現在、楽天やソフトバンクを中心に日本全国で浸透してきている「経済圏」という概念。各社とも自分の経済圏にユーザーを囲い込みたいという意図もあって、さまざまなキャンペーンを行ったり経済圏内に新たなサービスを取り込んだりと、経済圏の拡大に奔走している状況だ。そのような中で、QRコード決済大手の「PayPay」が新たな動きを見せている。
今回は、PayPayの動向についてお伝えしていきたい。
PayPay、「PayPayカード」を完全子会社化へ
QRコード決済サービスのPayPayを運営するPayPay株式会社は7月27日、「PayPayカード株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」と題したプレスリリースを公開した。発表によればPayPayはグループ会社のヤフー株式会社からPayPayカード株式会社の株式を取得し、完全子会社化するという。
子会社化する理由は「サービスの親和性の高いPayPayカードをPayPayの子会社にすることにより、意思決定のスピード向上とシナジー効果を生み出しやすい環境を醸成」させることだといい、今後のキャッシュレス決済・金融サービス事業のさらなる発展を実現させることにつながる、と同社も期待を寄せている。
PayPayとPayPayカードの連携によって開始されたサービスとしては、すでに「PayPayあと払い」が存在する。8月31日まで開催される「ペイペイジャンボ」でも「PayPayあと払いを利用すると『最大2回抽選』」とユーザーにPayPayあと払いの利用を猛プッシュ中だ。今後もこうしたイチ押しのサービスの登場が次々と出てくることになるのかもしれない。
PayPayといえば2020年頃、PayPayカードをはじめ多くのサービスを「PayPay〇〇」と商号変更し話題となった。今後、これらの中からPayPayカードに続いて、完全子会社化する企業が出てくることになるのかもしれない。子会社化によってPayPayとのシナジーでPayPay経済圏に、これまで以上に便利・お得なサービスが誕生することにも期待したい。
また、そうなればPayPayおよびPayPay経済圏の市場規模がさらに拡大する可能性も大だ。7月14日には「PayPayの登録者数があと100万人で5,000万人」という驚異の事実も発表されている。他の追随を許さない圧倒的なユーザー数を誇るPayPayが新たなサービス開始で、さらにユーザー数を増やすことになれば、5,000万人を突破し、6,000万人を目前にする日もそう遠くはない話かもしれない。
今回のPayPayカードの子会社化は、そのようなPayPayの大躍進の序章となるのだろうか。これからも圧倒的なお得感で規模を拡大し続けるPayPay経済圏の成長ぶりから目を離すことができなくなりそうだ。
引用元:PayPayカード株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ【PayPay】
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