。
一方で「光回線ほど高速か」は「自宅エリアが5Gに対応しているか」「5G対応エリアでモバイル回線を利用している際に、4Gに切り替わってしまうケースが多いか少ないか」などを総合的に検討しましょう。
5Gはまだまだ全国的な普及が始まったばかりの段階に近く、4G回線ほど「網羅的に各地域で使えるものではない」のも事実であるためです。
5Gの普及に伴ってモバイル通信はますます光回線の代わりとして定着しそう
解説の通り、ドコモhome 5Gは「5G対応エリア」であれば固定回線の代わりとして運用することは十分に可能です。5Gの普及により通信速度は飛躍的に向上し、光回線を代表とする固定回線がなくとも高速で安定した通信が可能な環境が十分に整ってきたと言えます。加えてドコモhome 5Gはデータ通信無制限のため、速度制限がかかるリスクも小さいです。
2024年9月現在は地方では5G非対応エリアも決して少なくないため、実際にはドコモhome 5Gを契約しても「4G通信になってしまい、速度が不十分」な場合がある可能性もありますが、5Gの全国的な普及が進めば段階的に問題解決も進むでしょう。
近年では自宅にパソコンがなくスマホやタブレットしか使用しないという家庭も増えているため、固定回線の必要性はなくなり、モバイル通信に一本化する家庭はますます増えていくでしょう。