「番号持ち運び制度(MNP)」手続きが簡略化されるようだ。朝日新聞オンラインによると、乗り換え先との手続きのみで完結できる「ワンストップ化」の実現が明らかになった。5月下旬からは解約の説明も含め、乗り換え先の携帯会社だけで手続きが完結する見込みだという。今回は「MNPのワンストップ化」についてお伝えしよう。
「MNPのワンストップ化」5月下旬から実現
3月2日の「朝日新聞オンライン」によると、電話番号を変えずに他の携帯会社に乗り換える「番号持ち運び制度(MNP)」について、携帯大手4社が5月下旬から、乗り換え先での手続きのみで完結できるようにする方針を固めたことを明らかにした。新たな仕組みは「ドコモ」「KDDI」「ソフトバンク」「楽天モバイル」の大手キャリア4社と、一部の格安スマホ業者(MVNO)が一斉に導入する、と報じている。
まずは「オンライン」での手続きからスタート。5月下旬からは乗り換え先の会社への申し込みだけで、元の契約先の解約を含めた手続きが「ワンストップ」で完結できるようになる。各社の競争を促すため、総務省は「MNP の手続きの簡素化」を求めていたという。
「1カ所」の「ワンストップ」で乗り換え手続きが可能に
現在のMNPは、乗り換え元と乗り換え先の「2カ所」で手続きが必要だ。まず元の携帯会社で「MNP予約番号」を発行。解約の手続きをしてから、その番号を用いて乗り換え先の携帯会社で手続きする必要がある。朝日新聞オンラインによると、手間がかかるのに加えて、乗換元で解約を引き止める行為も横行していたため、MNPが広がりにくくなる要因となっていた、と分析している。
総務省は、携帯電話会社「乗り換え簡素化」のための施策を次々と進めてきた。2019年の「2年縛り」禁止を皮切りに、2021年に「2年以内にMNPのワンストップ化を実現する」方針を発表。2021年4月にMNP転出手数料の「無料化」、同年10月のSIMロック「原則禁止」、同年末には「キャリアメール持ち運び」といった一連の政策を打ち出し、今回の「MNPのワンストップ化」で、方針の期限内実現達成になる、とみている。「MNPのワンストップ化」で、5月下旬からの携帯電話のシェアの変遷が今から楽しみだ。
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