10月から値下げされた「他行宛振込手数料」が一番安い銀行はどこ?

アナタは2021年10月1日から銀行の他行宛振込手数料が値下げされたのはご存じだろうか? これまでメガバンクで3万円以上を他行宛に振り込むと330円~440円もの手数料を取られていたが、現在では、金額に関係なく一律75円という破格の値下げに踏み切った銀行もある。そこで今回は、2021年10月現在でもっとも他行宛振込手数料が安い銀行はどこなのか解説しよう。知らずにいると大損するぞ!

10月1日からメガバンクの他行宛振込手数料が一斉値上げ!

これまで、メガバンクで3万円以上を他行宛に振り込むと330円~440円もの手数料を取られていた。しかし、2021年10月1日から、全国銀行資金決済ネットワークによる銀行間手数料の廃止と、内国為替制度運営費が新設されることを受けて、銀行は一斉に他行宛振込手数料を値下げしてたのをご存じだろうか?

メガバンクでは、まず「三菱UFJ銀行」が3万円未満で209円、3万円以上は330円かかっていた他行宛振込手数料を、3万円未満で154円、3万円以上で220円に値下げした。そもそも、三菱UFJ銀行は給与受け取り口座に指定すると、三菱UFJダイレクト利用時は3回まで無料になるので、この制度と合わせるとかなりお得になったと言える。

「みずほ銀行」もみずほダイレクト利用時は3万円未満で270円、3万円以上は330円かかっていた他行宛振込手数料を、10月1日より3万円未満で150円、3万円以上は320円に値下げしている。

「三井住友銀行」は1カ月遅れの11月1日から3万円未満で165円、3万円以上で330円に値下げする。ただし、SMBCダイレクトは2022年1月17日からの適用となるため、11月1日~1月16日までは差額がキャッシュバックされることになっているので注意したい。

メガバンクでは、三井住友銀行だけが11月1日からの値下げとなるので注意しよう。また、SMBCダイレクトは2022年1月17日からの適用となる点にも気を付けよう

ゆうちょ銀行やネット銀行はどうなっている?

「ゆうちょ銀行」の値下げは11月1日からの適用となり、ゆうちょダイレクトは振込金額に関係なく一律165円となる。ただし、ATMでの振込手数料は改定されず、5万円未満で220円、5万円以上は440円のままなので要注意。

ネット銀行では「楽天銀行」や「PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)」も10月1日から振込金額に関係なく一律145円になった。ただし、楽天銀行はハッピープログラムや給与受け取り口座指定で月3回まで無料になる制度がある。

大手スーパー「イオン」でお馴染みの「イオン銀行」も10月1日から値下げされた。こちらはATM利用で132円、ネットバンキングで110円となる。また、イオン銀行は「Myステージ」のランクで月最大5回まで無料となる特典もある。

「新生銀行」はステージごとに他行宛振込手数料が安くなるシステムだ。プラチナは月10まで無料でそれ以降は105円だったが、10月1日からは75円に引き下げされた。同様にゴールドは月5回無料でそれ以降は210円を110円に、スタンダードは月1回無料でそれ以降は314円が214円に値下げとなる。

ソニーグループの「ソニー銀行」は、他行宛振込手数料が月1回無料、Sony Bank WALLET利用で月2回まで無料になるほか、優遇プログラム「Club S」では最大11回も無料になるが、それ以外の場合の他行宛振込手数料は10月1日から一律110円に値下げされている。

KDDIグループの「auじぶん銀行」も10月1日から値下げされた。そもそも、auじぶん銀行はステージ(じぶんプラス)に応じて月1回~15回まで無料になるほか、三菱UFJ銀行宛ては無料だが、それ以外の他行宛振込手数料は一律99円と大幅値下げされる。

(Image:yu_photo / Shutterstock.com)

日本中どこにでもあるゆうちょ銀行は、11月1日よりゆうちょダイレクトなら他行宛振込手数料が一律165円となる。ただし、ATMは5万円未満で220円、5万円以上は440円のままなので注意しよう

銀行の他行宛振込手数料の値下げ状況をまとめてみた。これまで1回あたり220~440円も取られていたのがバカらしくなるほど安くなっている

「GMOあおぞら銀行」VS「住信SBIネット銀行」の値下げ合戦勃発! ついに75円まで値下げ

auじぶん銀行の他行宛振込手数料が一律99円になったのは相当安いと思うが、それよりもさらに安いのが「GMOあおぞら銀行」と「住信SBIネット銀行」である。この2行は他行宛振込手数料の最安値を巡って激しいバトルを繰り広げることになった。

まず、GMOあおぞらネット銀行は7月6日に他行宛振込手数料を157円から145円に値下げすると発表した。しかし、8月24日には住信SBIネット銀行が業界最安値となる88円に値下げしてたため、GMOあおぞらネット銀行も、すぐさま8月31日には86円に値下げして対抗した。

ところが、このバトルはここからが本番となった。9月30日になってから住信SBIネット銀行が一気に77円まで再値下げしたのだ。業界最安値水準を目指すGMOあおぞらネット銀行も、これには黙っていられない。同日即座に3度目の値下げに踏み切り、ついには75円という驚きの料金になったのである。

(Image:gmo-aozora.com)

住信SBIネット銀行との争いで、ついに一律75円まで値下げを断行したGMOあおぞらネット銀行。他行宛の振込が多い人は覚えておくとよいだろう

もっと気にすべきはネット銀行のランク制度!

いかがだろうか? 毎月たくさん銀行振込を利用する人なら、他行宛振込手数料は少しでも安いほうがいいだろう。しかし、それだけを気にして銀行を選ぶ必要はない。

たとえば、住信SBIネット銀行には「スマートプログラム」というランクシステムがあり、ランク1でも月1回、ランク4になると月20回も他行宛振込手数料が無料になるのだ。これなら他行宛振込手数料の金額を気にすることはないだろう。

このようなランク制度はネット銀行では当たり前になっているので、もし、振込手数料がお得な制度がある銀行を知りたければ→こちらを、ATM利用料や通帳の発行手数料などがお得な銀行については→こちらを参考にしてほしい。なお、本文中の手数料はすべて個人向けの料金であり法人の手数料は異なる。

(Image:netbk.co.jp)

GMOあおぞらネット銀行と激しい値下げ合戦を繰り広げた住信SBIネット銀行だが、同社のスマートプログラムなら月1~20回まで無料になる。こちらのほうがずっと重要だろう

文=佐野陽高/編集・ライター

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