【ねんきん定期便】ここだけは「絶対にチェック」しないとヤバい項目とは?

日本では誰もが年金に加入することになっており、年金加入者には毎年「ねんきん定期便」が送られてくる。しかし、はがきや封書のなかを見ても意味がわからず、ろくに確認もしないで捨てている人も多いのではないだろうか? そこで今回は、ねんきん定期便が何なのか、ここだけはチェックしないとヤバい項目について解説しよう。

そもそも「ねんきん定期便」って何なの?

日本に住む人は誰もが年金に加入することになっており、年金加入者には毎年誕生月に「ねんきん定期便」が届くようになっている。

ねんきん定期便には、納付状況や将来もらえる年金に関する重要な情報が記載されているので、きちんとチェックしないと、あとで大変なことになる可能性がある。

ねんきん定期便は大きく分けて毎年届く「はがき」と、節目の年だけに届く「封書」の2種類がある。「はがき」は間近1年間の年金情報が記録されており、節目の年となる35歳・45歳・59歳のときは、これまでの全年金記録が記載されている「封書」になっている。

ねんきん定期便のキホンについては→こちらでも詳しく解説しているので是非確認してほしい。

毎年、誕生月に年金記録を記載した「ねんきん定期便」が届く。通常は「はがき」だが、節目の年は年金の全記録が記された「封書」が届くようになっている

(Image:nenkin.go.jp)

こちらは「ねんきん定期便」はがきの50歳未満のサンプル。表は最近の納付状況が、裏にはこれまでの保険料納付額や年金加入期間などが記されている

年金の受給資格期間10年をクリアしているか確認しよう 

若い人のなかには、将来、本当に年金がちゃんともらえるか不安を感じている人も多いだろう。そんな人はまず→こちらの記事で確認してもらいたい。

現在、年金の受給資格期間は25年から10年に短縮されているので、もしかすると、あと何回か支払えば年金受給資格期間の10年(120カ月)をクリアできるかもしれない。そんなときに役立つのが「ねんきん定期便」なのである。

毎年送られてくるねんきん定期便には、間近1年の納付状況が記されているが、これまでの年金加入期間も確認できるので、自分が年金受給資格期間をあと何年でクリアできるかは必ず確認しておきたい。

逆に、年金をちゃんと納付して年金の受給資格期間をクリアした人は、将来自分がどのくらいの年金がもらえるのか知りたいだろうが、実は、将来もらえる年金額は50歳以上にならないと分からない。

50歳未満の人に届くねんきん定期便には「これまでの加入実績に応じた年金額」という欄があるが、これは実際にもらえる年金の金額ではない。

50歳未満の人は、今後の加入状況で年金額が大きく変わる可能性があるので、これまでに納付した保険料の累計額からおおよその年額としたものしか分からないようになっているのだ。

(Image:nenkin.go.jp)

こちらは50歳未満のねんきん定期便。「2.これまでの年金加入期間」で120カ月以上加入しているか確認できるほか、「3.これまでの加入実績に応じた年金額」では、これまでの加入実績に応じた年金額が表示されている

(Image:nenkin.go.jp)

こちらは50歳以上のねんきん定期便。「3.老齢年金の種類と見込額(年額)」が表示されており、現状のまま60歳まで継続した場合に、65歳から受け取れる年金見込額が表示される

納付状況に漏れや誤りがないかチェック!

ねんきん定期便で、まず確認すべきは「最近の月別納付状況」だ。ここで国民年金か厚生年金の保険料がちゃんと納付されているかを確認できる。

国民年金は「納付済」あるいは「未納」などと記載されおり、厚生年金は納付額が記されるが、未納の場合は空欄になっている。

国民年金は自分で納付するので間違いはあまりないと思うが、ブラック企業に勤めている人は要注意! 会社が厚生年金をアナタの給与から引いているのに、実際には会社が保険料を納付していないケースもあり得る。しっかり確認しよう。

(Image:nenkin.go.jp)

ねんきん定期便(はがき)には「最近の月別状況です」と書かれた欄がある。ここで、直近1年間の保険料納付状況を確認できる。写真は厚生年金の例だが、国民年金も同様に納付状況を確認できる

もし、漏れや誤りがあったらどうすればいい?

もし、ねんきん定期便の「最近の月別納付状況」で、国民年金や厚生年金の加入状況に漏れや誤りを発見したらどうすればいいのだろうか?

