iPhone 16が次世代規格「Wi-Fi 7」対応?− ところでWi-Fi 7って何?

アナタは次世代のWi-Fi規格「Wi-Fi 7」をご存じでしょうか? Wi-Fi 7は、現行のWi-Fi 6/6Eの4.8倍となる最大46Gbpsの超高速通信規格で、2024年12月を目標に規格を作成中です。そのようなWi-Fi 7が、実は2024年後半発売とみられる「iPhone16」に搭載されるとの噂があるのです。果たしてこれは本当なのでしょうか?

Apple専門サイトでiPhone 16がWi-Fi 7に対応する可能性が高いと報道!

2023年6月19日、信頼できるアナリストMing-Chi Kuo氏は、Apple情報専門のニュースサイト「9to5Mac」において、2024年後半に発売される見込みの「iPhone 16」シリーズが、Wi-Fi 7に対応する可能性が高いと発言しました。

●9to5Mac「Apple planning to bring Wi-Fi 7 support to the iPhone next year, here’s what that means for you」は→こちら(英語)

(Image:9to5mac.com)

こちらがApple情報専門のニュースサイトの「9to5Mac」。このなかでMing-Chi Kuo氏は、2024年後半に発売される見込みの「iPhone 16」シリーズが、Wi-Fi 7に対応する可能性が高いと発言しています(画像は9to5Macより転載)

それにしても、次世代規格Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)は、現行のWi-Fi 6/6Eとは何がどう違うのでしょうか? 

まず、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)はiPhone 11/12/13/14が対応していますが、2.4GHz/5GHz帯を利用して最大9.6Gbpsの高速通信を実現しています。

次に、Wi-Fi 6EはiPhone 14での実装は見送られましたが、MacBook Pro (14-inch, 2023) または MacBook Pro (16-inch, 2023)、Mac mini (2023)、Mac Studio (2023)
Mac Pro (2023)、iPad Pro 11 インチ (第 4 世代) または iPad Pro 12.9 インチ (第 6 世代)などで採用されています。

Wi-Fi 6Eの(E)は“Extended”の略で、「拡張されたWi-Fi 6」という意味。技術的には現行のWi-Fi 6(11ax)と同じで最大9.6Gbpsですが、Wi-Fi 6Eでは、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加え、新たに“6GHz帯”も使用でき、より安定して高速化できるのが大きく異なります。

ちなみに、間もなく発売される予定のiPhone 15では上位機種でWi-Fi 6Eが採用されるとみられています。

もし、Wi-Fi 6と6Eの規格の違いについて、さらに詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

■Wi-Fiの規格

【Wi-Fi 4】IEEE802.11n(2.4GHz/5GHz)最大600Mbps
【Wi-Fi 5】IEEE802.11ac(5GHz)最大6.9Gbps
【Wi-Fi 6】IEEE802.11ax(2.4GHz/5GHz)最大9.6Gbps
【Wi-Fi 6E】IEEE802.11ax(2.4GHz/5GHz/6GHz)最大9.6Gbps

(Image:Thanes.Op / Shutterstock.com)

iPhone 14ではWi-Fi 6Eへの対応が見送られましたが、間もなく発売されるiPhone 15では上位機種でWi-Fi 6Eが搭載されるとみられています。さらに、その次のiPhone 16ではWi-Fi 7に対応すると噂されています

Wi-Fi 7ってWi-Fi 6/6Eと何がどう違うの?

次に、iPhone 16に搭載されるのではと噂されているWi-Fi 7の規格が、Wi-Fi 6/6Eと何がどう違うのか確認してみましょう。

まず、Wi-Fi 7はWi-Fi 6E同様に2.4GHz/5GHz/6GHzの3帯域を利用しますが、Wi-Fi 7ではさらなる高速化が図られ、Wi-Fi 6/6Eの実に4.8倍も高速な46Gbpsを実現します。

次世代規格Wi-Fi 7では、帯域幅やストリーム数が2倍に拡張されるほか、さまざまな高速化技術が搭載され、現行Wi-Fi 6/6Eの実に4.8倍も高速化される予定です

もちろん、それを実現するにはさまざまな新技術も投入されていますので、ポイントになる技術をチェックしてみましょう。

【1】Wi-Fi 6/6Eでは帯域幅が最大160MHz→320MHzに(理論的には2倍高速)

【2】Wi-Fi 6/6Eでは8ストリーム→16ストリームに(理論的には2倍高速)

【3】「MIMO(マイモ)」+「MU-MIMO(Multi-user MIMO・マルチユーザー・マイモ)」(ビームフォーミング)を採用
※混雑時に速度が低下しない技術
※アップリンクはWi-Fi 6から採用されています

【4】新技術「MLO(マルチリンク・オペレーション)」を採用
※複数の帯域とチャンネルでデータを同時に送受信できる技術

このように、Wi-Fi 7では高速化技術や速度の低下を防ぐ技術が採用されており、最大46Gbpsという超高速化を実現しているのです。詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

iPhone 16がWi-Fi 7に対応すると何が変わる?

もし、Ming-Chi Kuo氏の予想どおり、iPhone 16シリーズがWi-Fi 7に対応した場合、具体的にはどのようなことが実現できるのでしょうか?
 
まず、Wi-Fi 7では8K動画のストリーミングや高画質のオンラインゲーム、VR・ARなどにも対応できる速度を実現できると見られています。

もちろん、Wi-Fi 7の超高速通信を実現するには、iPhoneだけでなくWi-Fiルーター側もWi-Fi 7に対応する必要がありますが、早ければ2023年後半、遅くとも2024年初頭にはWi-Fi 7対応のWi-Fiルーターが発売されるとみられています。

次に注目したいのが、Appleの新ARデバイス「Apple Vision Pro」です。こちらは2024年初頭に米国で発売される予定ですが、9to5Macの記事でもWi-Fi 7への対応がApple Vision Proを含む今後のApple製品の重要なカギになると報じています。

このような状況からも、iPhone 16がWi-Fi 7にいち早く対応する可能性は十分あると考えられるでしょう。

こちらは、2023年6月の「WWDC 2023」で大いに注目を集めた「Apple Vision Pro」。次世代通信規格Wi-Fi 7が、今後のApple製品のカギを握るとみられています(画像はApple公式サイトより引用)

まとめ

いかがでしょうか? 9to5MacでMing-Chi Kuo氏が発言したように、iPhone 16で本当にWi-Fi 7が採用されるかどうかは分かりません。

しかし、iPhone 16にWi-Fi 7が採用されれば、確実にネット接続が高速になって快適になりますし、ほかの新しいApple製品への採用もあるかもしれません。今から楽しみですね!

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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