情報処理推進機構(IPA)によると、テレワークで利用者が急増したビデオ会議アプリ「Zoom」と同名の“怪しいZoom”をパソコンで使うと、セキュリティ警告が表示され、電話をかけるとサポート料金を請求される詐欺が発生しているという。もちろん詐欺には十分注意してほしいが、そもそも、この“怪しいZoom”とはいったい何なのか? 今回は“怪しいZoom”の正体に迫る。
“怪しいZoom”のインストールで詐欺に遭う!
(Image:@IPA_anshin)
新型コロナウイルス対策でテレワークを強いられた人は多いだろう。そこで急速に利用者を増やしたのがビデオ会議アプリ「Zoom」である。「Zoom」はすでに世界中で3億人が利用している人気アプリだが、2020年4月23日、情報処理推進機構(IPA)は「検索でヒットしたサイトからパソコンにZOOMをインストールして起動したらセキュリティ警告が表示され、表示先の電話番号に電話したらサポート料金を請求された」という相談が複数寄せられていると警告した。「Zoom」に関しては、米国でセキュリティ上の脆弱性が指摘されていた。その詳細はこちらで確認してほしい『【警告】Zoom(ズーム)は何が危険なの!? 米国FBIが推奨する安全対策とは?』。だが、この問題に関しては、すでにZoomのアップデートによって安全性は確保されているはずだ。したがって、今回の件は、ビデオ会議アプリ「Zoom」とはまったく関係のない話なのである。では、この”怪しいZoom”とはいったい何者なのか?
(Image:@IPA_anshin)
情報処理推進機構(IPA)はTwitterで“怪しいZoomに注意”と警告を行っていた。検索でヒットした「Zoom」をパソコンにインストールすると、セキュリティ警告画面が表示されるという
(Image:ipa.go.jp)
情報処理推進機構(IPA)の公式サイトでは、同名「Zoom」をインストールしたときの対処方法についても詳しく書かれている。いずれにせよ、間違ってインストールした場合は慌てずに対処したい
実は同名「Zoom」のほうが古いアプリだった!
情報処理推進機構(IPA)の公式サイトでは、今回の件は「Zoom」という同名の別アプリによるものだとして、その対処方法を紹介している。そもそもこの同名の「Zoom」は、ITmedia「偽物ではなかった? “怪しいZoom”の意外な正体」によると、ビデオ会議アプリ「Zoom」よりも古くから存在しており、本来はパソコンのオン・オフのスピードが速くするためのアプリらしい。
つまり、パソコンでビデオ会議アプリ「Zoom」を検索すると、「Uptodown」というアプリのダウンロードページがヒットし、そこからビデオ会議アプリ「Zoom」とは別の「Zoom」を入手してパソコンにインストールすると、情報処理推進機構(IPA)の警告にあるような詐欺被害に遭うということだ。ちなみに、有料版をインストールするとフィッシング詐欺サイト「2020年間ビジターアンケート」が表示されるというが、この詐欺サイトは『【危険】「2019 年間ビジターアンケート」は詐欺! 実際最後までやってみた!』の同類だと思われる。
いずれにせよ、ビデオ会議アプリ「Zoom」をパソコンで使用するときは、必ず公式サイトからアプリを入手するようにしたい。
こちらが問題となっている「Uptodown」というアプリのダウンロードページ。ここで入手できるのは、ビデオ会議アプリ「Zoom」とは同名の別アプリなので要注意!
(Image:zoom.us)
こちらがビデオ会議アプリ「Zoom」のダウンロードセンター画面。間違えないようにしよう