7月にスタートした「マイナポイント第2弾」は、開始からおよそ1ヶ月で申請件数が1,000万件を超えたことが明らかになった。このニュースからマイナポイント事業が盛況であることは伝わってくるのだが、一方でマイナンバーカードの交付率は7月末時点で45.9%(総務省発表「マイナンバーカード交付状況について」より)に留まっており、国が目指す「2022年度末までに交付率ほぼ100%達成」には遠く及んでいない現状も判明している。
今回は過去にさかのぼり、そんなマイナポイント第2弾の“前評判”についてお伝えしていきたい。
マイナポイント第2弾、申し込みは既存取得者がメインか
総務省は8月5日、開始から1ヶ月ほどが経過したマイナポイント第2弾の申請が8月1日の時点で1,000万件を超え、3日には1,050万件に到達したことを発表した。
第2弾の利用者は堅調に増えている一方で、「マイナンバーカードの新規取得は80万件に留まっている」とも報じられており、国の目標のひとつである「2022年度末までに交付率ほぼ100%達成」に向けて険しい道のりが待っている様子もうかがえた。総務省は新規取得者の伸び悩みに対して、宮崎県都城市など高い交付率を記録している自治体のノウハウを全国に共有していく考えだという。
「申請1,000万件に対して新規取得80万件」とすると、申請したうちの920万件は既存の取得者ということになる。そしてその中には「マイナポイント第1弾」に続いて申請している“リピーター”も少なくないだろう。
第1弾にも申し込んだ“リピーター”が多くなることは、事前の調査でもその可能性が浮かび上がっていた。日本トレンドリサーチが5月に発表した「マイナポイント事業に関するアンケート」によれば、マイナンバーカードを持っている・作る予定があるとする回答者に対して「マイナポイント第2弾に申し込もうと思いますか?」と質問した結果、「申し込もうと思う」は63.9%になったという。
そして「第1弾に申し込みをした」という回答者に限ってみればその割合は75.2%にアップしていた。実に4人に3人が「申し込む」というのだ。一方で、カードは持っている・作る予定はあるが「第1弾には申し込みをしていない」という人では「申し込む」は32.0%に減少。つまり「第1弾に申し込んだ人は第2弾も申し込み、第1弾で申し込まなかった人は第2弾も申し込まない」という二極化が進むであろうアンケート結果が出ていたのだ。
これはすでにカード所持意向のある人を対象とした質問のため、カードを所持していない人であればさらに「申し込みをしない」に傾くことが考えられる。その答えが今回の「新規取得80万件」という結果に現れていると言えそうだ。
第2弾では、「健康保険証としての利用申込み」「公金受取口座の登録」というマイナンバーカードと各種情報を紐づける、という役割もあるだろう。その役割はしっかり果たしていると言えそうだが、新規取得を伸ばす施策はそろそろ別の方法を考えたほうがいいのかもしれない。
これから国がどんなアイデアでマイナンバーカード未取得者を振り向かせようとするのだろうか。その動向にも注目していきたい。
出典元:マイナポイント第1弾に「申し込みをした」方の75.2%が、第2弾も「申し込もうと思う」【日本トレンドリサーチ】
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出典元:マイナンバーカード交付状況について【総務省】
※サムネイル画像(Image:筆者撮影)