格安SIMの欠点やデメリット8選!これさえわかっていれば後悔しない!

今では、月1GBで月額290円という驚くべき低価格で利用できる「格安SIM」。大手キャリアの月額利用料と比べると、年間で数万円安くすることも可能となっています。それでも、なんとなく格安SIMの乗り換えるのは不安で面倒くさいと考えている人も多いでしょう。そこで今回は、あえて格安SIMの欠点やデメリットを紹介してみます。でも、それが分かれば逆に「格安SIMに乗り換えてもいいかな?」と思えるかもしれませんよ!

そもそも格安SIMって何? どのくらい安くなるの?

そもそも格安SIMとは、自社回線を持っているドコモやauといった大手キャリア(MNO)から通信回線を借りて、格安な利用料金で「SIM(シム)カード」を提供するケータイ事業者(MVNO)のことです。

SIMカードとは、電話番号や契約情報が記録された小型ICチップのこと。SIMカードはスマホに入れて設定することで利用可能となりますが、“スマホの契約=SIMカードの購入”と考えていいでしょう。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

ご存じのとおり、大手キャリアは全国にサービスショップを設置して、契約から機種変更、トラブル時の対応などを行っています。その分、安心して利用できますが利用料金はどうしても高くなってしまいます。

これに対し、格安SIMは一部店舗を構える事業者もありますが、基本的に店舗を持たず契約やトラブル時の対応もすべてネットでやり取りすることになります。もちろん、その分利用料金が驚くほど安くなっているのです。

それを踏まえたうえで、まずは大手キャリアと格安SIMの料金体系がどうなっているのか確認してみましょう。

現在、自社回線を持っている大手ケータイキャリアは、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社があります。

最後発の楽天モバイルは新規顧客を獲得する目的もあって、月3GBまで月額1,078円、月20GBまでは月額2,178円、20GB超は無制限で月額3,278円という、かなりお得な料金設定になっています。

しかし、ほかの3社は各種割引を適用しないと、基本プランの料金は月額4,000~7,000円程度高くなるのです。

そもそも格安SIMって何? どのくらい安くなるの?

こちらはドコモの「5Gギガホ プレミア」。月3GBまでは月額5,665円で、月3GBを超えると無制限になり月額7,315円だ。これに、家族割やドコモ光セット割、dカードお支払割などをすべて適用すると月3GB以上(無制限)でも月額4,928円まで安くできるが……(画像はドコモ公式サイトより転載)

■大手キャリアのメインプラン料金は?

【ドコモ】は→こちら
「5Gギガホ プレミア」月額5,665円~7,315円
※月3GBまで5,665円で、3GB超は7,315円で無制限になる

【au】は→こちら
「使い放題MAX 5G/4G」月額4,928円~7,238円
※月3GBまで4,928円で、3GB超は7,238円で無制限になる

【ソフトバンク】は→こちら
「メリハリ無制限」月額4,928円~7,238円
※月3GBまで4,928円で、3GB超は7,238円で無制限になる

【楽天モバイル】は→こちら
「Rakuten UN-LIMIT VII」月額1,078円~3,278円
※月3GBまで月額1,078円、月20GBまで月額2,178円、20GB超は無制限となり月額3,278円になる

最近は大手キャリアもネット限定の格安プランを用意しており、ドコモは「ahamo(アハモ)」、auは「povo2.0(ポヴォ)」、ソフトバンクは「LINEMO(ラインモ)」があります。

こちらは、月20GBで月額3,000円前後と割安ですが、一部を除き、基本的にキャリアショップでは扱っておらず、格安SIMと同じようにネットで申し込むのが前提となっています。大手キャリアの格安プランに関しては、こちらの記事を確認してください。

これに対し、格安SIMでは驚くような低価格のプランが用意されています。たとえば、日本通信の「合理的シンプル290」は月1GBが月額290円で、あとは使った分だけ1GBあたり220円を加算する仕組みになっています。

●日本通信「合理的シンプル290」は→こちら

日本通信「合理的シンプル290」

こちらは日本通信の「合理的シンプル290」。月額基本料は月1GBまでで290円。これに使った分だけ1GBあたり220円を加算していくので、あまりネットを見ない人なら驚くべき安さで利用できる(画像は日本通信公式サイトより転載)

ほかにも、NUROモバイルの「バリュープラス」のVSプランは月3GBで月額792円で利用できるほか、VMプランなら月5GBで月額990円とかなり安く利用できます。

●NUROモバイル「バリュープラス」は→こちら

もし、ドコモの「5Gギガホ プレミア」を利用して毎月3GB以上(月額7,315円)利用している人が、NUROモバイルの「バリュープラス」のVMプラン(月5GB)に乗り換えると月額990円で済みます。

この場合、スマホの料金は毎月6,325円も安くなるため、年間ではなんと7万5,900円も節約できるのです(乗り換え費用や通話料などは除く)。

もちろん、家族割やドコモ光セット割などを適応すればさらに価格差は縮まりますが、それでも格安SIMが断然安いことに変わりはありません。

格安SIMにどのようなプランがあるのか詳しく知りたい人は、こちらの記事を確認してみてください。

大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば年間数万円も安くなるのに、それでも大手キャリアから乗り換えない人は「何となく面倒くさい」「格安SIMのことがよく分からない」といったことが理由でしょう。

