楽天ゴールドカードには通常カードよりメリットが無いの? 年会費の元を取る使い方とは

楽天ゴールドカードは、楽天カードの上位版のクレジットカードです。楽天ゴールドカードのメリットは、ポイント還元率が高いことや、国内空港ラウンジが年間2回無料で利用できることなどです。

楽天ゴールドカードには通常カードよりメリットが無い?年会費のもとを取る使い方を解説

楽天ゴールドカードの年会費は2,200円。ゴールドカードとしては年会費が他社より圧倒的に安く、楽天市場など楽天経済圏での買い物などに利用すれば、年会費を相殺するほどのポイントを簡単に貯めることができます。一般カード会員だとETCカードの発行に550円(税込)かかりますが、ゴールドカード会員は無料で発行可能。利用可能額は最高200万円です。たまに旅行する人なら、年間2回の空港ラウンジの無料利用や旅行保険もちょうどよいでしょう

(画像引用元:楽天カード公式サイト

一方で、サービスの規約変更によってポイント還元率が下降しており、さらに通常カードと海外旅行保険での補償内容はとくに変わりません。「通常の楽天カードで我慢する」のも十分に選択肢としては有効です。

今回は楽天ゴールドカードに年会費2,200円を払う価値はあるのか、メリットや年会費を回収する使い方などを解説します。

【目次】

楽天ゴールドカードの基本情報とメリット
楽天ゴールドカードのデメリット
楽天ゴールドカードの年会費の元を取る使い方の例
楽天カードと楽天ゴールドカードの比較
楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカードの比較
楽天ゴールドカードに切り替えるべき人と検討すべきでない人
楽天ゴールドカードへの切り替え手続きと注意点
まとめ

楽天ゴールドカードの基本情報とメリット

楽天ゴールドカードは、年会費が2,200円と手頃な価格で加入できる、楽天カードの上位版のクレジットカードです。

楽天ゴールドカードの基本情報とメリット

楽天ゴールドカードは、審査基準や申し込み資格が比較的低いゴールドカードです。海外旅行傷害保険が付帯しており、最高2,000万円の補償が受けられます。また、国内空港ラウンジが年間2回まで無料で利用できるなど、旅行に便利な特典があります

(画像引用元:楽天カード公式サイト

楽天ゴールドカード
ポイント 還元率 1.0%~3.0%
名称 楽天ポイント
1ポイントの価値 1円
交換可能マイル ANAマイル
(2ポイント→1マイル)
年会費 初年度 2,200円(税込)
2年目以降
家族カード 550円(税込)
旅行保険 海外 最高2,000万円補償利用付帯
国内 なし
ETCカード 発行手数料 無料
年会費 無料
国際ブランド Visa、Mastercard、JCB
タッチ決済 Visa、Mastercard、JCB
発行会社 楽天カード株式会社
発行期間 約1週間

楽天ゴールドカードは他社のゴールドカードより年会費が安い

楽天ゴールドカードは、他社のゴールドカードに比べ、年会費が極めて安いという特徴があります。

楽天ゴールドカードは他社のゴールドカードより年会費が安い

たとえばアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは年会費36,300円(税込)です。アメックスはゴールドカードの中でも年会費が高額ですが、一般的なゴールドカードでも年会費は11,000円程度かかります

(画像引用元:アメリカン・エキスプレス公式サイト

実際に他のクレジットカードのゴールドカードと年会費を比較すると、以下の通りです。「安くゴールドカードを持ちたい」場合には楽天ゴールドカードには一定のメリットはあります。

カード名 年会費(税込)
楽天ゴールドカード 2,200円
三井住友カード ゴールド(NL) 5,500円
※年間100万円以上の利用で翌年以降永年無料
dカード GOLD 11,000円
ライフカード ゴールド 11,000円
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード 36,300円

楽天ゴールドカードの審査基準

楽天ゴールドカードの審査基準について、楽天カードの公式サイトでは「20歳未満、学生、海外在住の方はお申し込みいただけません。」「楽天ゴールドカード独自の審査基準により発行させていただきます。」と明記されています。

参考元:楽天カード公式サイト「楽天ゴールドカードの新規入会ご案内」

楽天ゴールドカードの審査基準

通常の楽天カードは学生や主婦でも比較的作りやすいカードですが、楽天ゴールドカードはそれよりはやや厳しめ。もっとも、あくまで「流通系」クレジットカードの一種ではあります。銀行系のクレジットカードなどと比較すると、はるかに発行しやすいゴールドカードの1つです

(画像引用元:楽天カード公式サイト

楽天ゴールドカードのデメリット

ここまで解説したように、楽天ゴールドカードには「ゴールドカードとしては安い」といったメリットがあります。

とはいえ楽天ゴールドカードにはポイント還元率や付帯する保険を細かく見ていくと「通常カードよりメリットが無いのでは?」と疑問を感じるような点もいくつかあるのが事実。具体的なデメリットもご紹介します。

サービス規約変更で楽天市場でのポイント還元率が下がった

楽天は2021年4月からルールを変更し、楽天ゴールドカードを使って楽天市場で買い物をしても、無料の一般カードと同じ「+2倍」のポイント還元率に下がりました。

サービス規約変更で楽天市場でのポイント還元率が下がった1

2021年3月以前は、楽天SPU(スーパーポイントアッププログラム)によって、楽天ゴールドカードは楽天市場で支払いをしたときにポイントが「+4倍」付く特典がありました

サービス規約変更で楽天市場でのポイント還元率が下がった2

以前のポイント「+4倍」の内訳は「楽天カードで買い物をして1%」+「楽天市場で買い物をして1%」+「楽天ゴールドカードで2%」でした。改定後は、「楽天ゴールドカードで2%」が無くなり、一般カードと同じ「+2倍」しかポイント還元がされなくなってしまいました

2021年3月以前は、楽天ゴールド会員は一般カード会員より+ 2%ポイント還元がされたため、単純計算で年間11万円楽天市場を利用するだけで、年会費の2,200円を取り戻すことができました。しかし、2021年以降はポイント還元が一般カード会員と同様の+2倍に留まることとなり、楽天ゴールド会員へ加入するメリットが薄くなりました。

詳しくはこちらをご覧ください。

公共料金の還元率も低下

楽天カードは、2021年6月から電気・ガス・水道の公共料金や、所得税や住民税等の税金、国民年金保険料など、一部利用先でポイント還元率を1%から0.2%に引き下げたため、さらに年会費の元を取ることが難しくなりました。

海外旅行保険の補償内容は通常カードと同じ

楽天ゴールドカードの海外旅行保険の補償内容は、通常の楽天カードの補償内容と同じです。一般カードとゴールドカードで補償内容が変わらない点に物足りなさを感じる方も多いでしょう。楽天カードと楽天ゴールドカードの比較については、後半でより詳しく解説します。

カードデザインが1つしか選べない

楽天カードはお買い物パンダや楽天イーグルスデザインなど、さまざまなデザインからカードを選べることも魅力のひとつですが、楽天ゴールドカードで選択できるカードデザインは1種類のみです。申込時の選択肢が少なく、後からカードデザインを変更できません。

楽天ゴールドカードの年会費の元を取る使い方の例

従来は年会費を比較的、簡単に取り返せた楽天ゴールドカード。ポイント還元率の変更によって、2023年5月現在は「元を取る難易度」が上がっています。

最新の「年会費の元を取れる楽天ゴールドカードの使い方」を具体的に解説します。

楽天市場での買い物を中心とする場合

楽天ゴールドカードを使って楽天市場で買い物をすると、基本的に3%ポイント還元されます。還元分のポイントで楽天ゴールドカードの年会費2,200円分をペイするには、約73,333円買い物する必要があります。楽天ゴールドカードには誕生月にポイントが+1倍(還元率4%)になる「お誕生月サービス」特典があるので、誕生月に集中してお買い物する場合は55,000円買い物すれば年会費2,200円分をポイントで取り戻せます。

楽天証券での投資を中心とする場合

楽天証券で投資信託を買い付け、ポイント投資を行った場合、楽天のSPU(スーパーポイントアップ)によりポイントが+0.5倍(還元率1.5%)になります。計算すると、年間約146,666円の投資により年会費2,200円分の元が取れます。月あたりに換算すると12,222円なので、現実的な投資金額と言えます。

楽天トラベルでの旅行を中心とする場合

楽天ゴールドカードを使って楽天トラベルを利用すると、+ 1倍で2%ポイント還元されます。そのため、年会費2,200円分をペイするには、110,000円の利用が必要です。家族旅行やカップルでの旅行の際に楽天トラベルを利用すれば十分超えられる金額でしょう。

