月20GB以上で選ぶ格安SIMランキング【2023年2月最新版】

ドコモの「ahamo(アハモ)」は月20GB+月5分無料通話付で月額2,970円と格安です。しかし、スマホでデータ通信を月20GB以上使う人は、データ通信量を追加したりして意外と割高になってしまうことがありますよね。そこで気になるのが「格安SIM」です。果たして月20GB以上の格安SIMはどのくらい安くなるのでしょうか? というわけで今回は、2023年2月時点で月20GB以上のプランはどこがお得なのか解説します。

月20GB以上のプランでも格安SIMのほうが安くなるの?

ドコモのahamo(アハモ)をはじめ、auのpovo2.0(ポヴォ)、ソフトバンクのLINEMO(ラインモ)などは、月20GBで3,000円前後と格安な料金でスマホを利用できます。

でも、自宅にWi-Fiがなくスマホのデータ通信だけでYouTubeやNetflixといった動画サイトを視聴していると、月20GBではまったく容量が足りなくなるでしょう。

そこで気になるのが「格安SIM」です。格安SIMはドコモなどの大手キャリアの回線を借りて独自プランを提供しており、月20GBプランなら2,000円を切る場合もありますし、月50GBや月100GBのプランも用意されています。

また、格安SIMには通信速度を極端に落とし、1.5〜3Mbpsで「容量無制限」で利用できるプランや、特定のコンテンツのデータ通信量をカウントしない「カウントフリー」を導入しているプランもあります。

ほかにも、第4のキャリアとして登場した楽天モバイルは、月20GBまで月額2,178円、20GBを超えると無制限となり、月額3,278円と圧倒的な安さを実現しています。

しかし、楽天モバイルの自社回線の人口カバー率は2022年末時点で98%、2023年度中には99%を目指す予定となっており、2023年2月時点ではやはり都市部以外ではやや繋がりにくい状況にあります。

そこで今回は、スマホで月20GB以上利用する人が得するのは、いったいどれなのか検討してみますが、今回は意外な結論に達しました。

■大手キャリア&格安プラン比較(音声プラン)

メーカー 楽天モバイル >ahamo LINEMO povo2.0
データ容量 Rakuten UN-LIMIT VII   スマホプラン 20GB(30日間)
回線 楽天モバイル ドコモ ソフトバンク au
20GB 2,178円 2,970円 2,728円 2,700円(30日間)
100GB   4,950円(80GB追加)    
無制限 3,278円      
データ追加   1GB/200円 1GB/550円 1GB/390円(7日間)
かけ放題 15分かけ放題
1,100円
かけ放題
1,100円
5分かけ放題
550円
5分かけ放題
550円
注意点 RakutenLink利用で国内通話無料 基本料金に月5分無料通話分が含まれる LINEがカウントされないギガフリー 基本料は無料、20GBは30日有効のトッピング

※楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT VII」は従量制のワンプラン
※「ahamo」はdカードゴールド払いで+月5GB増量される
※「ahamo」と「LINEMO」は20GB超過後1Mbpsで無制限通信可能
大手キャリアの格安プランと楽天モバイルの料金を比較してみた。いずれも月20GBで3,000円前後だが、楽天モバイルは月20GBを超えると無制限となるほか、ahamoは大盛り100GBの場合でも月額4,950円とかなり安いことが分かる(表は各公式サイトを元に筆者が作成)

ahamoの100GBは、基本プラン20GB(月額2,970円)に80GBのデータ追加オプション(月額1,980円)を追加して、月額合計4,950円(Image:ahamo.com)

ahamoの大盛り100GBは、基本プラン20GB(月額2,970円)に80GBのデータ追加オプション(月額1,980円)を追加して、月額合計4,950円になるというもの。これは格安SIMと比較してもかなり安い!(画像はahamo公式サイトより転載)

楽天モバイルは月20GBまで月額2,178円(Image:network.mobile.rakuten.co.jp)

楽天モバイルは月20GBまで月額2,178円、20GB超で無制限になり月額3,278円と驚くべき安さ。ただし、山間部ではやや繋がりにくいので、自宅や会社付近で繋がるのなら利用価値が高いだろう(画像は楽天モバイル公式サイトより転載)

●ahamo「料金・データ量」は→こちら
●LINEMO「料金」は→こちら
●povo2.0「料金プラン」は→こちら
●楽天モバイル「 Rakuten UN-LIMIT VII(料金プラン)」は→こちら

それではまず、格安SIMの月20GBプランをチェックしてみましょう。

たとえば、ソフトバンクの格安プランLINEMOの「スマホプラン(20GB)」は月額2,728円ですが、格安SIMのイオンモバイル「さいてきプランMORIMORI」の月20GBプランは月額1,958円です。

