Zenly(ゼンリー)とは、友達や家族同士で位置情報を共有するアプリです。
Zenly(ゼンリー)の主な機能と使い方 | 位置情報を活用した待ち合わせなどに便利
ゼンリーの主な機能は、アプリで繋がっている「友達」の現在位置を常に共有し合うこと。筆者がヒアリングした中高生たちは、これらの機能を活かして、主に近所や地元の駅の近くにいるタイミングが合った友だちと会うためにゼンリーを利用することが多いそうです。
待ち合わせの際、ざっくり「渋谷駅あたりで」と待ち合わせると、どこにいるかをメッセージで頻繁にやり取りする必要がでてきます。それならばいっそお互いの位置情報を把握して段々近づいていったほうが便利で正確です。そういったシーンでゼンリーは利用されています。
また、東京ディズニーリゾートや渋谷ハチ公前など人が多い場所でもお互いの現在地を正確に把握できるので簡単に合流でき、別行動や再合流もきちんと時間と場所を決めなくても行うことが可能です。
友達の様子/現在地を把握したうえで誘うことが可能
同じ場所に滞在している時間の長さもゼンリーから見ることができます。つまり、「自宅に3時間いるなら今通話しても大丈夫かな?」など友達の様子を把握した上で連絡することができます。また、現在地が塾やアルバイト先であれば「今日は忙しそうだな。連絡はまた今度にしよう」と判断できるので連絡が空振りにならずに済みます。
Zenly(ゼンリー)のその他の機能 | メッセージ、電話、ゴーストモード、睡眠中、Pops
ゼンリーには位置情報共有以外にも便利な機能がいろいろあります。
なお、友達と一緒にいた回数がカウントされる人気の機能だった「ハングアウト」は2022年4月のアップデートの際削除されました。
メッセージ|絵文字やチャットでのやり取りが可能
電話|通話することも可能、ただし通話料金が通常通りかかる
ゴーストモード | 一時的に位置情報共有を止めることが可能
「現在睡眠中」 | 相手が起きたら通知を受け取ることが可能
Pops|回数を友達とも世界とも競える!
筆者がヒアリングした例だと、住んでいる場所は近いけれどそれぞれ違う学校に電車通学している仲の良い友だち同士でゼンリーで繋がっておき、帰りの電車のタイミングがあったときには一緒に最寄駅から家へ帰ったり、ファストフード店などへ寄り道したりするという女子高生がいました。
わざわざ待ち合わせなくても、お互いの状況を把握した上で誘うことが可能で、無駄なやり取りをしなくても済むという点が大きな魅力となっています。また登下校時やたまたま近くにいたときに少しだけ会えるという、学校や部活、塾にアルバイトで忙しい中高生にとって、隙間時間を活用できるという側面もあるようです。
Zenly(ゼンリー)に対する中高生の本音 | 居場所が把握されるのは怖いという声もある
今の中学生は生まれたときからスマートフォンがあるデジタルネイティブどころかスマホネイティブ世代で、個人情報の大切さやSNSの怖さを学校などで繰り返し教えられてきています。そのためゼンリーに関しても「1回アプリをダウンロードしたけど怖くてすぐ消した」「地元の友達と1回試してみたけどお互い把握しすぎるのもよくないという話になり、消すことになった」という話を多く聞きました。
また、ヒアリングした範囲でですが、使っている中高生(特に女子)でも家族だけ、地元の友達ふたりだけ、などごく少人数のあいだでしか使用していない人が多いようです。ひとりだけゼンリーの友達が50人以上いる男子高生がいましたが、部活動の管理の一環としてゼンリーが使われており、部員全員と繋がっているためでした。
2022年8月現在、ゼンリーはApp Store無料アプリ人気ランキング88位に位置し 健闘しているものの、多くの中高生がオープンに使うアプリとはなっていないのが現状です。
Zenly(ゼンリー)を家族で使うケースも意外に多い
筆者がヒアリングした例だと、心配性なお母さんが学校が終わると「今どこにいるの?」と居場所の確認のために電話やLINEを頻繁にしてくることにうんざりして、ゼンリーに登録してお母さんから連絡するのを控えてもらうようにした女子高生がいました。
これは珍しい例かもしれませんが、お子さんの送迎などのために、親御さんからお子さんへ見守り目的でゼンリーの利用を持ちかけることは結構あるそうです。
まとめ | 位置情報の共有は慎重に!
筆者もゼンリーをいろいろ使ってみたものの、やはりごく親しい友人でもどこにいるのか常に把握されているのは落ち着かない気分になります。使うとしたら親御さんがお子さんの見守り目的に使うのが現実的なラインだと思います。
また、ゼンリー愛用者のなかには、行った場所の地図がオープンになる機能「あなたの世界」を利用して旅行や出張などでマップが広がるのを楽しんでいる人もいて、こういう使い方なら筆者もできるかも、と思いました。
位置情報の共有にはさまざまな個人情報漏洩のリスクがありますので、くれぐれも慎重に、また利用する場合であってもゼンリーに誘う人は慎重に吟味しましょう。
※サムネイル画像(Image:Alex Photo Stock / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています