最近、マイナンバーカード申請の出張ブースが増えているのにお気づきだろうか。2022年9月20日、総務省はマイナンバーカードの普及を促進するキャンペーン「マイナポイント第2弾」において、マイナンバーカードの取得申請期限を2022年12月末まで延長すると発表。2022年9月上旬時点で6割以上の人がマイナポイント第2弾に「申し込んでいない」という調査結果もある。
ポイント受け取りまでに、越えなければいけない高いハードルが理由か
株式会社エイチームライフデザインが運営する「ナビナビ」は、2022年9月5日に18歳以上の男女650名に対し「マイナポイント第2弾に関する意識調査」を実施した。2022年9月上旬時点でマイナポイント第2弾を申し込んでいない人は63.5%で、申し込んだ人は30.6%にとどまっている。さらに、5.9%がマイナポイント事業について「知らない」と回答した。マイナポイントのキャンペーンが国民に浸透しているとは思えない結果だ。
マイナポイント第2弾を申し込まなかった理由に関する回答では、1位が「マイナンバーカードの作成が面倒くさかったから」(32.5%)、ついで「申し込みの手順がよくわからなかったから」(30.0%)となり、手続きの煩雑さによる理由が多くを占めた。
マイナンバーカードの受け取りは郵送ではなく、本人が役所に出向いて受け取らなければならない。このように、マイナンバーカードの取得申請、役所へ受け取り、ポイントをもらうためのキャッシュレス決済手段などを決定・作成と、マイナポイントを受け取るまでのハードルは高い。
マイナポイントはさまざまな決済サービスで受け取ることができる。マイナポイントを受け取った人に対し、選んだ決済サービスについてたずねたところ、PayPay、楽天ペイ、d払いなどの「QR・バーコード決済」が37%で1位に輝いた。僅差でSuica、WAON、楽天Edyなどの「電子マネー」が35.7%と後を追った。PayPay株式会社によると、2022年6月30日から8月5日までの期間にマイナポイント第2弾でPayPayへの申し込み件数はなんと3割以上を占めていたとのことだ。
しかし、マイナポイント第2弾受け取り申請を実行しなかった理由の多くは「メリットを感じないから」に通じるものだった。申し込みが煩雑なのにもかかわらず、それぞれもらえるポイント額が割に合わないと感じた人が多いからなのではないだろうか。もともと、2022年9月末が取得申請期限だったので3カ月の猶予ができたことになる。裏を返せば、政府の狙い通りにマイナンバーカードが普及していないのかもしれない。
マイナンバーカードを所持していることによるメリットは、今後、ますます増えるだろう。コンビニから住民票の写しを取得できたり、役所での手続きが簡略化されたりすることも多い。マイナンバーカードを健康保険証としての利用する場合、転職や引越などの際の手続きが不要になることや、診療・薬剤情報などを医師に共有できるなどがすでにある。何かと手続きが面倒だと敬遠されがちだが、もらえるものはもらっておいて損はない。今回の申請期限延長を機に、申請してみてはいかがだろうか。
出典元:「マイナポイント第2弾に関する意識調査」【ナビナビ】
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