スマホ決済アプリといえば加入者数No.1の「PayPay」や、総合満足度No.1の「楽天ペイ」(MMD研究所調べ)を思い浮かべる人が多いだろう。どちらも使える店舗が多いので使いやすいが、果たしてどっちがお得なのだろうか? そこで今回は「PayPay」と「楽天ペイ」のメリットとデメリットを調査して、どっちがお得なのか検証してみたいと思う。
数字で見る「PayPay」と「楽天ペイ」の特徴とは?
アナタはスマホ決済アプリに何を使っているだろうか? 現在、スマホ決済アプリ加入者数で断トツのトップをキープしているのが、2022年4月時点で4,700万人を突破した「PayPay」だ。PayPayが使える加盟店数も366万カ所以上(2022年3月時点)に達している。
これに対し、MMD研究所による「QRコード決済の満足度(2022年1月)」調査では、楽天ペイが総合満足度で1位を獲得している。
実は、楽天ペイの加入者数は非公開だが、利用できる店舗数は500万カ所を超えている(2020年11月時点)。また、楽天グループのクレカ「楽天カード」は2021年12月時点で2,500万枚を突破、楽天会員のID数は2021年12月時点でなんと1億を超えているのだ。
というわけで、数字で見る限りPayPayと楽天ペイは甲乙つけがたいスマホ決済アプリの両横綱だと言えるだろう。きっとアナタもこのどちらか、あるいは両方のスマホ決済アプリを利用していると思う。
そこで今回は、PayPayと楽天ペイのメリットとデメリットを比較することで、どちらがお得なのか検証してみたいと思う。果たして、本当にお得なのはどっちなのだろうか?
出典元:MMD研究所「QRコード決済6サービスの総合満足度1位は「楽天ペイ」」→こちら
PayPayにはどんなメリットがある?
PayPayはソフトバンク&Yahoo!JAPANグループのスマホ決済アプリだ。とくにポイント還元キャンペーンの「ペイペイジャンボ」を含む「超ペイペイ祭」などが頻繁に実施されていることや、普段から5〜20%ポイント還元される「ペイペイクーポン」などが利用できるのがお得。
また、スマホ決済アプリのなかではPayPayが利用できるお店はかなり多く、地方の個人商店レベルでも使えるお店が多い。実はこれがPayPayが普及している要因になっているかもしれない。
PayPay STEPでPayPayは最大1.5%還元! PayPayモールでは最大20.5%も還元される
PayPayには「PayPay STEP」というランク制度があり、ランクアップするとPayPayの利用で0.5〜1.5%がポイント還元され、1pt=1円として街のお店やネットショップなどで利用可能だ。
PayPay STEPではPayPayだけでなく、PayPayモールで最大20.5%、Yahoo!ショッピングで最大18.5%もポイント還元されるほか、フリマアプリ「ヤフオク!」でも利用可能となっている。詳しくはこちらの記事で確認してほしい。
ちなみに、最近のビッグニュースは、AmazonでもPayPay残高による支払いが可能になったこと。楽天ペイは楽天市場とのシナジー効果が非常に大きいが、PayPayが楽天のライバルAmazonで使えるようになったのは非常に大きいだろう。
AmazonでPayPayを使えるようにする設定については、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
ソフトバンク、Yahoo!JAPAN、PayPayのサービスは「PayPay」に一本化されつつある
PayPayでは、2022年4月からはもらえるポイントの名称を「PayPayボーナス」から「PayPayポイント」に変更しており、「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ヤフオク!」「PayPayフリマ」など、Yahoo! JAPAN関連サービスにおけるキャンペーンなどで付与される特典ポイントは「PayPayポイント」に一本化される予定だ。
このPayPayポイントには利用期限がないので、特典ポイントの有効期限が数カ月しかないことが多い楽天ポイントに比べると、PayPayのほうがポイントを貯めやすいだろう。
●PayPayポイント(公式)→こちら
なお、ソフトバンク&Yahoo!JAPANグループでは、知名度の高い「PayPay」を前面に押し出す政策を取っており、買収した証券会社や銀行にPayPayの名を冠し、徐々にPayPayのマネーサービス再編を加速させている。
たとえば、PayPay公式クレカを「ヤフーカード」から「PayPayカード」に移行し、現在では「PayPay残高」にチャージしなくてもPayPayに登録したPayPayカードで直接決済できる「PayPayあと払い」が利用できるようになっている。
PayPay&ソフトバンク経済圏については、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてもらいたい。
楽天ペイにはどんなメリットがある?
