「ポイ活」2兆円規模! バカにできないポイント運用・投資で得た儲けに税金はかかるの?

急速に普及したスマホ決済アプリを利用すると、楽天ポイント、Pontaポイント、dポイント、Tポイントといったポイントがどんどん貯まっていく。その規模は航空会社のマイルなども換算すれば、すでに2兆円規模になっているという。最近は積極的にポイントを稼ぐ「ポイ活」も盛んになり、ポイントによる投資まで可能になってきた。そこで今回は気になる「ポイ活」の現状と、ポイント投資の方法や注意点などを解説しよう。

大手4社のポイント発行額だけで8000億円規模に!

 〇〇Payといったスマホ決済アプリの普及によって、ポイント市場は年々拡大している。買い物でもらえるポイントは元々“オマケ”的な意味合いが強く、古くはクレジットカードのポイントを商品に交換したり、次の支払いにポイントを充てるような使い方が主流であったが、最近は積極的にポイントを活用する“ポイ活”と呼ばれる動きも顕著になってきている。
 分かりやすい例では、楽天市場、楽天トラベル、楽天銀行、楽天カード、楽天モバイル、ラクマなど、あらゆるサービスを揃えている「楽天」だ。各サービスに共通の「楽天ポイント」を付与することで、“楽天経済圏”という囲い込み政策にポイントが活用されている。ほかにも、カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開する「Tポイント」は、TSUTAYAを中心にYahoo!JAPAN、ファミマなどで利用できる。また、ロイヤリティ マーケティングの「Pontaポイント」はリクルート、ローソン、auなどで利用可能。さらに、NTTドコモが主体の「dポイント」もマクドナルド、ローソン、ファミマ、カッパ寿司、すかいらーくなどと幅広く提携しているのだ。
 これら大手4社が年間発行するポイント総額は、ITmediaビジネスONLiNEの記事によると、楽天ポイントが3,200億円相当、Pontaポイントは2,000億円超相当、dポイントは1,500〜2,000億円規模、Tポイントは1,000億円超相当だそうだ。この4社だけでも8,000億円規模だが、中小のポイントや航空会社のマイレージを加えれば、すでに2兆円を超える規模。これはもはや“オマケ”とは言えない状況になっているのである。

■ポイント発行大手4社の年間発行額
楽天ポイント 3,200億円
Pontaポイント 2,000億円超
dポイント   1,500〜2,000億円規模
Tポイント   1,000億円(推定)
※「ITmediaビジネスONLiNE」より引用

(Image:rakuten.co.jp)

ポイント発行会社の最大手「楽天」では楽天市場を中心にあらゆるサービスが揃っており、筆者も楽天市場、楽天カード、楽天ペイ、楽天銀行、楽天証券などはよく利用している

 ポイントを貯めるにはクレカや〇〇Payでの支払いが基本だが、積極的に「ポイ活」する人は、スマホ決済アプリ内で毎日ポイントを貯めたり、ゲームやアンケートで積極的にポイントを獲得できる「モッピー」「Point Town」「ハピタス」といったサービスをフル活用している。だが、ここにきて注目されているのが、ポイントによる“運用”と“投資”への動きである。ポイントによる運用は2種類あり、「株式や投資信託などと連動してポイントが増減する」タイプで、ポイントによる投資は「直接ポイントで株式や投資信託を購入する」タイプである。
 たとえば、楽天では100ptから始められる楽天PointClubの「ポイント運用」のほかに、楽天証券で株式や投資信託をポイントで買い付ける「ポイント投資」も可能。また、Pontaポイントでは「au PAYポイント運用」でポイント運用が、dポイントでも「ポイント投資」でポイント運用ができるほか、TポイントはSBI証券、ネオモバ、bitFlyerと連携することでFXや仮想通貨にまで投資できる。
 ちなみに、大手銀行の預金の金利は史上最低水準。普通預金金利は0.001%なので、100万円を預けても1年後にもらえる金利はたった10円(税引き後は約8円)だ。詳しくは→こちらを見てほしいが、もし、ポイントによる投資で年間200ptをゲットできれば、それは1,000万円の定期預金(0.002%)の金利を稼いだのと同じことになる。この低金利時代にあって、ポイント投資は決してバカにできないだろう。

(Image:rakuten-sec.co.jp)

すでに300万人が始めている楽天の「ポイント運用」。アクティブかバランスかを選んで申し込むだけ。100ptからゲーム感覚で運用できるのがポイント

(Image:rakuten-sec.co.jp)

こちらはポイントを原資として本格的に株式や投資信託を行う「ポイント投資」。楽天証券の口座開設が必要になるので、ややハードルが高い

(Image:wallet-inv.auone.jp)

「au PAYポイント運用」は、100ptからPontaポイントを運用を疑似体験できるサービス。もちろん、実際にポイントが増えたり減ったりする。すでに利用者は50万人を突破しているという

(Image:dpoint-inv.com)

dポイントを「運用ポイント」に交換すると、運用ポイントが投資信託やETFなどに連動し変動する。もちろん、投資で増えたdポイントはいつでも引き出し可能だ

(Image:tsite.jp)

1ポイントから気軽に始められるのが魅力の「Tポイント投資」。株式や投資信託以外にもFXや仮想通貨にまで投資可能だが、それぞれ、SBI証券、ネオモバ、bitFlyerとの口座開設が必要になる

 今や2兆円規模に拡大したポイント市場だが、数十万pt単位でポイント運用や投資ができるようになると、もはやポイントはオマケではなく現金と同じ“資産”と言ってもいいだろう。そこで気になるのが「ポイント投資による儲けには税金がかからないのか?」ということである。
 通常、証券会社で株式や投資信託に投資した儲けに対しては約20%の税金を納める「特定口座」を利用することで、確定申告が免除されることになっているが、ポイント投資に関しては、元々オマケ扱いだったため明確な制度が整備されていないのだ。国税庁によると、現状ポイントで商品を購入しても“値引き”と同じ扱いになるため、確定申告は必要ないとしている。ただし、ポイントを使用して株式などを購入して設けた場合は、購入分のポイントは一時所得扱いになるとのことなので、もしかすると、近い将来「ポイント投資で200万円儲けて脱税!」といったニュースが流れるようになるかもしれない。

参考元「ポイントは“おまけ”か“資産”か? 2兆円超える市場が活性化」【ITmediaビジネスONLiNE】

●モッピー(公式)は→こちら
●Point Town by GMO(公式)は→こちら
●ハピタス[Hapitas](公式)は→こちら
●楽天PointClub「楽天ポイント運用」(公式)は→こちら
●楽天証券「ポイント投資」(公式)は→こちら
●au PAY「au PAYポイント運用」(公式)は→こちら
●dポイント「dポイント投資」(公式)は→こちら
●Tサイト「Tポイント投資」(公式)は→こちら
●国税庁「No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い」(公式)は→こちら

文=藤原博文/フリーライター

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