その場合は、すぐに近所の年金事務所に電話して相談してみよう。場合によっては窓口に行って相談したほうがいいかもしれない。

ちなみに、節目の年に届く「封書」には「年金加入記録回答票」と「返信用封筒」が封入されているので、これを日本年金機構に返送するか、近所の年金事務所に提出すればいい。もし、手元に「年金加入記録回答票」がない人は、日本年金機構の公式サイトからPDFをダウンロードできるので、印刷して使おう。

■ 国民年金(第1号・第3号)納付状況

表示 説明
納付済 国民年金保険料を納めている月の表示(国民年金保険料が免除や猶予された後に追納した場合も含む)
未納 国民年金保険料を納めていない月の表示(または「ねんきん定期便」の作成時点で納付が確認できない月)
確認中 「ねんきん定期便」の作成時点で納付状況が未確定の月の表示(表示している最終年度の最終月のみ表示される)
3号 国民年金の第3号被保険者として登録されている月の表示
全額免除 国民年金保険料の納付が全額免除されている月の表示
半額免除 国民年金保険料の納付が半額免除されていて、免除後の残りの保険料を納めている月の表示
半額未納 国民年金保険料の納付が半額免除されていて、免除後の残りの保険料を納めていない月の表示です(未納期間)
3/4免除 国民年金保険料の納付が3/4免除されていて、残りの1/4の保険料を納めている月の表示
3/4未納 国民年金保険料の納付が3/4免除されていて、残りの1/4の保険料を納めていない月の表示(未納期間)
1/4免除 国民年金保険料の納付が1/4免除されていて、残りの3/4の保険料を納めている月の表示
1/4未納 国民年金保険料の納付が1/4免除されていて、残りの3/4の保険料を納めていない月の表示(未納期間)
学特 学生納付特例制度の適用を受けている月の表示
猶予 納付猶予制度の適用を受けている月の表示
産前産後 国民年金保険料の納付が産前産後期間により免除されている月の表示
付加 付加保険料を納めている月の表示
合算 国民年金の任意加入期間のうち保険料を納めていない月の表示
参考情報であり、年金を請求するときに書類による確認が必要
未加入 20歳以上60歳未満の期間のうち、どの年金制度にも加入していなかった月の表示

年金事務所は日本全国にある。日本年金機構の公式サイトで検索して近所の年金事務所に電話するか、窓口に行って修正手続きをしよう

年金の状況は「ねんきんネット」でも簡単に確認できる

毎年送付されてくるねんきん定期便だが、今ならネットで、いつでもどこからでも年金の加入状況を確認できる。それが「ねんきんネット」だ。

ねんきんネットでは、誕生日まではがきが届くのを待たなくても、自宅に居ながら手軽に最新の年金の加入状況を閲覧できる。

また、ねんきんネットでは、50歳未満であっても年金額のシミュレーションができるようになっている。もし、将来もらえる年金額がどうなるのか知りたい人は利用してみるといいだろう。

「ねんきんネット」を利用するには、最初にユーザーIDを取得する必要がある。まずは「ねんきんネット」にアクセスして「新規登録」ボタンをクリックしよう。

登録方法は3種類あるが、ねんきん定期便に記載されている「アクセスキー(17桁の数字)」が有効な人は「アクセスキーあり」を選択すると、即時ユーザーIDが発行される。ただし、アクセスキーはねんきん定期便が到着してから3カ月なので注意したい。

もし、アクセスキーはないがマイナンバーカードを持っている人は「マイナンバーカードあり」を選択すると、アクセスキーなしでねんきんネットを利用できるようになる。

そして、アクセスキーもマイナンバーカードもない人は、「アクセスキーなし」を選択すればOK。ただし、ユーザーIDが郵送されてくるので、ねんきんネットを利用できるのは数日後になってしまう。

なお、ねんきんネットの登録には基礎年金番号とメルアドが必要になる。新規登録する前に年金手帳などで基礎年金番号を確認しておこう。

こちらは筆者のねんきん定期便。はがきの下に「お客様のアクセスキー」が表示されている。これでねんきんネットに即時アクセスできる。ただし、有効期限ははがき到着後3カ月となっている

(Image:nenkin.go.jp)

これが「ねんきんネット」のトップページだ。初回はオレンジ色の「新規登録」を押し、登録後は「ログイン」を押せば、いつでもネットで年金の状況を確認できる

(Image:nenkin.go.jp)

新規登録を押すと「マイナンバーカードあり」、ねんきん定期便の「アクセスキーあり」。さらにアクセスキーなしで申し込みできる「アクセスキーなし」の3つが選択できる

参考元:ねんきん定期便の見方【2021年最新版】最低限チェックすべき項目と何が分かるかを解説【マネコミ!】

●日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」(公式)は→こちら
●日本年金機構「年金加入記録回答票入手先」(公式)は→こちら
●日本年金機構「年金のご相談(電話・窓口)」(公式)は→こちら
●ねんきんネット(公式)は→こちら

文=今井真人/編集・ライター

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