イー・ガーディアン株式会社がTwitterで2022年に多用されたフレーズを独自調査。そのなかで最も使用された30のフレーズを「SNS流行語大賞2022」のノミネートワードとして発表した。今回はノミネートされた30語についてそれぞれ簡単に紹介する。
話題のドラマやマンガから多数ノミネート
SNS流行語大賞2022では多彩なジャンルの言葉がノミネートした。「うまい棒」はもはや説明不要の人気駄菓子で、42年間10円を維持してきたが、コストの高騰により2022年4月1日に初の値上げを実施したことが話題となった。「サイゼ論争2022」とは「サイゼリヤでデートはアリかナシか」という論題が毎年SNSで交わされている議論で、2022年もその熱は冷め止まないようだ。「落ち着いて聞いてください」とは『メタルギアソリッド5』というゲームのワンシーンで、衝撃的な情報などとともにそのシーンの画像をツイートする人が多い。
同じくゲーム由来では「ニャオハ立つな」も。ニャオハとは『ポケットモンスター』シリーズ最新作に登場する可愛らしいポケモンだが、過去に「元は可愛かったが、進化して人型になると可愛くなくなる」ポケモンがいたため、SNSでは立たないでほしいという声があがった。
マンガやアニメ由来のワードも多く、「わかんないっピ」「アーニャ語」「○○ってコト!?」はそれぞれマンガの『タコピーの原罪』『SPY FAMILY』『ちいかわ』が元ネタ。「富樫先生」は休載期間が長いことで有名な『HUNTER×HUNTER』の作者で、Twitterアカウントを開設し連載再開したことで話題に。「伊之助ボディ」は『鬼滅の刃』の「嘴平伊之助」の腹筋を目指す「伊之助ボディになるまで毎日腹筋ローラー」というTwitterアカウント。
「#全部大泉のせい」「#ちむどんどん」「#silent」はドラマをきっかけにトレンド入りしたワードで、「○○、私の好きな言葉です」「これでお前とも縁ができた」は『シン・ウルトラマン』『機界戦隊ゼンカイジャー』特撮作品で登場した印象的なセリフだ。マンガやドラマなどの作品のクセになる表現や言い回しがトレンドに入りやすいようだ。
ほぼ毎日「タコさん定食」を投稿している幸男(@yukio_negi)さん
トレンドに上がるのは話題の作品由来のフレーズだけではない。淡々とファミチキの“袋”だけを投稿し続ける「ファミチキへの怒り」や、2022年の年始から毎日雪に埋もれて近づけない自動販売機でぐんぐんグルトを買おうとする「ぐんぐんグルトを買えない人」、依頼するとどのようなことでも祝ってくれる「世界からのサプライズ」、毎日「タコさんウィンナー」の定食を投稿しているユーザーなどユニークな発想によりSNSで話題になったアカウントも多い。
「粗品の呪い」はお笑いコンビ「霜降り明星」の粗品さんが競馬予想をすると毎回はずれ、人気の競走馬ですら負けてしまうことが由来のワード。「おハーブですわ」とはVTuberの「壱百満点原サロメ」さんが発したことで人気が爆発したネットスラングだ。「○○って○○あんねん」もテレビでアンミカさんが「白って200色あんねん」と発言したことから“構文化”された。
最新技術が活用された結果、ネットで面白がられたものもある。「AI絵師」はその名の通りイラストを描くAI。「おしゃべりひろゆきメーカー」は文章を打ち込むと、2ちゃんねるの創始者ひろゆきさんの独特な話し方で喋ってくれるというもの。上記はどちらもさまざまなネタ投稿がアップされSNSを盛り上げた。
ネタ要素の有無にかかわらず話題になった言葉もノミネートされており、2022年11月に開園した「ジブリパーク」やSDGs達成の視点から一部の店で導入されている「紙ストロー」、若い女性を中心に流行した「ギャルピース」や「平成レトロ」などは今の時代を象徴するワードであるといえよう。
そのほか「#あれ実は私なんです」「#多分私しかやってない」は元ネタがなく、自分の意見を発信できるテーマとして多くのツイートが投稿された。「ミャクミャク様」とは2025年開催予定の大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が、そのインパクトの大きなビジュアルからなぜか“様”付けで呼ばれるようになったことが由来。
SNSで流行った言葉ということで、本家の流行語以上に一過性でネタ要素が大きい言葉が多くノミネートしていた。しかし現代人のSNSの利用率を鑑みるとその影響力は大きく、2022年を象徴するデータとしては非常に興味深いものだろう。昨今ではスラングから一般的に使われるようになった言葉も多いため、いくつかは知っておかないと時代に置いていかれるかもしれない。
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※サムネイル画像(Image:davide bonaldo / Shutterstock.com)