Googleスプレッドシートでデータを入力する際や複数人で管理する際、どうしても入力ミスが生じることがあります。そのようなときは、「データの入力規則」という機能を使うと、入力ミスを防ぐことが可能です。本記事では、スプレッドシートのデータの入力規則の概要や、応用テクニックについて詳しく解説します。
スプレッドシートの「データの入力規則」とは
スプレッドシートの「データの入力規則」とは、セルにデータを入力するときに「プルダウンメニュー」から値を入力できるようにするものです。
スプレッドシートで他と同じ値を入力したいとき、スペルミスや誤入力で異なる値になってしまったり、複数人で操作するときに入力ミスが生じることがあります。データの入力規則ではプルダウンメニューから値を選ぶので、こうしたミスを防げます。
スプレッドシート「データの入力規則」の基本的な使い方
特定のセルでデータの入力規則を使用するためには、プルダウンメニューを作成する必要があります。下記の手順でプルダウンメニューを設定し、プルダウンメニューで値を入力できるようにしましょう。
なおプルダウンメニューのリストを指定する際は、必ず半角カンマ(「,」)で区切ってください。半角カンマ以外で区切ると、プルダウンメニューのリストが正しく認識されません。
スプレッドシート「データの入力規則」の解除方法
プルダウンメニューを設定したセルで、データの入力規則を解除したい場合は、先ほどの「データの入力規則」画面で下記の手順を行ってください。
スプレッドシート「データの入力規則」の応用的な使い方
スプレッドシートのデータの入力規則について、応用的な使い方を3つご紹介します。
・スプレッドシートの「カスタム数式」を使いこなす
・複数のシートを跨いでプルダウンメニューを作成する
・UNIQUE関数を利用してプルダウンメニュー作成を効率化する
スプレッドシートの「カスタム数式」を使いこなす
スプレッドシートの「カスタム書式」機能では、特定の条件を満たす値しか入力できないように、セルの入力を制限できます。今回は一例として、「50以上の数値しか入力できない」セルを、下記の手順で作成してみました。
「=A1>=50」という書式は、「=A1」が書式を設定して、「>=50」が50以上の数値しか受け付けないという意味があります。このセルでは、49以下の数値を入力したときにエラーが表示されます。
ちなみに、日付のみ入力できるカスタム数式は「=REGEXMATCH(TO_TEXT(A1), “^[0-9/]+$”)」。アルファベットのみ入力できるカスタム数式は「=REGEXMATCH(TO_TEXT(A1), “^[a-z.]+$”)」で、それぞれセルの入力書式を設定できます。
複数のシートをまたいでプルダウンメニューを作成する
入力規則やプルダウンメニューの設定は、ひとつのシート内だけではなく、複数のシートをまたいで設定することもできます。
例として、今回用意したシートの概要は以下の通り。
・シート1は「商品一覧」シート。A列には自店舗の商品マスタのコード、B列にはその数量をプルダウンメニューで入力できるようにしています。
・シート2は「商品マスタ」シート。A列に商品名がプルダウンメニューで羅列されています。
シートの用途はお店の商品管理を想定。シート1「商品一覧」と、シート2「商品マスタ」を連携させることで、効率的なデータ管理を行います。複数シートをまたぐプルダウンメニューの設定は、下記の手順で行えます。
以上のようにすると、複数のシートをまたいで入力規則やプルダウンメニューを設定できます。商品の管理だけ行う「商品マスタ」シートと、商品マスタをもとにプルダウンを作る「商品一覧」シートの2つに分割できるので効率的にデータを管理できます。
UNIQUE関数を利用してプルダウンメニュー作成を効率化する
先ほどは、整列された「商品マスタ」から「商品一覧」で、プルダウンメニューを作成する方法を解説しました。しかし商品マスタが綺麗にまとまっていない場合は、プルダウンメニューを作成しづらくなります。重複する項目が多くなるためです。
そこで、「UNIQUE関数」を使用すると、商品マスタシートで重複のないリストを作成できます。商品数が数千点~数万点もあるときには特に便利なので、ぜひ参考にしてみてください。UNIQUE関数の使い方は下記のとおりです。
上記のように、UNIQUE関数を使うと仕入れ表のようなデータから、重複のない商品マスタを一発で作成することができます。以降のデータ入力で、先ほどご紹介した方法で入力規則を設定すれば、プルダウンメニューをすぐに作成できます。プルダウンメニューの中に、同じ項目が2つ以上あるといったミスを防げます。
まとめ
スプレッドシートの「データの入力規則」では、プルダウンメニューを設定したり、入力できる数値の範囲を指定したりできます。これらの機能を活用すれば、入力ミスを防いで効率的なデータ管理ができます。
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