楽天カードと楽天ゴールドカードの比較

前述の通り、楽天ゴールドカードと通常の楽天カードでは海外旅行保険の補償内容は同じです。また、サービス規約変更で、楽天市場での還元率も同等となりました。

楽天カードと楽天ゴールドカードの比較は、以下の通りです。

  楽天カード 楽天ゴールドカード
年会費 無料 2,200円(税込)
家族会員 無料 550円(税込)
ETCカード 550円(税込) 無料
発行可能ブランド Visa、Mastercard、JCB、American Express Visa、Mastercard、JCB
ポイント還元率 通常 1.0%
楽天市場利用時 3.0%
楽天トラベル利用時 2.0%
通常 1.0%
楽天市場利用時 3.0%
楽天トラベル利用時 2.0%
利用限度額 最大100万円 最大200万円
空港ラウンジ 利用不可 国内主要空港のラウンジを年間2回まで無料で利用可能
家族カード会員も利用可
紙利用明細手数料 月132円(税込) 無料
海外旅行保険 最高2,000万円補償利用付帯 最高2,000万円補償利用付帯
国内旅行保険 なし なし

参考元:楽天カード
参考元:楽天ゴールドカード

還元率で比較

楽天カードも楽天ゴールドカードも基本のポイント還元率は1%です。楽天ゴールドカードのみ、お誕生月に楽天市場・楽天ブックスを利用するとポイントが+1倍になる「お誕生月サービス」があります。

空港ラウンジサービスで比較

楽天カードには空港ラウンジサービスは付帯していません。一方、楽天ゴールドカードには年間2回、国内空港ラウンジが無料で利用できます。なお毎年9月1日から翌年8月31日を1年間とし、この期間中に2回まで無料で利用できます。

付帯保険で比較

楽天カードと楽天ゴールドカードの付帯保険は同じです。海外旅行傷害保険が付帯し、傷害死亡・後遺障害保険金として最高2,000万円が補償されます。なお、楽天カードも楽天ゴールドカードも国内旅行保険は付帯していません。

楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカードの比較

楽天プレミアムカードは、楽天ゴールドカードよりワンランク上のクレジットカードです。楽天ゴールドカードのメリットが薄れた代わりに「楽天プレミアムカードに切り替える価値はあるのか」を、比較を通じて検討してみましょう。

楽天ゴールドカードと楽天プレミアムカードの比較

楽天プレミアムカードは、年会費11,000円(税込)で楽天市場や楽天ブックスでのポイント還元率が5倍になるカードです。お誕生月は還元率がさらにアップし、6倍になります。「楽天市場コース」「トラベルコース」「エンタメコース」の3つのコースが用意されており、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます

(画像引用元:楽天カード公式サイト

  楽天ゴールドカード 楽天プレミアムカード
年会費 2,200円(税込) 11,000円(税込)
家族会員 550円(税込) 550円(税込)
ETCカード 無料 無料
発行可能ブランド Visa、Mastercard、JCB Visa、Mastercard、JCB、American Express
ポイント還元率 通常 1.0%
楽天市場利用時 3.0%
楽天トラベル利用時 2.0%
通常 1.0%
楽天市場利用時 5.0%
楽天トラベル利用時 2.0%
利用限度額 最大200万円 最大300万円
空港ラウンジ 国内主要空港のラウンジを年間2回まで無料で利用可能
家族カード会員も利用可
海外空港・国内空港ラウンジを無制限で無料で利用可能
紙利用明細手数料 無料 無料
海外旅行保険 最高2,000万円補償利用付帯 最高5,000万円補償利用付帯
国内旅行保険 なし 最高5,000万円補償利用付帯
動産総合保険 なし 最高300万円補償利用付帯

結論から言えば、楽天市場の利用機会が多く、なおかつクレジットカードに充実した付帯保険を求める方には「楽天プレミアムカード」は十分におすすめです。

年会費で比較

楽天ゴールドカードの年会費は2,200円(税込)。一方、 楽天プレミアムカードの年会費は11,000円(税込)と、ゴールドカードの5倍の価格です。家族会員はどちらも1名あたり550円(税込)となっています。

還元率で比較

楽天ゴールドカードも楽天プレミアムカードも基本のポイント還元率は1%です。楽天市場での買い物に対するポイント還元は、楽天ゴールドカードが3%である一方、楽天プレミアムカードは5%と高還元。

