SNSやキャッシュレス決済アプリの普及など、いまや生活に深く浸透しているスマートフォン。この現状に、シニア世代は対応できているのでしょうか。実態調査の結果が届いているので見ていきましょう。
80代の7割が「スマホを使いこなせていない」と回答
NTTドコモが運営するモバイル社会研究所では、全国の60歳~84歳の男女1130人を対象に、“シニアがスマホをどれくらい使いこなせているか”に関して訪問留置調査を実施しています。
まずは、「スマホを使いこなせているか」について、年代別、男女別に調査。その結果、男女ともに年代が上がるほど「使いこなせていない」という回答の割合が増え、80代では男性の30%、女性の21%が「使いこなせていない」と回答しました。さらに「あまり使いこなせていない」との回答も含めると、80代男性は70%、80代女性は66%にのぼることがわかりました。
比較的使いこなせている60代も、「使いこなせていない」「あまり使いこなせていない」の合計が男女ともに4割にのぼり、全体的に苦戦している人が多いという印象を受けます。
スマホを「使いこなせていない」人の健康・医療系サービスの利用率は約1割
次に、スマホの使いこなしとサービス利用について調査。「メッセージ(メールもしくはLINE)」「情報検索」「動画・音楽」「健康(健康に関するアドバイスを受ける)・医療(お薬手帳:電子版)の利用率(スマホでの利用に限る)」の4つのサービスをもとに、「全て利用していない」「メッセージを利用」「情報検索を利用」「動画・音楽E健康・医療を利用」に分類しています。
結果を見てみると、「使いこなせている」と回答した人の59%が「動画・音楽」を、32%が「健康・医療」を利用していることが判明。一方で、「使いこなせていない」と回答した人は「動画・音楽」の利用は22%、「健康・医療」の利用は12%という結果でした。
スマホを使いこなせていない人は、「メッセージ」や「情報検索」がメインで、その他のサービスをあまり利用していない傾向にあることがわかります。なお、シニアのICTサービス利用状況は、93%の「メッセージ」が最多の割合を占めました。
スマホを使いこなせていない人の約6割が“1日のスマホ利用時間”を「30分未満」と回答
最後に、スマホの使いこなしとサービスの利用時間の関係を調査しています。「使いこなせていない」と回答した人の利用時間は「30分未満」が61%と最も多く、「4時間以上」という回答はわずか3%でした。それに対し、「使いこなせている」と回答した人は「30分以上」が27%で、「4時間以上」という回答も14%と、“使いこなせていない人”を大きく上回る結果となりました。なお、シニア全体の利用時間で最も多かったのは「30分未満」で全体の41%となっています。
シニア世代にもサクサクとスマホを使いこなし、様々なサービスを利用している人はいるようです。一方で、うまく使いこなせずに苦戦している人も多数見られる結果となりました。また、「使いこなせない」と回答した人の中にも「使いこなせないからあまり活用しない」タイプと「活用はしているがうまく使いこなせない」タイプがいることもわかりました。
苦手意識のせいであまり利用してこなかったという人は、まずは興味のあるサービスから初めてみるのも良いかもしれません。楽しみながらスマホ活用術を身につけていけるといいですね。
出典元:【モバイル社会研究所】