楽天市場を中心に楽天カード、楽天証券、楽天モバイル、楽天トラベルなど、さまざまなネットサービスを提供する楽天グループ。いわゆる“楽天経済圏”にどっぷり浸かっている人も多いと思うが、ここ1~2年の間に、相次いでサービスの改悪が行われている。そこで今回は、サービスの改悪が続いてもそのまま楽天経済圏に留まったほうがいい人の条件を検証してみたいと思う。
ここ1~2年で楽天グループにどのような改悪があったのか?
楽天市場、楽天モバイル、楽天銀行、楽天トラベルなど、あらゆるネットサービスを提供する楽天グループ。
2022年7月から、月1GBまでなら0円だった楽天モバイルが、最低でも月額1,078円がかかるように改悪されたことが大きな話題となった。
しかし、楽天グループの改悪はこれだけではない。とくに楽天経済圏の中核となる楽天市場のポイントサービス「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の条件は年々悪くなっているし、楽天カードや楽天銀行などでも細かいサービスの改悪も続いている。
果たしてこのまま楽天グループのサービスを継続したほうがいいのか悩んでいる人も多いことだろう。そこで今回は、サービスが改悪されても、なお楽天経済圏に留まったほうがいい人の条件を検証してみる。
■最近の楽天グループのサービス改悪
【1】楽天SPU
・最高倍率15倍→14倍に(2022年4月から)
※「楽天の保険+楽天カード」SPUの終了
・楽天市場のポイント付与対象金額が税込価格→税抜価格に(2022年4月から)
・楽天ゴールドカードのSPU+4倍→+2倍に(2021年4月から)
・楽天銀行を引き落としにした楽天カード払いで+1倍→+0.5倍に(2022年7月から)
※楽天銀行の口座で「給与・賞与・年金」を受取っていると+0.5倍になる
・楽天SPUの月間獲得上限がランクによって最大1万5,000pt→ランクに関係なく一律5,000ptに(2022年7月から)
【2】楽天カード
・公共料金払いの還元率1%[100円で1pt]→ 0.2%[500円で1pt]に(2021年6月から)
【3】楽天銀行
・マネーブリッジによる普通預金金利0.1%→300万円まで。300万円超は0.04%に(2022年4月から)
【4】楽天モバイル
月1GBまでは無料→月3GBまで月額1.078円に(2022年7月から)
ちなみに、オトナライフでも楽天のサービス改悪について解説しているので、詳しく知りたい人はこちらの記事を確認してもらいたい。
■楽天ゴールドカードの改悪について→こちら
■楽天カードでの公共料金支払いの還元率改悪について→こちら
■楽天モバイル「0円」終了について→こちら
■2022年4月からの楽天SPU改悪について→こちら
■2022年7月からの楽天SPU改悪について→こちら
「楽天カード」を解約しないほうがいい人とは?
楽天グループでの支払いではほぼ必須といえる「楽天カード」。サービスが改悪されてもそのまま使い続けたほうがいいのは、いったいどのような人なのだろうか?
まず、楽天カードは正社員ではないフリーランスや主婦などでも作れる、比較的審査の緩いクレジットカードだと言われている。もし、楽天カードを解約してしまうとほかのクレカの審査が通らない可能性もあるだろう。
次に、楽天カードは買い物でのポイント還元率が常に1%であり、楽天トラベルではポイントが2倍、楽天市場では3倍になる。また、スマホ決済サービスの楽天ペイでも楽天カードから残高チャージすると1.5%還元が受けられるのもうれしいポイントだ。
とくに年会費1万1,000円の楽天プレミアムカードを所有していると、楽天市場でのポイントが5倍、誕生月には6倍になるので、楽天経済圏では必須のクレカである。
また、ノーマルカードでも最大2,000万円の海外旅行保険(利用付帯)が付帯するほか、楽天プレミアムカードでは、最大5,000万円(自動付帯は4,000万円)の海外旅行保険も付帯するなど、まさにプレミアムなサービスが受けられるのだ。
しかも、楽天プレミアムカードは世界1,200カ所以上の空港ラウンジが利用できる「プライオリティパス」(年会費429ドル=約5万8,773円)が付帯するなど、年会費を簡単に回収できるサービスが満載されているので、意外とお得なのだ。
さらに、楽天カードでは1人で2枚の異なる国際ブランド(VISA、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス)のクレカを作成することも可能で、そのメリットは意外と大きい。
たとえば、倉庫型スーパー「COSTCO(コストコ)」で使えるクレカはMastercardのみだが、楽天カードでVISAとMastercardの両方を所有していれば、ポイントを貯めるチャンスを逃すことがなくなるというわけである。
「楽天銀行」を解約しない方がいい人とは?
