10月から大手キャリアのスマホでSIMロック廃止! メリットや注意点は?

2021年10月1日から大手キャリアで販売されるスマホは、原則SIMロックが廃止されたのをご存じだろうか? これまでは、いちいちスマホのSIMロックを解除(SIMフリー化)しないと、他社のSIMカードを使えないことがあったが、今後は簡単にキャリアの乗り換えができることになる。だが、逆にSIMロックが廃止されたことで懸念されることもあるのだ。そこで今回は、スマホのSIMロック廃止によるメリットと注意点について解説しよう。

大手キャリアのスマホでSIMロックが原則廃止に!

かつて大手キャリアではスマホとSIMカード(電話・ネット契約)をセットで契約するのが当たり前だった。キャリアと2年の長期契約をすることで、スマホが大幅に安く買える(実質0円)になるメリットもあったが、スマホがSIMロックされていると、他キャリアのSIMカードをさしても使うことができかったのだ。

だが、総務省の指導もあり、現在はスマホの長期契約(2年縛り)は廃止され、スマホとSIMカードは基本的に別々に契約できるようになった。また、数年前からキャリアで販売されるスマホのSIMロックは自分で解除できるようになり、他社への乗り換えもかなり簡単になってきたと言える。そしてついに、2021年10月1日からはキャリアで販売されるスマホも、原則SIMロックしないことになったのである。

かつてはスマホ一括0円(タダ)のうえに、2台同時乗り換えなら現金が7万円ももらえるといった目を疑うようなキャンペーンもあった

SIMロックが廃止されるとどんなメリットがあるの?

スマホがSIMロックされている場合は、自分でSIMロックを解除する必要があった。これはさほど難しい作業ではないが、スマホに詳しくない人はキャリアショップに出向いて、手数料を払って解除してもらう必要があった。しかし、今後はそのような手間がいらないので、誰でも簡単に他キャリアに乗り換えられるようになる。

また、海外旅行に行ったときも、3日~1週間であれば500円~1,000円程度で現地の格安なプリペイドSIMカードを利用できるようになる。海外のプリペイドカードについては→こちらを参考にしてほしい。もちろん、物理SIMカードを使わない「eSIM」ならもっと便利だ。eSIMについては→こちらで確認できる。

ちなみに、2021年9月24日に発売開始された「iPhone 13」シリーズにおいては、4大キャリアすべてでSIMロックは施されていない「SIMフリー」仕様である。

(Image:Yalcin Sonat / Shutterstock.com)

最新のiPhone 13シリーズは、どのキャリアで購入してもSIMロックなしの「SIMフリー仕様」である。つまり、他キャリアのSIMカードをさしてAPNプロファイルを設定すれば、すぐに利用可能となるわけだ

SIMロックの廃止により、スマホに詳しくない人でも簡単にキャリアの乗り換えができるようになると説明したが、実は注意しなければならないことがある。それは、キャリアが利用する電波の周波数帯とスマホが対応する周波数帯の違いである。

携帯電話がつながりやすい周波数帯は「プラチナバンド」などと呼ばれるが、キャリアにはそれぞれ異なる周波数帯が複数割り当てられている。そのため、A社のスマホはB社の周波数帯に一部非対応ということがあるのだ。この場合は、通信速度が遅くなったりつながりにくくなることがある。したがって、自分のスマホが乗り換え先のキャリアの周波数帯にどこまで対応しているかを事前にチェックしておかないと、あとで後悔することになるだろう。

ちなみに、格安SIMはドコモ回線がメインなので、この場合は、ドコモのスマホを使えば大丈夫。同様にau回線の格安SIMならauのスマホを利用することで、この周波数帯問題は解決できる。また、iPhoneシリーズについては、どのキャリアで販売されたものでも仕様は同じなので、乗り換え時に周波数帯を気にする必要はない。

(Image:mineo.jp)

格安SIMの「mineo(マイネオ)」ならドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアに対応しているので、利用するスマホに合わせてSIMカードをチョイスすれば、周波数帯は気にしなくてもよい

SIMカードにロックがかかっている場合もある!

スマホのSIMロックはわりと有名だが、実はSIMカード側にも「IMEIロック」が施されていることがあるのをご存じだろうか? 「IMEIロック」の“IMEI”とはスマホの製造番号のことで、自社で販売した特定のスマホ以外は通信させないようにSIMカードが制限されているのだ。

これはソフトバンクやY!mobileの一部で採用されているもので、SIMカードをiPhone用、Android用などスマホごとに細分化している。とくにAndroid用スマホは同一メーカーの「AQUOS」や「Xperia」であってもモデルごとに対応SIMカードが異なるので注意したい。

ほかにも、auの4G用のSIMカードは、5G対応の 「iPhone 12/13」シリーズなどで利用できない場合もあるが、IMEIロックは、同じキャリアのSIMカードを利用しながら、スマホを機種変更するときに問題となる話なので、キャリアで相談すれば解決できるはずだ。

ソフトバンクやY!mobileでは、SIMカードにIMEIロックがかけられている場合がある。SIMカードを流用してスマホを機種変更するときは注意しよう

いかがだろうか? キャリアのスマホでSIMロックが廃止されたことで、今後は誰でも簡単にキャリアの
乗り換えが可能になるのは喜ばしいことだ。しかし、キャリアとスマホの周波数帯の不一致やVoLTE、5Gへの対応なども気にしなけらばならないので、キャリアを乗り換えるときは公式サイトや、口コミなどで手持ちのスマホが対応しているが、事前に確認することが大切になってくる。

もちろん、これは主にAndroidスマホの話であり、最近のiPhoneではそのようなことさえ気にせず自由に乗り換えられる。なお、キャリア乗り換えの際に必要となるAPN設定については→こちらを参考にしてほしい。

参考元:10月1日から実施されるSIMロック廃止で変わることと注意点【価格.comマガジン

文=すずきあきら/編集・ライター

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