2020年の楽天モバイルのキャリア参入や2021年の「ahamo」をはじめとした新プランの登場により、数年前と比べて携帯電話料金はかなり値下がっていることはご存じのことだろう。さらに2022年5月には楽天モバイルの“0円廃止”を発表。これをきっかけにキャリア各社が業界シェアの拡大のためのアピール合戦をはじめることとなった。
今回はそのようなさなかに登場した、安さに振り切った「mineo(マイネオ)」の新たなプランについてお伝えしていきたい。
mineoの料金プラン「マイそく」に新プラン登場
mineoを提供するオプテージは5月31日、mineoの料金プラン「マイそく」において、2022年8月下旬から新たに「ライト」コースの提供を開始することを発表した。ライトコースは月額660円(税込、以下同)で、平日昼間以外の通信速度が最大300kbpsでデータ使い放題となるコースだという。
マイそくでは現在、通信速度が最大1.5Mbpsの「スタンダード」(990円)と、最大3Mbpsの「プレミアム」(2,200円)の2種類が提供されており、そこに新たなライトが加わる。どれもデータ容量は無制限となるため、通信速度の違いでプランを選んでもらう形式だ。
データ使い放題(無制限)といえば、従量制プランである楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VII」も月3,278円で使い放題だ。料金面で言えば3Mbpsのプレミアムで約1.5倍、ライトであればほぼ5倍の金額差だ。
これだけ見ると「mineoのライトしか勝たん」となりそうだが…。当然ながら安いには安いなりの理由、デメリットもあるのだ。
通信速度が最大300kbpsってどの程度の体感?
まず先ほど引き合いに出した楽天モバイルの通信速度は、全国平均で33.8Mbps(ICT総研「2022年2月 全国60地点スマートフォン通信速度実測調査」より)となっている。最大3Mbpsとなるプレミアムの10倍以上の速さ、最大300kbpsのライトであれば100倍だ。
この速度の差がどれだけユーザーの使用感に響くのか。mineoのHP上では「1.5Mbpsってどれくらい使える?」というmineoユーザーへのアンケートの結果も掲載されている。
全体の使用感として「十分な速度でちょうどよい」は77%に留まり、「十分だがやや遅い」19%、「遅い」4%という回答となったという。個別のサービスの利用でも、「SNSの利用」では「やや遅さを感じたが利用できた」まで含めると97%がとなるが、「問題なく利用できた」の回答は円グラフを目視する限り良くて8割。「QRコード決済の利用」も「問題なく利用できた」は8割に満たなそうだ。「YouTubeなどの動画視聴」に至っては「問題なく利用できた」は6割を下回っているようにも見える。
これが1.5Mbpsでの使用感であれば、300kbpsではもっと不満を覚える人が増えることは必至だ。スタンダードとプレミアムは高い人気を誇るプランではあるが、ライトではよほど軽い操作以外行わないという人でないと使用するのは難しい“玄人向け”なプランかもしれない。
●mineo 「マイそく」に660円/月のライトコース誕生! 平日昼間以外最大300kbpsでデータ使い放題【オプテージ】
※サムネイル画像は(Image:「株式会社オプテージ」プレスリリースより引用)