“若者のテレビ離れ”が叫ばれて久しい近年だが、それを裏付ける新たな調査結果が注目を集めている。調査を行ったのはNTTドコモのモバイル社会研究所。テレビとの比較対象にはスマートフォンが選ばれ、「スマホとテレビ、どちらをよく見るか」が数字となって発表された。
今回は、そのようなスマホとテレビの関係性についてお伝えしていきたい。
10代は4人に3人がスマホ派だと判明
モバイル社会研究所は5月30日、2月に対象に実施したスマホとテレビの利用時間に関する調査の結果を発表した。調査対象となったのは、全国15~79歳のスマホを利用する男女となっている。
「平日のプライベートの時間にスマホとテレビをどの程度利用するか」の調査では、10代では「スマホのほうが長い」74.8%、「スマホとテレビが同程度」19.6%、「テレビのほうが長い」5.6%という結果となりスマホ派の圧勝だった。やはり若年層ほどスマホ優位の傾向が強く、「テレビのほうが長い」が「スマホのほうが長い」を上回ったのは50代から(「スマホ」28.7%、「テレビ」45.2%)となった。
また「平日のプライベートの時間に2時間以上利用するか」の調査でも、「スマホを2時間以上利用する」という回答は、男性でも40代まで、女性では50代まで50%以上を記録している。もはや50代までスマホをガンガンに駆使する時代なのだ。
休日は在宅時間が増えるからかテレビ派が増加
一方で休日を対象とした調査では、10代で「スマホのほうが長い」71.7%、「スマホとテレビが同程度」22.7%、「テレビのほうが長い」5.6%と、若干ながらスマホ派の勢いが弱まった。他の年代を見てもテレビ派が少し盛り返しており、やはりずっと家にいられる人が増えてテレビを視聴する機会が増えている様子がうかがえる。
逆に言えば、それだけ平日は家にいない、ということになるかもしれない。「働き方改革」「テレワーク推進」とはいうものの、まだまだ平日は仕事にかかりきりな人が多いことも事実と言えそうだ。
また、最近では「TVer」など放送を見逃した番組をネット上で楽しめるサービスも増えてきた。中にはリアルタイムで視聴できる番組もあり、家に帰ってテレビの前にいる必要がなくなってきているのもスマホ優位の状況を後押ししているかもしれない。
はたしてこれからスマホ派の30代40代が年を取って上の世代になってきたとき、テレビはどのようにして生き残りを図っていくのだろうか。スマホとの共存に走るのか、スマホにはできない何かの提供を模索していくことになるのか。今後のテレビの進化にも要注目だ。
出典元:若年層はスマホ、高年層はテレビを長時間利用 30~40代を境にスマホとテレビの利用時間が逆転【モバイル社会研究所】