株式会社TeNと株式会社レプロエンタテインメントが共同運営しているin netが実施したアンケート調査では、格安SIMの乗り換え経験がないユーザーが50%以上いることが明らかになっています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

そこで今回は、あえて格安SIMのデメリットを8つ紹介することで、格安SIMのことをさらに理解できるように解説します。

■格安SIMの8つのデメリット

【1】聞いたことのない会社で不安
【2】通信が安定せず大手キャリアより遅いことも
【3】実店舗での契約やサポートが受けられない
【4】無料通話(家族割)がない
【5】キャリアメールが使えない
【6】最新iPhoneが買えない
【7】スマホの初期設定を自分でやる必要がある
【8】支払いがクレカのみで口座振替に対応しない

【1】聞いたことのない会社で不安

格安SIMは全国に数百社もあり、あまり聞きなれないブランド名で展開しているので、利用するのが不安だという人も多いでしょう。たしかに“安かろう悪かろう”では利用したくありませんよね。

しかし、格安SIMのネット回線はドコモやau、ソフトバンクのものを使用していますし、運営会社名を調べると、その不安も解消されるかもしれません。

たとえば、NUROモバイルはソニーグループの格安SIMですし、OCN モバイル ONEはドコモと同じNTTグループの格安SIMになります。

ほかにも、mineo(マイネオ)は関西電力系のオプテージが提供していますし、LIBMO(リブモ)は東海地区のCATVや光回線を提供するTOKAIコミュニケーションズが運営しているのです。いずれもきちんとした会社が提供していますので、さほど心配することはないでしょう。

●OCN モバイル ONE(公式)は→こちら

【1】聞いたことのない会社で不安

こちらはNTTグループの格安SIMである「OCN モバイル ONE」。月額550円という激安の「エコノミーMVNO」プランはドコモショップの店頭でも申し込める(画像はOCN モバイル ONE公式サイトより転載)

【2】通信が安定せず大手キャリアより遅いことも

格安SIMのほとんどは全国どこでも利用できるドコモ回線を利用しています。なかにはauやソフトバンク回線を選べる場合もあります。

それなら「大手キャリアとまったく同じ品質じゃないの?」と思ってしまいがちですが、必ずしもそうではありません。回線が込み合う夕方などの時間帯などでは、どうしても格安SIMは速度が遅くなったりしますので、多少注意が必要です。

もし、格安SIMでも回線速度は安定したものにしたいということなら、NTTグループのOCN モバイル ONEや、格安SIM最大手のIIJmio(アイアイジェイミオ)などがおすすめです。

●IIJmio(公式)は→こちら

【2】通信が安定せず大手キャリアより遅いことも

JJImioは格安SIMの最大手。2年連続顧客満足度No.1となっており、格安SIMのなかでも通信品質には定評がある(画像はIIJmio公式サイトより転載)

【3】実店舗での契約やサポートが受けられない

格安SIMは実店舗でのサポートを行わないことで、格安なサービスを実現しています。そのため、実店舗での申し込みやサポートは受けられないと思いがちです。

しかし、実際には実店舗を構える格安SIMも少なからずありますし、大都市なら家電量販店の格安SIMコーナーにおいて、対面で格安SIMを申し込むことができます。

たとえば、日本中どこにでもある「AEON(イオン)」が運営する「イオンモバイル」なら、全国にある大型店舗において格安SIMを申し込むことが可能となっています。

【3】実店舗での契約やサポートが受けられない

こちらがイオン店内にあるイオンモバイルの店舗。格安SIMの申し込みやスマホの購入、機種変更などが対面でできる(筆者撮影)

【4】無料通話(家族割)がない

格安SIMには、大手キャリアに見られる無料通話サービスの「家族割」はありません。格安SIMで普通に電話をかけると22円/30秒なので、1時間通話するだけで2,640円もかかってしまいます。これは大問題ですね!

ただし、スマホの場合は半額電話アプリを利用すれば11円/30秒で通話することができますし、1回5分かけ放題オプションが月額500円程度、完全かけ放題オプションも1,400円程度で追加することができます。

もちろん、今なら家族や友人相手はLINEでんわを利用する人がほとんどでしょうから、もはや家族割がないことをそれほど気にする必要はないでしょう。

【4】無料通話(家族割)がない

LINEが普及してからは、スマホで電話をかける機会はかなり減っている。家族や友だちと長通話するときも、無料のLINEでんわを利用する人が多いはずだ

【5】キャリアメールが使えない

キャリアメールとは、ドコモのドコモメール「〇〇〇@docomo.ne.jp」といったキャリア名の入っているケータイ用メールのことです。

ガラケー時代にはかなり活用されてきたキャリアメールですが、LINEが普及してからは、ほとんど使われていないのではないでしょうか?

