最大で2万円分のポイントがもらえる「マイナポイント第2弾」。ポイントに目がない人にとっては大変うれしいキャンペーン。筆者の周囲でも多くの人がポイントをゲットしている。
そのようなマイナポイント第2弾の申請はすでに1,000万件を超えたというが、このキャンペーンによって肝心の交付率はどれほどになったのか。現状を一緒に確認していこう。
「マイナポイント第2弾」の申請率は?肝心な交付率は?
マイナンバーカードの取得によって最大5,000円分、健康保険証としての登録と「公金受取口座」の登録で、それぞれ7,500円分ずつ、合わせて最大2万円分のポイントがもらえるマイナポイント第2弾。
2022年6月30日より全項目の申請が開始され、約1カ月後の8月1日には1,000万件を超えるマイナポイントの申請があったそう。その2日後の8月3日には1,050万件超となり、開始早々多くの人が本キャンペーンに参加しているといえる。
マイナポイントで盛り上がるのは結構だが、肝心のマイナンバーカード交付率はどう変化したのだろうか。総務省の発表によれば、7月末時点での交付枚数は5,815万枚ほど、交付率は45.9%となっている。交付率41%だった2022年1月1日と比べれば4.9%増加しているようだが、2万円分のポイント還元キャンペーンも実施したうえで、この程度の増加率…ということを考えると、今後の推移が気がかりだ。
国はマイナンバーカードの交付率に関して、「2022年度末までに、ほぼ全国民に行きわたることを目指す」としている。しかし、1月1日~8月3日までの約7カ月で5%の増加となると、目標達成はなかなか難しいように思う。2万円分という大量のポイントゲットのキャンペーンを実施しても交付率があまり伸びないのは、なぜなのだろうか。
マイナンバーカードを発行する際の懸念点として、よく挙げられるのが「個人情報漏えいのリスク」や「セキュリティ体制への不信感」などだ。
個人番号、住所、氏名などの個人情報が内蔵されているマイナンバーカードは、紛失してしまうと情報漏えいのリスクが。カード裏面のICチップを使って、第三者が他人のマイナンバーカードで公的書類を取得できる恐れもあるそう。また、顔写真付きの身分証明書であるマイナンバーカードだが、アプリやコンビニの端末での利用時は顔写真の提示は必要ない。そのため、4桁の暗証番号さえわかってしまえば他人であっても利用可能だ。
上記2つの懸念点だけ見ると、「キャッシュカードでも同じことが言えるのでは?」と思うが、キャッシュカードと大きく異なるのが「必要性を感じない」という点。「コンビニで住民票が発行できるのは便利だな」と思ったことのある筆者だが、住民票が必要なケースは年に1~2回あるかどうかなので、マイナンバーカードを発行しなくても強く不便を感じることがないのだ。
保険マンモス株式会社が2022年4月に500人の男女を対象に、マイナンバーカードについてアンケート調査を実施。そのなかでも「発行したくない理由」として特に多かったは「必要性を感じないから」という意見も多かったようだ。
国が掲げる、「今年度中に交付率ほぼ100%達成」という目標。マイナンバーカードの必要性や、発行するメリットを多くの人が感じられるような制度・工夫が必要なのではないだろうか。
出典元:マイナンバーカード交付状況について【総務省】
出典元:金子総務大臣閣議後記者会見の概要【総務省】
出典元:マイナンバーカード持ってる?つくった・つくらない理由を男女500人アンケート調査【保険マンモス株式会社】