6月に全世界に向けて発表されたWindows 11の一般リリース日となる10月5日が迫ってきた。現在はWindows 11へのアップグレード対応PCが発表されるなど、秒読み段階といった雰囲気になってきている。しかしそのアップグレード可能な範囲が厄介で、Windowsを開発するマイクロソフトのPCですら現在までに対応していると公式に発表されている機種はごくわずかなのだ。
こうなってくるとPCの知識に長けたユーザーは、「うちの愛機はWindows 11に対応してないけど、自分で勝手に入れてしまえ」と考える人も少なくないかもしれない。だが、それが非常に危険な行為であることをお伝えせねばなるまい。
Windows 11に移行できない人続出の可能性!?
実はWindows 11は、システム的な面では核となる部分はWindows 10とほぼ同じものだといい、Windows 10が動いていたPCであればWindows 11も動作するという。しかしマイクロソフトがセキュリティの向上のために動作要件をかなり厳格化しているのだ。そのため“対象外”となるPCが続出。8月31日にマイクロソフトが公式に発表した15種類のアップグレード対象モデルの中には、自ら製造している「Surface」シリーズのPCすら「Surface Pro 7」「Surface Laptop 4」の2種類しか含まれていない。自らの製品も優遇しないところから、マイクロソフトのかなりの“ガチ”ぶりが伺える。
こうなってくると、今後段階的に動作要件が緩和されたとしても、現在使っているPCをそのままWindows 11に移行させることができるユーザーは一握りになる可能性はかなり現実味を帯びてくる。そうなると今度は、PCに詳しいユーザーがサポート対象外のPCに「自力でインストールしてしまおう」と考えることも予想される。
しかしアメリカのウェブメディア・The Vergeは、そうした“抜け穴”を使う行為に対し警鐘を鳴らしている。The Vergeの報じたところによれば「マイクロソフトが『サポート対象外のマシンに対してはセキュリティパッチもドライバの更新も一切配布しない』ことを検討している」という。これまでの事例から考えると、よほど深刻な脆弱性などが見つかった場合はその限りではなさそうだが、「どうせ大丈夫だろう」と楽観視して勝手に自力インストールを実施するにはあまりにもリスクが高すぎると言えそうだ。
近年はサイバー犯罪も高度化し、生半可なセキュリティ対策では完全な安全の確保が難しいなどの理由があるのかもしれない。しかしOSのアップデートごとに新たなPCを買い替える余裕のないユーザーも数多く存在するはずだ。そんなユーザーにすら、2025年10月と明言されているWindows 10のサポート終了までに購入を迫る姿勢は疑問符でしかない。今後、Windows 11とWindows 10がどちらも使えるうちに、Windows 11にアップグレードできない“Windows 10難民”に対する救済策を打ち出してくれることに期待したい。
参照元:自分で勝手にWindows 11をインストールすると…安全に使い続けなくなるらしい【GIZMODO】
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