楽天のスマホ決済アプリが「楽天ペイ」だ。楽天ペイは登録した公式クレカ「楽天カード」「楽天キャッシュ」「楽天銀行」などで支払うことができる。
楽天ペイにはPayPay STEPのようなランク制度はなく、楽天カードで残高チャージすると0.5%還元、楽天ペイの支払いで1%還元されるので、誰でも簡単に1.5%還元が受けられるのが大きなメリット。
もちろん、楽天ポイントはそのまま楽天ペイや楽天ポイントカードでも1pt=1円として利用できるようになっている。
楽天ペイなら誰でも3重取りで最大2.5%を獲得できる!
楽天ペイで決済するときは、楽天ポイント加盟店で会計前に楽天カードを提示すると最大1%還元される。つまり、楽天ペイの決済と合わせて最大2.5%も還元されるのだ。楽天ポイントで3重取りする方法については、こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
楽天ペイは楽天市場との連携がお得! 楽天SPUでポイントが最大14倍にアップ!
楽天といえば、ECサイト「楽天市場」を中心に発展してきたのは皆さんご存じだろう。楽天市場は楽天グループのさまざまなサービスを利用することでポイント倍率がアップする「楽天SPU(スーパーポイントアッププログラム)」が適用され、買い物でもらえるポイントが最大14倍になる。
もちろん、楽天グループのサービスならどこでも楽天ポイントを獲得したり使ったりできるのが最大のメリットだ。楽天SPUの活用方法についてはこちらの記事を確認してほしい。
●楽天SPU(公式)→こちら
楽天グループには電子マネーの「楽天Edy」もあるほか、モバイルSuicaと連携してSuicaへのチャージも可能となっている。楽天Suicaの利用方法についてはこちらの記事が参考になるだろう。
ソフトバンク&Yahoo!JAPANグループのPayPayは、同じグループのサービス名称がバラバラで、楽天経済圏のようにひと目でパッと判断できない。
たとえば、ソフトバンクグループの関連会社には一休.com、アスクル、ebookjapan、ZOZOTOWN、LOHACO、LINEMOなども含まれているが、知らなかったという人も案外多いのではないだろうか?
今後はさらに連携を深めていくと思われるが、PayPayは、意外と経済圏としての分かりにくさが、デメリットになっていると思われる。
また、Yahoo!JAPANは長らくTポイントと提携しており、TポイントとPayPayポイントの2種類があるのが分かりにくかった。
もっとも、Yahoo!ショッピングでは2022年2月からTポイントの利用と付与を終了しており、今後、ソフトバンク&Yahoo!JAPAN・PayPayグループではPayPayポイントに一本化されるので、こちらはかなりスッキリしそうだ。
ちなみに、TポイントはPayPayアプリ内でPayPayポイントに交換することが可能となっているので、使い道に困っているTポイントはPayPayポイントに交換して活用できるのがありがたい。
Tポイント→PayPayポイントに交換する手順
PayPay STEPで1.5%を獲得するのはヘビーユーザーでもかなり厳しい!