LINEMOより毎月770円も安いため、1年間では9,240円も節約できますので、乗り換えを検討してもいいでしょう。

また、IIJmio(アイアイジェイミオ)の「ギガプラン」月20GBは月額2,000円、exciteモバイルの「Flatプラン」月20GBは月額2,068円、NUROモバイルの「NEOプランLite(20GB)」は月額2,090円と、いずれも2,000円ちょっとという安さです。

■格安SIM料金プラン比較(音声プラン)

メーカー IIJmio NUROモバイル イオンモバイル
データ容量 ギガプラン NEOプランLite さいてきプランMORIMORI
回線 ドコモ/au ドコモ/au/ソフトバンク ドコモ/au
20GB 2,000円 2,090円 1,958円
25GB      
30GB     3,058円
40GB     4,158円
50GB     5,258円
100GB      
無制限      
データ追加 1GB/220円 1GB/550円 1GB/528円
かけ放題 通話定額5分+
500円
5分かけ放題
490円
月5分かけ放題
550円
その他 IIJmioひかりのセット割」で月額660円引きが適用可能 NEOプランは月額2,699円でデータフリーやGigaプラス特典などがある 全国のイオンの店頭申し込みが可能
メーカー exciteモバイル HISモバイル LinksMate
データ容量 Flatプラン 自由自在290プラン 音声通話+SMS+データ通信
回線 ドコモ/au ドコモ ドコモ
20GB 2,068円 2,190円 2,970円
25GB 2,970円    
30GB 4,400円   3,905円
40GB 7,700円   4,840円
50GB 1万1,198円 5,990円 5,500円
100GB     8,305円
無制限      
データ追加 1GB/220円 1GB/200円(100GBまで) 1GB/550円
かけ放題 月3分かけ放題
759円
月5分かけ放題
500円
10分かけ放題
935円
その他 3分かけ放題Xは半額電話「エキモバ」のオプションサービス 全国のHIS106店舗で店頭申し込みが可能 SNSやゲームのカウントフリーオプションが月額550円

格安SIMの20GBプランは月額2,000円前後でLINEMOなどに比べると毎月数百円は安くなる(表は各公式サイトを元に筆者が作成)

イオンモバイルの「さいてきプランMORIMORI」。月20GBは月額2,000円(Image:aeonmobile.jp)

こちらはイオンモバイルの「さいてきプランMORIMORI」。月20GBは月額2,000円を切る安さだ。月30GBでも月額3,058円、最大月50GBまで用意されている(画像はイオンモバイル公式サイトより転載)

IIJmioのギガプランは2,000円(Image:iijmio.jp)

格安SIM大手のIIJmioのギガプランは2,000円ポッキリでeSIMでも利用可能。「IIJmioひかりのセット割」で月額660円引きになるのにも注目。また、データ容量追加も1GBあたり220円と格安だ(画像はIIJmio公式サイトを筆者が加工して転載)

月20GBのプランではahamoやLINEMOより安くなる格安SIMですが、実は月20GBを超えるプランを用意している格安SIMは、イオンモバイルやexciteモバイル、LinksMateなどごく一部しかありません。

たとえば、イオンモバイルでは「さいてきプランMORIMORI」の50GBプランが月額5,258円で利用できますが、ahamoでは80GBオプションを追加する月100GBの大盛りプランを月額4,950円という低価格で提供しているので、月20GB超のプランでは格安SIMのほうが、逆に割高になってしまうのです。

月20GB超のプランを価格だけで比較すると、格安SIMはかなり不利になりますが、ほかにもっと注目したい要素もあります。

たとえば「LinksMate(リンクスメイト)」はゲーマーに特化した格安SIMで、月100MB〜1TB(1,000GB)まで114プランも用意されています。

最大の特徴は、ゲームやSNS、動画サイトなどのコンテンツのデータ通信量がカウントされない「カウントフリーオプション」が月額550円で追加できること。

もし、スマホでゲームや動画、音楽を楽しむために大容量プランを契約しているなら、カウントフリーに加入することで、今よりさらに安いプランに変更できるため、結果的にスマホの料金が安くなる可能性があります。

ゲームやSNS、動画サイトなどでデータ通信量を消費している人は、ぜひ一度検討してみてください。

■LinksMateのカウントフリー対象

【ゲーム】アークナイツ/アイドルマスター/アズールレーン/あんさんぶるスターズ!/ウマ娘/刀剣乱舞/にゃんこ大戦争/妖怪ウォッチなど多数
【コンテンツ】ABEMA/AWA/サイコミ/ニコニコ動画/pixivコミック/DMM GAMES/Mirrativ/U-NEXTなど
【SNS】Instagram/Twitter/Facebook

LinksMate(Image:linksmate.jp)

LinksMateによると、ゲームやSNS、動画サイトなどのデータ通信がカウントされない「カウントフリー」によって、90%以上のデータ通信量が削減されるという(画像はLinksMate公式サイトより転載)

●IIJmio「料金・プラン」は→こちら
●NUROモバイル「料金」は→こちら
●イオンモバイル「料金プラン」は→こちら
●exciteモバイル「格安SIMの料金プラン」は→こちら
●HISモバイル「格安SIM・SIMカード一覧」は→こちら
●LinksMate「プラン・料金」は→こちら

格安SIMなら低速度で無制限プランという選択肢も!

ここまでは4Gや5Gの高速回線のプランを比較してみましたが、格安SIMには通信速度を1〜3Mbps程度の低速に抑える代わりに、データ通信量が無制限になるプランを提供しているところもあります。

その代表格が「mineo(マイネオ)」です。mineoには高速回線で月定額の「マイピタ」のほかに、速度制限あり(低速)で無制限の「マイそく」の2つのプランが用意されています。

「マイそく」は、月〜金曜の12〜13時に通信速度が制限されますが、最大1.5Mbpsの「スタンダード」は月額990円、最大3Mbpsの「プレミアム」は月額2,200円で利用できます。

イオンモバイルやIIJmioなどの回線速度は下り最大1,288Mbpsなのに、1.5Mbpsや3Mbpsで大丈夫なの? と不安に思う人も多いでしょう。

確かにこの低速度で、YouTubeやNetflixなどを1080pの高画質で再生するとコマ落ちしてしまいますが、720p以下に画質を落とせば意外とスムーズに再生することができます。

とくに5インチ以下の小さい画面のiPhoneなどで動画を見るのであれば、720p以下でも画質が悪いと感じることはないでしょう。

●mineo「料金表」は→こちら

mineo(Image:mineo.jp)

mineoの「マイそく」は最大1.5Mbpsの「スタンダード」が月額990円、最大3Mbpsの「プレミアム」が月額2,200円で利用できる。どうしても高速回線が必要なときは、1回330円の「24時間データ使い放題」を追加することも可能だ(画像はmineo公式サイトより転載)

ちなみに、mineoには「パケット放題 Plus」という最大1.5Mbpsのデータ通信が使い放題になる、「マイピタ」プラン向けのサービスもあります。

これは、本来月額385円のオプションですが、月額10GBコース以上では無料で利用できるのがポイント。

たとえば、月額1,958円の「マイピタ」10GBコースにすれば、10GBを使い切ったあとは無料で最大1.5Mbpsで使い放題となります。

●mineo「パケット放題 Plus」は→こちら

mineo「パケット放題 Plus」(Image:mineo.jp)

パケット放題 Plusは月額385円のオプションだが、マイピタの10GB以上コースなら無料で利用可能となるのがお得!(画像はmineo公式サイトより転載)

低速度の格安SIMといえば「donedone(どねどね)」にも注目です。

donedoneには2つのプランが用意されており、まず「ベーシックUプラン」は回線速度が最大3Mbpsに抑えられていますが月50GBまで利用可能。50GBを超過したときも1Mbpsで利用できます。

次に「カスタムUプラン」は、自分で選んだ3つのアプリだけが通信速度制限なしで利用可能です。もちろんこちらも50GB超過時は1Mbpsとなりますが、YouTube、ABEMA、TikTok、LINE、Instagram、Spotify、Amazon Music、LINE MUSICなどが対象になります。

■donedone「カスタムUプラン」対象アプリ

【SNS】LINE/Instagram/Facebook
【動画】YouTube/ABEMA/TikTok/TELASA
【音楽】Spotify/Amazon Music/LINE MUSIC

donedoneの月額料金は2,728円で、1日に1回は上記の2つのプラン(ベーシックUとカスタムU)を自由に切り替えることが可能となっていますので、使い方によってはかなりお得になるでしょう。

なお、donedone公式サイトによると、月50GBでWebサイトは約16万ページ、動画は約45時間、音楽は約355時間利用できるそうです。

donedone(Image:donedone.jp)

donedoneは月額2,728円で「ベーシックUプラン」と「カスタムUプラン」の2プランを自由に切り替えて利用できるのがポイントだ(画像はdonedone公式サイトより転載)

●donedone「料金プラン」は→こちら

アナタは「デュアルSIM」という言葉を聞いたことがありますか? これは異なる回線のSIMカードをひとつのスマホで2枚使用すること。

最近は物理SIMカードを2枚挿すのではなく、1枚はスマホのチップ(eSIM)を利用することでデュアルSIMに対応する機種が増えています。

iPhoneではXR/XS以降(SE・第3世代)などがeSIMに対応するため、デュアルSIM運用が可能となっています。eSIMやデュアルSIMについて詳しく知りたい人はこちらの記事をご確認ください。

たとえば、電波状況にやや不安がある「楽天モバイル」と、基本料無料で利用できるau回線の「povo2.0」とを組み合わせて、デュアルSIM運用するのがおすすめです。

デュアルSIMであれば、楽天回線が繋がらない場所だけ、povo2.0のトッピング(24時間で330円/回)などを購入してネットに接続することが可能です。

もちろんこれは、基本的に楽天回線が自宅や会社などで繋がるのが前提ですが、楽天モバイルの回線の不安を解消できますし、povo2.0とデュアルSIM運用ならスマホの料金もかなり抑えられるでしょう。

povo2.0

基本料0円で維持できるpovo2.0は何かと使い勝手がいい。月20GBを超えると無制限になるのに月額3,278円の楽天モバイルとデュアルSIM運用するのは最強だろう(画像はpovo2.0公式サイトより転載)

実は無制限なら大手キャリアのプランも視野に入ってくる!

ここまで大手キャリアの格安プランや格安SIMの話をしてきましたが、実は無制限プランで考えると、大手キャリアのプランが視野に入ってきます。

たとえば、ドコモの「5Gギガホプレミア」はデータ無制限の5G向け定額プランで月額7,315円ですが、みんなドコモ割(3回線以上)で1,100円、ドコモ光セット割で1,100円、dカードお支払割で187円割引きされるため、実質料金は月額4,929円まで下がるのです。

もちろん、条件をクリアできる人は限られるでしょうが、すべての割引を適用できるようなら、実はahamoの100GBよりもお得に利用できることは覚えておきましょう。

●ドコモ「5Gギガホ プレミア」は→こちら

ドコモ「5Gギガホ プレミア」(Image:docomo.ne.jp)

月額7,315円で5Gが無制限で使い放題になる「5Gギガホ プレミア」。3つの割引がすべて適用できると、月額4,928円で済む。これはかなりお得だろう(画像はドコモ公式サイトより転載)

ちなみに、auでも同じような使い放題プラン「使い放題 MAX 5G」が月額7,238円で用意されていますが、「家族割プラス(3人以上)」「auスマートバリュー」「au PAY カードお支払い割」適用で、月額4,928円まで安くなります。

●au「使い放題 MAX 5G」は→こちら

au「使い放題 MAX 5G」(Image:au.com)

月額7,238円で使い放題になるau「使い放題 MAX 5G」は、「家族割プラス(3人以上)」「auスマートバリュー」「au PAY カードお支払い割」適用で、月額4,928円まで安くなる(画像はau公式サイトより転載)

ソフトバンクでも月額7,238円で使い放題になる「メリハリ無制限」が提供されていますが、やはり、家族3人加入、SoftBank光・Air加入で、最大月額4,928円まで割り引きされます。

●ソフトバンク「メリハリ無制限」は→こちら

ソフトバンク「メリハリ無制限」(Image:softbank.jp)

ソフトバンクの使い放題プラン「メリハリ無制限」は月額7,238円だが、家族3人加入、SoftBank光・Air加入で月額4,928円まで安くなる(画像はソフトバンク公式サイトより転載)

まとめ

いかがでしょうか? 月20GBプランは格安SIMのほうがLINEMOやahamoよりもお得に利用できますが、月20GBを超えてくると、実はahamoの100GBがいちばんお得になります。

また、無制限プランでは大手キャリアの5G使い放題プランが、条件をすべてクリアできれば月額5,000円以下で利用できるので、最安値になる可能性があります。

ほかにも、LinksMateのようにゲームや動画サイトがカウントフリーになる格安SIMを利用すれば、数十GB単位でデータ通信量を削減できる場合もあるでしょう。

さらに、回線速度は遅くても無制限で利用可能なmineoやdonedoneなどを利用すると、スマホの料金をグッと安くすることができます。

なお、楽天モバイルは回線にやや不安がある人もいるでしょうが、やはり無制限利用で月額3,278円というのは圧倒的な最安値です。

最近は、地方でも市街地ならかなり繋がるようになってきましたので、楽天回線が自宅や会社、通勤電車などで問題なく繋がるようなら、povo2.0とのデュアルSIM運用してみてはいかがでしょうか?

すずきあきら
編集・ライター。パソコン通信時代からネットワークに接しWi-Fiやインターネット、SNSなどに精通。30年に渡って、パソコンやスマホ関連のムック本や雑誌記事を手がけてきた大ベテラン。最近は格安SIMなどのケータイ料金やアプリ、通信費全般の記事を執筆することが多い。

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