アナタは、楽天モバイルがau回線のローミングを徐々に終了しているのをご存じだろうか? その影響もあってか、楽天モバイルでネットや電話がつながりにくくなっている人もいるという。そんな状況を解消するには、他キャリアの回線を契約して「デュアルSIM」運用し、“自前ローミング”をすればいい。そこで今回は、楽天モバイルと組み合わせるのにピッタリな格安SIMを紹介しよう。
楽天モバイルでの“自前ローミング”とは?
2021年8月には500万回線を突破した大人気の「楽天モバイル」。データ通信量が月1GB以下なら月額0円で維持できるとあって、サブスマホとして申し込む人も多いようだ。
楽天モバイルは、これまで自社回線エリア外ではパートナー回線(au回線)のローミングでカバーしてきたが、最近、自社回線の人口カバー率が急速に高まってきたことで、全国的にローミングを終了しつつある。これについては→こちらで確認してほしい。
その影響もあってか、一部エリアではネットや電話がつながりにくい場合もあるようだ。そこで、楽天モバイルのほかに、他キャリア(ドコモやau回線)の格安SIMを契約してデュアルSIM運用することで、“自前ローミング”を行っている人が増えているのだ。
デュアルSIM運用を簡単に実現する鍵は「eSIM(イーシム)」である。eSIMとは、物理的なSIMカードをスマホにささなくても、スマホ本体に内蔵された書き換え可能なICチップで、ネットや電話が利用できるようになるというもの。
つまり、eSIM対応スマホを持っている人なら、楽天モバイルか他キャリアのどちらかをeSIMで契約して、ひとつのスマホで2つの回線を利用できるようになる。
eSIMとデュアルSIMについては→こちらで詳しく解説しているが、eSIMは大手キャリアや一部格安SIMでも申し込めるので、楽天モバイル以外のデータ回線を用意することで、ネットの大規模障害や大規模災害といった不測の事態にも備えることができるのだ。
基本料0円の「povo2.0」なら年数百円の維持費で済む!
まず、楽天モバイルとの組み合わせで最強と言えるのが、基本料0円で維持できるauの「povo2.0」である。
povo2.0と楽天モバイルとの組み合わせについては→こちらで解説しているので参考にしてほしいが、povo2.0の基本料は0円で、自分の好みでデータ通信量をトッピングしていくスタイル。ただし、半年(180日)に一度、何かしらのトッピングを追加しないと利用停止や契約解除されることになっている。
そのため半年に1度、24時間/330円の「データ使い放題」や、7日間/390円の「データ追加1GB」といったトッピングを追加すれば、au回線が維持できるのだ。
もちろんpovo2.0はeSIMでの契約も可能で、データトッピングを追加していないと128Kbpsという低速になってしまうが、それでも0円でネットに接続することは可能となっている。
■povo2.0でのデュアルSIM運用の維持費
【楽天モバイル】月1GB以下なら月額0円
【povo2.0】基本料0円+半年に1度「24時間データ使い放題」を追加すれば年間330円で維持可能
IIJmioのeSIMは月2GBで月額440円という安さ!
次に、楽天モバイルとの組み合わせでおすすめしたいのが、「IIJmio(アイアイジェイミオ)」のデータ専用eSIMプランだ。
IIJmioは格安SIMの最大手のひとつで、データ専用のeSIMを格安で提供している。詳しくは→こちらで解説しているが、IIJmioのeSIMはデータ専用のドコモ回線で、2GBプランなら月額440円で契約できる。
楽天モバイルは「Rakuten Link」というアプリを利用すれば、無制限で無料通話できるため、電話のできないデータ専用eSIMでも問題ない。イザというときにドコモ回線でネットに接続できるというのは安心だろう。
ちなみに、IIJmioのeSIMは月20GBでも月額1,650円なので、楽天モバイルより月528円(年6,336円)も安くなるのも魅力。
■IIJmio(eSIM)でのデュアルSIM運用の維持費
【楽天モバイル】月1GB以下なら月額0円
【IIJmio・eSIM】※データ専用
[月2G]月額440円×12カ月=年間5,280円
[月8G]月額1,100円×12カ月=年間1万3,200円
[月20GB]月額1,650円×12カ月=年間1万9,800円
nuroモバイルなら実質10GBで月額1,320円!
