パソコンを長年使っていると動作が重くなってイライラすることがあります。そんなときはメモリの増設で解決できるかもしれません。そこで今回は、パソコンのメモリ増設でどのくらい動作が改善されるのか、初心者でも分かるように解説しましょう。
そもそもパソコンのメモリってどのような役割があるの?
パソコンの動作が重くて悩んでいる人におすすめしたいのがメモリの増設です。メモリを増やすとパソコンの動作がかなり改善されることが多いのですが、そもそもメモリってどのような役割があるのでしょうか?
パソコンの性能を語るうえでまず重要となるのが「CPU」です。CPUはデータ処理をする“頭脳”に例えられ、この性能がよいほど高性能パソコンということになります。
ただし、CPUはデスクトップパソコンなら自分で交換することも可能ですが、ノートパソコンの場合は基本的に交換することができません。
そこで重要となるのが「メモリ」です。メモリはよく“作業をする机”に例えられますが、いくらCPU性能が高くても、メモリの容量が少ない・性能が低いと(作業机が狭い)処理が滞ってしまい本来の能力を発揮できません。
つまり、動作が重いパソコンのメモリを増設(作業机を広く)することで、パソコンの動作が改善される可能性が高いというわけです。

パソコンの動作が重いときはメモリの増設を検討しよう。写真上がデスクトップ用、下がノートパソコン用のメモリ(SO-DIMM)である(筆者撮影)
メモリを増設する前に知っておきたいことは?
パソコンに詳しい人ならメモリの増設はさほど難しくありませんが、初心者はいくつも注意すべき点があり、決して簡単ではありません。
まず、最初にすべきことは、自分のパソコンのメモリ容量が何GBなのかを把握することです。これはWindowsの設定から簡単に確認できます。
■パソコンのメモリ容量をチェックする方法

画面左下の「スタート(Win)」ボタンを押し「設定」をクリック(上写真)。設定画面で「システム」を選択しよう(下写真)

左のメニューで「詳細情報」を選択するとパソコンの情報が表示される。「実装RAM」がメモリの容量である。ちなみに、「システムの種類」が「32ビット」であれば、メモリは4GBまでしか認識されない
現在主流のWindows 10には、32bitと64bitの2種類のバージョンがあり、システム要件では32bitで「1GB」、64bitで「2GB」のメモリが必要とされています。したがって、パソコンのメモリが4GB以下のWindows 10搭載パソコンは快適に動きません。
とはいえ、32bitのWindowsではメモリを認識できる上限が4GBまでとなっていますので、それ以上はメモリを増やしてもムダになります。注意してください。
次に確認したいのは、メモリが増設できる空きスロットがあるかどうかです。ノートパソコンの場合、15インチ程度の大型モデルならメモリを増設できる機種も多いのですが、12インチ以下の小型モデルでは、そもそもメモリを増設することができないタイプが多いのです。
また、メモリにはたくさんの種類があるので、そのパソコンの規格に合ったものを購入する必要があります。規格が異なるメモリを買っても、切り欠きが合わず物理的にスロットにさせません。
必ず、自分のパソコンがどのような規格のメモリを使用しているのかメーカーの公式サイトなどで調べてみましょう。どうしても分からない場合は、パソコンショップで自分のパソコンの型番を告げて相談してみるとよいでしょう。

自分のパソコンに装着されているメモリを見れば規格が分かることもある。分からなければ、そのメモリをパソコンショップに持ち込んで相談すると話が早い。ちなみに、メモリは規格ごとに切り欠きの位置が異なることも覚えておきたい(筆者撮影)