BIGLOBEモバイルなどでメールアドレスを提供している場合もありますが、格安SIMでは基本的にキャリアメールの提供は行われていません。

どうしてもメールアドレスが欲しいということなら、スマホでも送受信できる「Gmail」や「Yahoo!メール」などのWebメールを使えば十分なので、今さらキャリアメールにこだわる必要はないでしょう。

ちなみに、ahamoでドコモメールは提供されていませんが、現在使っているドコモメールを「ドコモメール持ち運び」(有料330円(税込))を申込むことで、引き継ぐことは可能となっています。

●ahamo「ドコモメール(@docomo.ne.jp)は使えますか?」は→こちら

【5】キャリアメールが使えない

ドコモの提供するahamoではドコモメールの提供は行っていないが、今使っているドコモメールなら有料で引き継ぐことができる(画像はahamo公式サイトより転載)

格安SIMでも基本的に最新スマホを同時購入できますが、それはAndroidスマホのみで、最新のiPhoneを購入できるところはありません。

その代わり、型落ちのiPhoneや中古のiPhoneならかなり格安で入手することも可能となっています。

【6】最新iPhoneが購入できない

こちらはOCN モバイル ONEのオンラインショップ。型落ちiPhoneも豊富に取り扱っており、とくに電話番号を引き継ぐMNPで乗り換えするとお得に購入できることが多い(画像はOCN モバイル ONE公式サイトより転載)

また、最新のiPhoneはApple StoreでもSIMフリー版を単体で購入できますし、最近は中古スマホショップでも程度のいいものが割安で購入できます。

最新iPhoneの中古もネットから割安で購入できる

最近は中古スマホを扱う専門店も増えてきた。写真は秋葉原に店舗も構える「イオシス」。最新iPhoneの中古もネットから割安で購入できる(筆者撮影)

【7】スマホの初期設定を自分でやる必要がある

最近は、物理SIMカードを利用しない「eSIM(イーシム)」も普及してきましたが、格安SIMで契約すると、基本的にSIMカードが単体で郵送されてきます。

この場合は、自分でスマホにSIMカードを挿入して、ネットの接続設定を行わないと、Webサイトの閲覧やLINEなどができません。

このネットの接続設定は「APN(アクセスポイント)設定」と呼ばれており、同梱のマニュアルや公式サイトで検索すれば簡単に設定できますが、デジタルに弱い人には難しい作業になるでしょう。

ただし、家電量販店や実店舗のある格安SIMなら、APN設定もお店側でやってもらえますので、どうしても不安がある人は実店舗で申し込めばいいでしょう。

【7】スマホの初期設定を自分でやる必要がある1

格安SIMを契約したら自分のスマホのSIMスロットを引き出し、SIMカードを正しくセットする(筆者撮影)

【7】スマホの初期設定を自分でやる必要がある2

次に、スマホの設定を開いて「アクセスポイント名」を選択(左写真)。APN設定画面で名前、APN、ユーザー名、パスワードなどを入力して保存するとネットに接続できるようになる(Andoridスマホの場合)

【8】支払いがクレカのみで口座振替に対応しない

大手キャリアの場合、月額利用料の支払いは銀行口座の振替も利用できますが、格安SIMの支払いはクレジットカードのみというところがほとんどです。

ただし、BIGLOBEモバイルはデータ通信専用SIMなら口座振替にも対応しますし、mineoはデビットカードでの支払いにも対応しているようです(一部非対応のカードもあり)。

●mineo「お支払い方法変更」は→こちら

【8】支払いがクレカのみで口座振替に対応しない

mineoの支払いも基本的にはクレカになるが、サポートを見る限り、「デビットカード・プリペイドカードはご登録いただけない場合がございます」という表現になっている。一部デビットカードなら登録できるようだ(画像はmineo公式サイトより転載)

また、OCN モバイル ONEも基本はクレカのみですが、条件しだいでは口座振替やデビットカードでの支払いも可能なようです。どうしてもクレジットカードを使いたくない人は、公式サイトで支払い方法を調べてみるといいでしょう。

ちなみに、デビットカードとはクレジットカードと同じようにVISA、MasterCard、JCBなどで買い物ができますが、決済した瞬間に銀行口座から料金が自動的に引き落とされます。銀行口座があれば未成年でも作ることができます。詳しくはこちらの記事を確認してください。

まとめ

いかがでしょうか? 冒頭で格安SIMには8つのデメリットがあると書きました。しかし、その内容をじっくり検証してみると、実はすでにデメリットとは言えなくなっているのです。

今でも注意したいのは、APN設定を自分でやる必要があることですが、これは実店舗を構える格安SIMを利用したり、格安SIMコーナーのある大手家電量販で契約することで解決できます。

また、格安SIM利用者のなかには「回線が不安定になる」「速度が遅い」と感じる人もいるようですが、長年、格安SIMを利用している筆者は、回線速度が遅いと感じたことはほとんどありません。

どうしても回線の速度や安定感が気になるなら、格安SIMのなかでも最大手のOCN モバイル ONEやIIJmio、あるいはキャリアが提供する格安プランの「ahamo」「LINEMO」「povo2.0」などを選んでおけば間違いないでしょう。

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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