もうひとつ楽天モバイルと組み合わせでおすすめしたいのが、ソニーの「nuro(ニューロ)モバイル」である。
nuroモバイルでは月3GBのデータ専用SIM「VSプラン3GB」が月額627円と激安!さらに「VMプラン5GB」が月額825円、「VLプラン8GB」は月額1,320円で利用できる。
なかでも、月5GBと月8GBプランは「Giga+」が利用できるのに注目したい。「Giga+」は月5GBプランでは3カ月ごとに3GB(年12GB)、月8GBプランでは6GB(年24GB)がプレゼントされ、余ったデータ量は翌々月まで繰り越せるのだ。
つまり、月5GBプランは実質6GBとして、月8GBプランは実質10GBとして利用可能である。月20GBも使わない人ならかなり月額利用料を節約できるだろう。
さらに、NUROモバイルには月20GBで月額2,699円の「NEOプラン」もある。これはLINE、Twitter、InstagramといったSNSの通信量がカウントされない「カウントフリー」であるため、月20GBを丸ごとほかのサービスで利用できるのが特徴だ。詳しくは→こちらで確認してほしい。
■nuroモバイルでのデュアルSIM運用の維持費
【楽天モバイル】月1GB以下なら月額0円
【nuroモバイル】※データ専用
[VSプラン3GB]月額627円×12カ月=年間7,524円
[VMプラン5GB]月額825円×12カ月=年間9,900円
※Giga+で年12GB付与→実質6GBプラン
[VLプラン8GB]月額1,320円×12カ月=年間1万5,840円
※Giga+で年24GB付与→実質10GBプラン
【nuroモバイル】※音声通話付
[NEOプラン]月20GBで月額2,699円×12カ月=年間3万2,388円 ※SNSのカウントフリー/音声SIM
※2021年12月よりnuroモバイルのVLプランは8GBから10GBに増量され、「Gigaプラス」の追加データ容量プレゼント(6GB)を合わせると実質月12GB利用可能となる。
月550円から維持できる「OCN モバイル ONE」
最後に「OCN モバイル ONE」も紹介しておこう。OCN モバイル ONEはドコモグループの格安SIMで、先日ドコモでの取り扱いが開始された低廉プラン「エコノミーMVNO」でも話題となった。エコノミーMVNOについては→こちらを参考にしてほしい。
エコノミーMVNOは月0.5GB+月最大10分無料通話付きなので、月たった500MBしか高速通信はできないが、月額550円でドコモ回線が維持できるのがポイント。もちろん、500MBを超過しても200Kbpsという低速でネットに接続することはできる。
ちなみに、エコノミーMVNOはOCN モバイル ONEの「新コース」のひとつなので、毎月自由に1GB~10GBまでデータ容量を変更することができる。たとえば、3GBなら月額990円、10GBなら月額1,760円で利用できるので使い勝手は非常によい。
また、音声通話が不要ならデータ専用SIMカードがおすすめ。こちらは月3GBで月額858円、6GBで月額1,188円、10GBでも月額1,628円で利用することができる。
■OCN モバイル ONEでのデュアルSIM運用の維持費
【楽天モバイル】月1GB以下なら月額0円
【OCN モバイル ONE】※音声対応SIMカード
[500MB/月コース]月500MBで月額550円×12カ月=年間6,600円
[3GB/月コース]月3GBで月額990円×12カ月=年間1万1,880円
[10GB/月コース]月10Gで月額1,760円×12カ月=年間2万1,120円
【OCN モバイル ONE】※データ専用SIMカード
[3GB/月コース]月3GBで月額858円×12カ月=年間1万296円
[10GB/月コース]月10Gで月額1,628円×12カ月=年間1万9,536円
いかがだろうか? 楽天モバイル回線だけでは心もとないという人は、是非、eSIMを利用したデュアルSIM運用で異なるキャリアの回線も利用できるように、「自前ローミング」してみてはいかがだろうか?
なお、契約したい格安SIMがeSIMに対応しない場合は、楽天モバイルの物理SIMのほうをeSIMに変更すればいい。楽天モバイルの物理SIMをeSIMに変更する方法については→こちらで確認できる。
●楽天モバイル(公式)は→こちら
●povo2.0(公式)は→こちら
●IIJmio(公式)は→こちら
●nuroモバイル(公式)は→こちら
●OCNモバイルONE(公式)は→こちら