楽天が実質0円運用を廃止すると発表してから、携帯業界の動きは留まるところを知らない。先日「povo2.0」が「Rakuten BIG s」「Rakuten Hand 5G」の2機種を自社サービスの対応端末に加えていたが、LINEMOもそれに追従。「Rakuten オリジナル製品はLINEMOでも使えます!」いうお知らせを発表し、その対象機種は5種に及ぶとのことだ。これでまたユーザーの移動が起こるのだろう。
LINEMOも猛アピール Rakuten オリジナル製品5機種が使えるよ!
楽天モバイルが“0円廃止”を発表した影響はまだまだ続いている。5月20日、KDDIはオンライン専用プランのpovo2.0において、楽天のオリジナル機種であるRakuten BIG s・Rakuten Hand 5Gの2機種を対応端末に追加。楽天モバイルユーザーの取り込みに前のめりだったが、ここにきてLINEMOも動いた。
povoと同じく楽天モバイルオリジナル機種であるRakuten BIG s・Rakuten Hand 5Gに加えて「Rakuten Hand」「Rakuten Mini」「Rakuten BIG」の5機種がLINEMOで使えると発表したのだ。「※ LINEMOが独自に調査した結果です。内容を保証・サポートするものではありません」という1文に若干のひっかかりは感じるものの、この発表を知りLINEMOに乗り換える楽天モバイルユーザーもいるのではないだろうか。
日本の不完全な「SIMフリー」という現実が浮き彫りに
この、「動作確認を行った結果、LINEMOでも5種の楽天オリジナル機種をお使いいただけますよ。でも、内容を保証・サポートしたわけではないから、何かあった場合は責任とれないことは了承しておいてくださいね」との注意書き。この一文に日本の完全ではない「SIMフリー」の実情が透けてみえる。
総務省は2021年10月1日以降に発売される機種は、SIMロックを原則として禁止すると発表し、もっと気軽にキャリアの乗り換えができるように、またキャリアの囲い込みが起きないような仕組みに変えていこうと動き出した。なので、本来はどの機種であってもどのキャリアでも使用できるべきなのだ。過去には各社はメーカーとタイアップして、それぞれ魅力的な機種を制作したり、一例として「端末代金は実質無料の代わりに2年間はうちで契約続けてくれないと違約金が発生しますよ」などという、いわゆる“2年縛り”などで囲い込んできた経緯がある。それを払拭するためのSIMフリー化であったはずだが、現実には今でもキャリアによる端末割引と今回のように乗り換えの壁がある。
海外だと10数年前から機種は当たり前にSIMフリーで、自販機でSIMを買って使用するスタイルだった。海外に行った際にSIMロックがかかっている日本のスマホは使えず、空港で海外携帯をレンタルする必要があるなど不便だった。
両者の是非はさておき、日本の完全SIMフリー化にはまだまだ時間がかかるだろう。もし本当にどのキャリアでもすべてのスマホが使えるようになったとしたら、現在のシェア争奪戦がさらに白熱することになるのかもしれない。
●Rakutenオリジナル製品はLINEMOでも使えます!【動作確認しました】【LINEMO】
※サムネイル画像(Image:wichayada suwanachun / Shutterstock.com)