楽天がKDDIと提携で2019年に誕生する「第4のキャリア」はどうなる?

2019年10月、日本に第4のキャリアが誕生するのをご存じだろうか? 実は「楽天」が通信事業に参入するのだが、2018年11月1日、突如として楽天とKDDI(au)が提携することが発表された。先日、ドコモの料金4割値下げ発表があったばかりだが、このニュースと無関係ではあるまい。携帯電話キャリア業界は2019年に大きく動きそうである。

「楽天」は大都市圏以外はau回線につながる!?

(Image:MichaelJayBerlin / Shutterstock.com)

 すでに「楽天モバイル」で格安SIM(MVNO)事業に参入している「楽天」だが、2019年10月からは第4のキャリア(MNO)になることが決まっている。しかし、どうしてライバルであるはずのKDDI(au)と提携することになったのだろうか?
 そもそも、新規参入する楽天には、2026年3月末までに全国に電話回線を整備する義務があるが、新規に通信設備を全国に整備するには1兆円以上の費用がかかると言われている。しかし、楽天の携帯事業の予算は2025年までの間で6000億円と極端に少ないことから、ほかのキャリアとのローミング(回線のレンタル)は必至と見られていた。当初はドコモと組むと見られていたが、今回の発表でKDDIのau回線でローミングすることが確定したというわけだ。これにより楽天のスマホは、東京、名古屋市、大阪などの大都市圏は自前の回線に接続されるが、それ以外の地方ではすでに整備されているau回線に接続されることになったのである。

(Image:mobile.rakuten.co.jp)

楽天モバイル並みの低価格を提供できるか?

(Image:Takamex / Shutterstock.com)

 今回の提携はKDDIにもメリットが大きいという。すでに楽天はネット通販で120万の加盟店と9,870万人の会員を持っており、自前の「楽天スーパーポイント」を運営している。KDDIとすればローミングによる収入と、楽天が持つ通販網や顧客、決済システム「楽天ペイ」などを取り込める。逆に、楽天も2019年4月に始まるKDDIの「au PAY」が利用できるようになるため、どちらにも損がないと言われているのだ。
 さて、注目したい楽天の利用料金だが、先日、ドコモが料金4割値下げを発表したことを考えれば、楽天が現在MVNO(楽天モバイル)で行っている「スーパーホーダイ」レベルの価格を打ち出す可能性が高いだろう。楽天がほかのキャリアと差別化するなら、やはりポイントサービスになるのではないか? なお、楽天はMNO事業を始めても楽天モバイルのMVNO事業は継続すると表明している。

●楽天モバイル 公式は→こちら

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