楽天銀行は、楽天ユーザーでなくてもオススメできるネット銀行だ。
とくに、楽天銀行では「マネーブリッジ」の設定によって普通預金金利が0.1%にアップされる制度があることに注目。これは、大手銀行の普通預金金利(0.001%)の実に100倍もの高金利となる。
マネーブリッジとは楽天証券口座と楽天銀行口座間の自動入出金(スイープ)サービスのことで、これを設定することで、普通預金金利が0.1%にアップされるのである。詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。
もちろん、2022年4月からは普通預金金利0.1%は上限が300万円までとなり、300万円超については0.04%が適用されることになったが、もし、300万円以上を普通預金で預けたいなら、定期預金金利が高いネット銀行はほかにもあるので、そちらに預けておけば問題ないだろう。ネット銀行の金利ランキングはこちらをご覧いただきたい。
また、他行宛振込手数料やATM手数料などがランクに応じて無料になるハッピープログラムがあることも見逃せない。スーパーVIPになればATM手数料は月7回、他行宛振込手数料が月3回、楽天ポイント獲得率が3倍になる特典を受けられる。
次に、楽天銀行でNISA、つみたてNISA、iDeCoなどでマネーブリッジを利用している人も解約しないほうがよい。楽天銀行ならつみたてNISAの取り扱い本数が180本以上あるほか、保有額に応じたポイントの付与、ポイントでの投資なども可能となっている。
もちろん、マネーブリッジをやめると普通預金金利0.1%の特典も受けられなくなってしまう。あって困ることはないので、楽天銀行を解約する必要性はまったくないだろう。
●楽天銀行「マネーブリッジ」→こちら
●楽天銀行「ハッピープログラム」→こちら
「楽天モバイル」を解約しない方がいい人とは?
楽天モバイルでは月1GBまで無料だったが、2022年7月からは最低でも月額1,078円(月3GBまで)かかるようになった。
楽天モバイルをサブ回線として利用していた人の多くは、すでに基本料0円のpovo2.0などに乗り換えたことだろう。詳しくはこちらの記事で確認してほしい。
だが、楽天モバイルをメイン回線として利用してきた人なら、慌てて乗り換える必要はない。
今回の変更では月1GBまで0円が無くなっただけで、普通に利用していた人なら最低でも月額1,078円は払っていたはずだし、月20GBを超えると月額3,278円で無制限利用できるのは、今でもブッチギリの安さなのだ。
また、2022年7月~8月までは月1GB以下なら引き続き0円で、9月~10月までは月1GBまでなら1,078ptのポイント還元があるので、実質無料で利用することができる。
ほかにも、楽天モバイルは「Rakuten Link」アプリを使うと無制限で無料通話できるので、電話をかけることが多い人なら、月額1,078円で完全かけ放題が利用できると考えればかなり安いだろう。
ちなみに、楽天モバイルに加入していると楽天SPUで+1倍されることになっているが、2022年6月からはキャンペーンにエントリーすると、「楽天市場」での買い物で獲得できる「楽天ポイント」が+1倍され、楽天会員ランクがダイヤモンド会員なら、さらに+1倍となるキャンペーン(付与上限は各1,000pt)を実施中だ。
このキャンペーンにより、楽天SPUの特典(通常の買い物で1倍、楽天モバイル利用で+1倍、楽天カード利用で+2倍)と合わせて、「楽天市場」での買い物で獲得できるポイントが最大6倍となるのである。
●楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT VII(料金プラン)」→こちら
●楽天モバイル「Rakuten Link」→こちら
まとめ
いかがだろうか? ここ1~2年で楽天グループのサービスは少しずつ改悪されてきたので、いいかげん嫌気がさした人もいると思う。
しかし、冷静に考えてみれば、楽天モバイルではケータイサービスが無料で利用できたうえに、2万pt以上ももらえるなんて、今までが過剰サービス過ぎただけのような気もする。
とくに楽天経済圏にオールインしている人なら、現状でもかなりの恩恵を受けているはずなので、楽天のサービスを止める前に、本当に損することがないかよく考えてみてはいかがだろうか?
※サムネイル画像(画像は一部編集部で加工しています)