クリニックのキャッシュレス決済の導入、患者に喜ばれるが「手数料が高い」不満も【SB C&S調べ】

あらゆる業界・サービスで普及が進むキャッシュレス決済。それは病院やクリニックでも求められているが、他の業界に比べ医療機関の導入率は低いのが現状だ。それでは、なぜキャッシュレス決済の普及が遅れているのだろうか。SB C&S株式会社がクリニックのドクターを対象に行った調査結果から、クリニックにおけるキャッシュレス決済導入についての実態を見ていこう。

8割以上がキャッシュレス決済に満足している

最も多かったのは「高額な診療への対応」で47.2%だった(「SB C&S株式会社」調べ)

まず、キャッシュレス決済を導入したきっかけについて伺うと、最も多かったのは「高額な診療への対応」で47.2%。クリニックは病院よりも規模が小さいが、治療内容によっては手術や入院をすることもある。そうなると、数万円~数十万円の治療費が発生することも珍しくないが、それだけの額を現金で支払うのは消費者としてもクリニックとしてもかなりの手間になるため、キャッシュレス決済を導入したドクターが多いようだ。

大多数が満足しているようだ(「SB C&S株式会社」調べ)

続いて、キャッシュレス決済の満足度を調査。キャッシュレス決済を導入してよかったと思うか質問したところ、「ややそう思う」が31.5%、「非常にそう思う」が51.9%と、大多数が満足していることがわかった。

回答を見ると現金払いでの会計の手間がどれだけ大きかったかが見て取れる(「SB C&S株式会社」調べ)

導入してよかったと思う理由としては「患者さんの満足度が上がったから」という声が多く寄せられた。現金払いのみに比べて、利便性は段違いに高まっており、利用者の中にはキャッシュレス決済に対応しているか否かでクリニックを決める人もいるようなので、決済の選択肢を増やすことは、利用者の満足度向上に一役買っているのは間違いないだろう。

約7割の人が「手数料の高さ」に不満

7割近くの人が「手数料が高い」と回答した(「SB C&S株式会社」調べ)

利用者数にも影響を与えているキャッシュレス決済だが、メリットだけではない。キャッシュレス決済を導入したことで負担になっていることを聞くと、7割近くの人が「手数料が高い」と回答。キャッシュレス決済の手数料は媒体や業態にもよるが3%前後であり、単純に売上から3%が引かれてしまうため、コストとしては手痛い。ほかにも「売上票をカード会社に送るのが面倒」「保険診療と自由診療を区別できない」などの不満が挙げられている。利用者の満足度が高くなることに鑑みても、クリニックによってはデメリットの方が大きいと感じる可能性もある。

レセプトの会計処理に関する要望が多く寄せられた(「SB C&S株式会社」調べ)

キャッシュレス決済にほしいと思う機能についての調査では、約4割の人が「レセコンとの連携機能」がほしいと答え、クリニックのドクターのニーズが垣間見えた。レセコンとはレセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピュータを指し、保険診療報酬の請求などに必要となる。キャッシュレス決済とレセコンが連携していないと、自分でレセプトを作成しなくてはならないため、非常に手間になってしまうのだと考えられる。

不満点の調査でも見られた「保険診療と自由診療を区別できる機能」を求める声も少なくなく、クリニックの場合は下手にキャッシュレス決済を導入しても、他の機器やシステムとの連携などがなければ、余計に手間が増えてしまうリスクがあるようだ。

クリニックにおけるキャッシュレス決済の導入は、スタッフも消費者も満足している声が多く挙がっているが、一方で、手数料やシステムに不満を持つ人も少なくない。キャッシュレス決済を導入する目的は利便性の高さにあるため、レセコンとの連動などの機能性が備わった決済システムが広く普及することで、クリニックも私たちも快適に会計を済ませることができるようになるだろう。

出典元:【PayCAS POS for クリニック
出典元:【SB C&S株式会社 / PR TIMES

オトナライフ編集部
iPhone・Android・SNS・パソコン関連・キャッシュレス、QRコード決済など、さまざまな情報を独自の視点や切り口で発信するニュースサイト
X/Twitter:@otonalife
YouTube:OTONALIFE Ch

iPhone/Androidスマホやキャッシュレス決済、SNS、アプリに関する情報サイト[オトナライフ]

関連記事

TOPICS
QRコード決済最新記事
マネー最新記事

RANKINGランキング

6:00更新