それよりも、PayPay最大のデメリットとなっているのが「PayPay STEP」であろう。PayPayの決済で通常は0.5%還元されるが、300円以上の決済を月30回以上、かつ月5万円以上の支払いを達成すると+0.5%(計1%)される。
さらに1.5%還元を達成するには、「対象3サービス利用」「Yahoo!プレミアム会員登録」「PayPayアカウントとYahoo! JAPAN ID連携」のすべてをクリアして“ゴールドメダルを獲得”しなければならない。
つまり、PayPayのヘビーユーザーでも毎月1.5%還元をキープするのはかなり大変なのだ。これについては、誰でも簡単に1.5%還元される楽天ペイに軍配が上がる。なお、PayPay STEPについて詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてみてほしい。
●PayPay STEP(公式)→こちら
楽天ペイにはどんなデメリットがある?
楽天ポイントの有効期限は1年だが、期限までにまた通常ポイントを獲得すれば期限が延長されるので、実質無制限に貯めることができる。
しかし、楽天ペイの利用やポイ活アプリ「楽天Super Point Screen」などでもらえる特典ポイントは、有効期限が短い「期間限定ポイント」であることが多い。
そのため、楽天ポイントでは常にポイントの有効期限を気にしなければならないのが大きなデメリットだ。
もっとも、楽天ペイなら期間限定ポイントから優先して消化することもできるので、コンビニなどの買い物でこまめに利用すればいい。せっかく貯めたポイントが有効期限切れで無くなってしまうのは悲しいので、十分気を付けたい。
最近、楽天SPUのルール変更が相次いでポイント還元倍率が厳しくなっている
楽天のサービスで貯めたポイントは、楽天グループで自由に使えるが、最近、ポイントアッププログラムである「楽天SPU」の条件がどんどん改悪されているのも気になるところ。
たとえば、2021年4月には有料クレカの「楽天ゴールドカード」の利用で「+4倍」だったのに、ノーマルカードと同じ扱いの「+2倍」になってプチ炎上した。
また、2022年4月には楽天市場での買い物のポイント付与対象が「税込」から「税抜」に変更されたうえに、「楽天保険の保険料を楽天カードで支払うと+1倍」が廃止され、最大倍率は14倍に下がってしまったのだ。
さらに、2022年7月には、楽天銀行の口座で楽天カード代金を引き落とす際のポイント倍率が変更されるほか、楽天SPUの月間獲得上限ポイントが最大1万5,000pt(ダイヤモンド会員の場合)が、一律5,000ptに変更されることになっている。これについては、こちらの記事で詳しく解説しているので確認してもらいたい。
ちなみに、PayPay STEPでは「PayPayモール」で最大20.5%、「Yahoo!ショッピング」で最大18.5%ポイントも還元されるのに対し、楽天SPUでは楽天市場のポイント還元が最大でも+14倍までなので、かなり差が付いてしまった印象がある。
まとめ
いかがだろうか? コンビニなどの買い物では、PayPayも楽天ペイもどちらも加盟店が多く使いやすいのが特徴だ。
しかし、1.5%のポイント還元獲得条件については、圧倒的に楽天ペイのほうが楽チンである。しかも、楽天ポイントカードの提示でポイントの3重取りまで可能で、誰でも苦労せずに最大2.5%もポイント還元されるのだ。
とはいえ、楽天の特典でもらったポイントは有効期限が短いものが多く、こまめに使わないといけないのが結構面倒くさい。その点では、ポイントの有効期限がないPayPayポイントのほうが有利であろう。
また、細かいことだが楽天ペイのキャンペーンは、その都度エントリーしないといけないのに対し、PayPayのキャンペーンはエントリー不要なものがほとんどで、ポイントの取り逃しがない。
このように両者のメリットとデメリットを比較すると、とにかく面倒くさいことが嫌いでサクッと使いたい人には「PayPay」。こまめにポイ活ができるマメな人なら「楽天ペイ」のほうがお得になるだろう。
なお、普段使っているECサイトでスマホ決済アプリを決める方法もある。楽天ペイは当然「楽天市場」がメインとなるが、PayPayは最近「Amazon」でも使えるようになっている。ECサイトはAmazonをメインで使っている人なら、PayPayのほうがお得だ。
監修日:2023年1月20日