これまで世界でも有数のiPhoneの普及率を誇り、「日本人はiPhoneが好き」というイメージも定着しつつあった日本だが、その “iPhone好き”に、ついに陰りが見えてきたかもしれない。MMD研究所が10,000人を対象に行った調査において、「メイン利用のスマートフォンのOS利用率でグーグルのAndroidスマホが過半数に達した」という結果が発表されたのだ。
今回は、そのような意外な調査結果についてお伝えしていきたい。
メイン利用のスマホのOS利用率、Androidスマホが51.5%
MMD研究所が「2022年5月スマートフォンOSシェア調査」と題し、18歳〜69歳の10,000人を対象とした「メイン利用スマホのOS利用率」の調査結果を発表した。この結果で目を引くのは、長らく日本国内で「iPhone優勢」と言われ続けてきた勢力図が、大逆転していることだ。「Androidスマホ」が51.5%で過半数を占め、対する「iPhone」は44.1%の利用率であることが判明。意外にもiPhoneはAndroidスマホの後塵を拝す結果となり、驚いた人も多いに違いない。
年代別に見ると、iPhoneは10代男子で70.1%、20代男子57.0%、10代女子84.1%、20代女子70.2%と、10代・20代の間ではいまだ圧倒的な支持を集めていることがわかる。一方で、30代以上となると男女ともにiPhoneが50%を上回ることはなく、年齢の上昇とともに、Androidスマホの割合が高くなっていくことが判明した。
この結果はもしかすると、3G回線のサービス終了が迫ったことで、ガラケーからスマホに持ち替えた人たちの存在も影響しているのかもしれない。卒業を余儀なくされたガラケーユーザーが、「ガラケーと同程度の機能があれば十分」と、安価なエントリーモデルやガラホを求めたら、明確なエントリーモデルのないiPhoneではなくAndroidスマホを購入することとなるだろう。それによって、とくに高齢者の間でAndroidスマホのシェアが高まった、という説も考えられそうだ。
また、「メイン利用しているスマートフォンのシリーズ」ランキングに目を向けると、1位「iPhone SE(第2世代)」、2位「iPhone 8」、3位「iPhone 12」など、上位が最新機種でないことも気になる点だ。2021年に発売された「iPhone 13」シリーズはiPhone 13が8位にランクインするのがやっと。発表当時大きな話題となった3月に発売されたばかりの「iPhone SE(第3世代)」も、調査期間が発売1か月後だったこともあってか、トップ10に入ることもできていない。新機種が低迷していることも、iPhone人気が伸び悩む理由となっているかもしれない。
MMD研究所は2021年11月にも同調査を実施しており、12月に発表された結果によれば「メイン利用スマホのOS利用率」はAndroidスマホ47.0%、iPhone45.7%と、Androidスマホが僅差で上回る結果となっていた。そこからAndroidスマホは、さらにシェアを拡大し50%を超えるほどにまで成長。iPhoneは苦戦を余儀なくされている。
はたして、このiPhone人気の衰退は一過性のものなのか。それとも日本国内でも世界シェアと同様に、iPhoneは二番手へと転落してしまうのだろうか。今後の動向にも注目していきたい。
出典元:メイン利用スマホのOS利用率 iPhoneが44.1%、Androidが51.5% キャリアショップのスマートフォン単体購入の認知度は39.0%、単体購入経験は18.0%【MMD研究所】
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