通勤・通学中にスマホで音楽を聴くときはBluetooth接続の「完全ワイヤレスイヤホン」を使っている人が多いと思います。以前は2万〜3万円ほどする高額商品でしたが、現在、ダイソーではなんと1,100円という激安価格で売られているのです。そこで今回は、筆者が愛用しているソニー「WF-1000XM4」(2万7,800円)と聴き比べてみます。価格差は25倍以上もありますが、果たしてどちらが買いなのでしょうか?
ダイソーで1,100円の「完全ワイヤレスイヤホン」を購入!
最近のスマホには、本体に有線イヤホンを接続するステレオミニジャックがなく、Bluetooth接続による「完全ワイヤレスイヤホン」を使う人が増えてきました。
完全ワイヤレスイヤホンとは、スマホと本体、そして左右のイヤホンをつなぐケーブルがない製品のこと。
当初は2万〜3万円もする高級品ばかりでしたが、最近は4,000〜8,000円台で高性能な完全ワイヤレスイヤホンも見かけるようになりました。
そして、今ではダイソーで完全ワイヤレスイヤホン「TWS001」が、たった1,100円という激安価格で買えるようになったというわけです。
それでも、100均のダイソーではかなり高額商品になりますので、「音質はどうなのか?」「機能はちゃんとしているのか?」といった部分が気になりますよね。
そこで今回は、実際に筆者がダイソーの完全ワイヤレスイヤホン「TWS001」を購入しましたので、筆者が愛用している2万7,800円のソニー「WF-1000XM4」と比較してみようと思います。
価格差は実に25倍以上もありますが、ダイソー「TWS001」は本当にコスパに優れた商品なのでしょうか? それとも……。
ダイソーの完全ワイヤレスイヤホンはどうやって使うの?
それでは、さっそくダイソーの完全ワイヤレスイヤホン「TWS001」を使ってみましょう。今回はソニーのAndroidスマホ「Xperia 5」で接続してみました。
まず、ダイソー「TWS001」は、専用ケースから本体を取り出すと自動で起動し、そのままペアリングモードに移行します。
この状態でスマホでBluetoothの設定画面を開き、Bluetoothをオンにしたら「新たな接続先」を検索しましょう。
ダイソー「TWS001」はBluetoothの設定上では「DAISO_TW001」という名称で表示されますので、これを選んで「接続」をタップすれば完了です。
もし、操作方法が分からない人は、ダイソーの解説動画が公開されていますので、下記のリンクから確認してみましょう。
●DAISO TWS001ペアリングと接続解除は→こちら
ダイソー「TWS001」をBluetoothでスマホとペアリングする手順
今回比較するソニー「WF-1000XM4」の実力とは?
実際に、ダイソー「TWS001」と聴き比べる前に、筆者が愛用しているソニー「WF-1000XM4」の紹介をしておきましょう。
ソニー「WF-1000XM4」は、同社の完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル。音質はCD以上の高音質「ハイレゾ」音源をクリアに再現できます。
実際に聴いてみると、楽器の位置が感じ取れるほど明確な音像で、J-POPはもちろんジャズやクラシックなど音楽ジャンルを問わない、バランスのいいイヤホンだと感じられます。
ノイズキャンセル機能はもちろん、装着者が喋ると音が一時停止されるスピーク・トゥ・チャットなど、多彩な機能が搭載されており、フラッグシップの名に恥じない高性能モデルとなっています。
実はソニー「WF-1000XM4」の価格は当初3万3,000円でしたが、発売から2年経過後の現在でも、まだ2万7,800円ほどで販売されており、あまり値下がりしていません。それほど人気のある商品だということでしょう。
●Amazon「ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM4 : 完全ワイヤレス」は→こちら
ダイソー「TWS001」とソニー「WF-1000XM4」を実際に聴き比べ! 結局どちらが買い!?