還元率で比較

楽天市場で年間で22万円以上利用すれば、楽天プレミアムカードの年会費「11,000円」の元を取ることが簡単です。通常の楽天市場や楽天ブックスの利用に加え、楽天ふるさと納税を利用すれば「22万円の利用」は比較的簡単でしょう。年会費の元を取りつつ、後述する充実したラウンジサービスや付帯保険が存在するため、筆者個人の見解としては「楽天ゴールドカードから楽天プレミアムカードに切り替えるのはあり」という感想です

(画像引用元:楽天ふるさと納税公式サイト

なお、両者ともお誕生月に楽天市場・楽天ブックスを利用するとポイントが+1倍になる「お誕生月サービス」があります。「お誕生月サービスがあれば十分」で「楽天ふるさと納税は使っていない」のであれば、楽天ゴールドカードのままでも十分かもしれません。

空港ラウンジサービスで比較

楽天ゴールドカードは年間2回、国内空港ラウンジが無料で利用できるに留まります。一方、楽天プレミアムカード会員は、国内空港ラウンジを無料で無制限に利用可能。またプライオリティ・パス会員カードを無料で発行でき、世界148カ国にある1,300カ所以上の海外空港ラウンジを無料で利用できます。海外旅行をする方には、楽天プレミアムカードの方が利用価値が高いでしょう。

なお、国内空港ラウンジは家族会員も利用できますが、海外空港ラウンジは家族会員は無料で利用することはできず、本会員の同伴者として1人1回につき3,300円(税込)かかります。

付帯保険で比較

楽天ゴールドカードは海外旅行傷害保険が付帯し、傷害死亡・後遺障害保険金として最高2,000万円が補償されます。一方、楽天プレミアムカードは、海外旅行傷害保険として最高5,000万円と高額の補償が付帯するのに加えて、国内旅行傷害保険として最高5,000万円、動産総合保険として最高300万円の補償が付帯します。

楽天ゴールドカードに切り替えるべき人と検討すべきでない人

楽天ゴールドカードは、通常の楽天カードではステータス性が物足りない人や廉価でゴールドカードを所持したい人におすすめです。また、ETCカードを発行したい人や紙の明細書が欲しい人にも、これらのサービスが無料で付帯するのでおすすめできます。年に2回、国内空港ラウンジを無料で利用できるので、年に1回ほど飛行機で国内旅行をする人にもちょうどいいでしょう。

一方、楽天経済圏で効率的にポイントを貯めることを目的としてゴールドカードに切り替えるのは、一般カードと還元率がほぼ同じなのでおすすめできません。その場合は前述の通り、「楽天プレミアムカード」の利用がおすすめです。

楽天ゴールドカードへの切り替え手続きと注意点

すでに楽天カードを持っている方は、楽天ゴールドカードへ簡単に切り替えることができ、もれなく特典として2,000ポイント獲得できます。

楽天ゴールドカードへの切り替え手続きは以下の通りです。

まず、手元に楽天カードと運転免許証(所持している場合)を用意し、「楽天ゴールドカードの新規入会ご案内」へアクセスします。

楽天ゴールドカードへの切り替え手続きと注意点1

【1】「楽天ゴールドカードの新規入会ご案内」へアクセスし、「お申込みはこちら」をクリックします

楽天ゴールドカードへの切り替え手続きと注意点2

【2】 楽天ゴールドカードへの申し込みは、楽天e-NAVIで手続きします。楽天e-NAVIを利用するために、楽天ユーザIDとパスワードを入力し、ログインします

楽天ゴールドカードへの切り替え手続きと注意点3

【3】登録するカードのブランドを選択し、現在所持している楽天カードのカード番号や有効期限、セキュリティ番号、生年月日、自宅電話番号を入力し、「確認画面へ」をクリックし、内容に間違いがないか確認して申し込めば完了です

まとめ

今回は楽天ゴールドカードについて解説しました。ポイント還元という点では以前よりメリットが薄くなってしまった楽天ゴールドカードですが、お誕生月サービスは継続して提供されていますし、年に2回の国内空港ラウンジの無料利用や、ETCカードや紙の明細書の無料発行に魅力を感じる人にはメリットがあると言えるでしょう。

※サムネイル画像は(Image:「楽天カード」公式サイトより引用)

オトナライフ編集部
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