クレジットカードの明細は確認するが、「QRコード決済」の明細はいちいち見ていない。そんな方が意外と多いのではないだろうか。しかし日常使いのアプリこそ、実は不正利用の被害に遭いやすいかもしれない。あなたは使っているサービスの補償額を把握しているだろうか。
今回は、QRコード決済の各サービスの不正利用に対する補償の手厚さの違いから、セキュリティの必要性について迫っていく。
原則全額補償がスタンダードだが…
2020年大きく市民権を得てきた「QRコード決済」。これまでキャッシュレスの代表株であった「クレジットカード」に迫る勢いとなってきている。ところで、クレジットカードについては補償を意識するが、同様の金融サービスであるQRコード決済の補償を意識したことはあるだろうか。ドコモ系サービスの口座不正利用やセブン-イレブンのQRコード決済「7pay(セブンペイ)」のセキュリティ不備によるサービス廃止。近年だけでも大規模な不正利用は多々あった。あなたが巻き込まれないという確約はないだろう。
最大手の「PayPay」では、不正利用時は原則全額補償。クレジットカードサービスとの連動が強みの「楽天ペイ」も全額を補償。4台キャリアが母体となる「d払い」、「au Pay」同様に全額補償となっており、概ねQRコード決済は原則全額補償がスタンダードになっていそうだ。
一方で、「LINE Pay」、「FamiPay」に関しては原則10万円までの補償と心もとない。還元率やクーポンなど普段のお得さで選ぶのものひとつだが、補償というサービス面から常用のサービスを選ぶのも一手かもしれない。各社の詳しい補償内容は→こちら。また、その他各社共に自身での「セキュリティ管理」を求めていることも見逃せない。スマホやサービスへのパスワード管理が適切に運営されていることが補償の条件となっている場合もある。スマホとアプリの双方にパスワードを設定して、2段階認証を行なうなど万全な措置が必要であろう。自身のセキュリティへの意識が“最低限”求められているので面倒くさがらずに設定しておくことをおすすめする。
また多くの場合、家族や同居人による被害は補償されていない。子どもなどによる不正利用などは返ってこない可能性が高いので十分気を付けよう。
何より一番大切なのは不正利用に「気づくこと」。毎月の利用額しっかりと確認しているだろうか。ついついコンビニなどの少額利用が多いからと言って疎かになっていないだろうか。気づかなければ請求することもできない他、多くのサービスは補償期間を設けている。まずは先月の請求「本当にあっているか」手遅れになる前に一度確認してみては。