ダイソー「TWS001」とソニー「WF-1000XM4」を実際に聴き比べする前に、両者のスペックを確認しておきましょう。
まず、注目したいのが対応コーデックです。ダイソー「TWS001」が「SBC」にしか対応していないのに対して、ソニー「WF-1000XM4」のほうは「AAC」や「LDAC」などにも対応しています。
「SBC」はA3DP対応のワイヤレスイヤホンが必ず対応しているコーデックですが、音質はあまり良くなく遅延を感じることもあります。
これに対し「AAC」は、主にiPhoneが対応するコーデックで、SBCより高音質かつ遅延も少ないのが特徴となっています。また、「LDAC」はハイレゾ対応の高音質コーデックで主にAndroid 8以降が対応しています。
また、ソニー「「WF-1000XM4」は強力なノイズキャンセル機能を搭載しており、騒音がうるさい通勤電車のなかでも音楽をクリアに聴くことができますが、ダイソー「TWS001」にはノイズキャンセル機能はありません。
ほかにもソニー「WF-1000XM4」は再生時間が本体で8時間、ケース充電で16時間の計24時間なのに対し、ダイソー「TWS001」は本体で4時間、ケース充電で6時間の計10時間となっています。
バッテリー充電時間もソニー「WF-1000XM4」は1.5時間と高速なのに対し、ダイソー「TWS001」は4時間もかかるので、充電時間や再生時間では圧倒的にソニー「WF-1000XM4」のほうが有利であることが分かります。
SPEC | ダイソー 「TWS001」 |
ソニー 「WF-1000XM4」 |
ノイズキャンセル | なし | あり |
音声アシスト | 対応 | 対応 |
Bluetooth | バージョン5.0 | バージョン5.2 |
Bluetooth出力 | Bluetooth標準規格 Power Class 2 |
Bluetooth標準規格 Power Class 1 |
Bluetoothプロファイル | A2DP/AVRCP HFP/ HSP |
A2DP/AVRCP HFP/ HSP |
対応コーデック | SBC | SBC/AAC/ LDAC |
Bluetooth距離 | 約10m | 10m |
ドライバーユニット | 7.5mm | 6mm |
バッテリー充電時間 | 4時間 | 1.5時間 |
再生時間 (本体+ケース充電) |
4+6時間 | 8+16時間 |
バッテリー容量 | 300mAh | 不明 |
充電 | USB(micro-B) | USB(micro-C)&Qi対応 |
充電ケースサイズ | 約70×30×29mm | 約68×39×29mm |
全体重量 | 31g | 55g |
価格 | 1,100円 | 2万7,800円 |
注目すべきは対応コーデックです。ダイソーは「SBC」のみなのに対し、ソニーはAACやLDACに対応するので、実際に聴かなくても、少し詳しい人ならここだけである程度は音質を想像できてしまいます(表は公式サイトなどを参考に筆者が作成)
それでは、実際に音楽を聴き比べてみましょう。まず、ダイソー「TWS001」は、全体的にこもった感じで、音の輪郭がボヤっとしています。
低音はわりとよく響いていますが、中音が浮いて聞こえます。さらに高音もこもった感じで抜けるような響きはまったくありません。
これに対し、ソニーの「WF-1000XM4」は高音は伸びのあるクリアな音で、中音はスッキリ、低音もズンズン響き渡ります。すべての音域が非常にクリアで、さすが世界のソニーといった印象です。
もちろんこの結果は、価格差が25倍以上もあるので当然のことなのですが、ソニー「WF-1000XM4」のようなハイレゾ対応の高性能製品を使っている人なら、ダイソー「TWS001」の音質にがっかりするでしょう。
とはいえ、ダイソー「TWS001」を実際に装着してみると、フィット感があって着け心地も軽く、しかも簡単に外れない感じがしました。
また、Bluetooth5.0を搭載していて接続が切れにくく、本体の左右に操作ボタンが搭載されているので、音楽の一時停止や音声アシストの機能が使えます。
しかも、ダイソー「TWS001」にはマイクまで搭載されているので、これだけの機能を持っていてたった1,100円という価格を考えると、コスパはかなり高いと言えるでしょう。
完全ワイヤレスイヤホンをこれまで使ったことがない人であれば、1,100円という低価格でお試しできるので、ダイソー「TWS001」の利用価値は十分あると思います。
まとめ
いかがでしょうか? 今回はダイソーの完全ワイヤレスイヤホン「TWS001」とソニーのフラッグシップ「WF-1000XM4」を実際に使って聴き比べてみました。
そもそもこの2機種には25倍以上の価格差があるわけで、まるで軽自動車と高級スポーツカーを対決させておいて、その結果「やはり高級スポーツカーは速いよね」という、少々酷な実験となってしまいした。
もし、一度でもハイレゾ対応の高級イヤホンで音楽を聞いたことがある人なら、価格が2万5,000円以上高くても、当然ソニー「WF-1000XM4」を買ったほうが満足度は高いはずです。
しかし、ダイソー「TWS001」は1,100円で買える完全ワイヤレスイヤホンとしては非常にコスパが高く、初めて利用する人や、すでに完全ワイヤレスイヤホンは持っているけれど、故障したときやバッテリー切れのときのサブ機として利用する、ということならオススメです。