月1GBまでは無料、20GBを超えると月額3,278円で無制限に使え、さらに専用アプリなら通話も無料になるお得な「楽天モバイル」。スマホを新規で購入したり、買い替えを考えるとき、楽天モバイルを候補にしている人もいるだろう。だが、楽天モバイルはほかのキャリアとは異なる部分も多い。そこで今回は、楽天モバイルに申し込む前に知っておきたい10の注意点を紹介しよう。
【1】楽天モバイルのプランはひとつだけ!
2022年2月には550万契約を突破した人気の「楽天モバイル」。料金プランはシンプルに「Rakuten UN-LIMIT VI」のワンプランのみで、データ利用量に応じて金額が変化する従量制となっている。
「Rakuten UN-LIMIT VI」は月1GB以下なら無料で、月20GBを超えると月額3,278円で無制限にWebサイトやストリーミング動画を楽しめるし、楽天モバイルの独自アプリ「Rakuten Link」を使えば、SMSや電話が無料で使い放題になるのもうれしい。
ただし、データ量が無制限になるのは楽天回線のみ。エリア外ではパートナー回線(au)に接続されるため、こちらは月5GBまでしか高速回線を利用できない点は注意したい。
とはいえ、5GBをオーバーした場合でも1Mbpsで接続できるので、Webサイトの閲覧程度ならさほど問題はないが……。
【2】自宅が楽天モバイルのエリア内か確認
楽天回線(4G)は2022年2月時点で人口カバー率96%を達成している。しかし、先行する他キャリアはすでに99%に達しており、楽天回線は残念ながら山間部などでは繋がらないエリアもある。
もちろん、エリア外ではパートナー回線(au)を利用できるようになっているが、高速回線は月5GBまでしか利用できないのだ。
楽天モバイルの人口カバー率96%が、いったいどんなものなのかは、こちらの記事で解説しているので、参考にしてほしい。
このような理由から、大都市圏以外の人が、新規やMNP(携帯電話番号ポータビリティ)を利用して楽天モバイルに乗り換え、メインスマホとして使うのはあまりオススメできない。
今のスマホはそのまま温存して、まずはサブスマホとして新規契約し、実際にどのくらいつながるかじっくり確認してみたほうがよいだろう。
【3】楽天モバイルの高速5G回線の整備はまだこれから
ドコモ、au、ソフトバンクの3社は、高速な5Gのエリア拡大に力を入れている。まず、ソフトバンクは2022年1月末時点で2万3,000局を新設し、すでに人口カバー率が85%に達している。
また、auは2022年3月に5万局を設置して人工カバー率90%を目指す計画だ。ドコモはややスローペースだが、それでも2022年3月末時点で2万局を新設して人工カバー率55%を、2023年3月末には70%を達成する目標を立てている。
しかし、最後発の楽天モバイルはいまだ4Gエリアの拡大中なので、5Gの整備はかなり遅れている。高速な5Gを使いたいと思っている人にとって、現状の楽天モバイルはかなり厳しいはずだ。
【4】キャンペーンでスマホが実質0円になることも!
楽天モバイルは、新規加入者やMNPでの加入者促進のための大型キャンペーンを実施しているのも大きな魅力だ。
たとえば、2022年5月11日までは、楽天モバイルに初めて新規加入したりMNPで乗り換え、iPhone 13シリーズを購入すると最大3万5,000ptも還元されるキャンペーンを実施中だ。詳しくは以下のキャンペーン記事を確認してほしい。
ほかにも、iPhone 12シリーズやiPhone SE(第3世代)などの購入で、最大2万5,000pt還元されるキャンペーンも実施中だし、楽天独自のAndroidスマホ「Rakuten Hand」や「OPPO A73」などが実質0円で購入できるのもありがたい。
もちろん、今使っているスマホが楽天回線に対応していれば無理にスマホを同時購入する必要はないが、楽天モバイルならお得に最新スマホが買えるのだ。
とりあえず気になるスマホを同時購入しておくのもアリだろう。もし、さほど使わないなら中古ショップで売却すればいい。
【5】キャンペーンが適用される条件に注意!
楽天モバイルのキャンペーンでポイント還元を受けるには、単に、楽天モバイルを新規やMNPで申し込んだだけではダメだ。
少なくとも、楽天モバイルに申し込んだ翌月末までに、楽天モバイル対応スマホで「Rakuten UN-LIMIT VI」の楽天回線の開通手続きを完了していること。
そして、無料通話アプリ「Rakuten Link」で10秒以上通話することがキャンペーン適用の最低条件となっている。これを忘れるとポイントをもらえないぞ。
また、楽天モバイルのキャンペーンは1人1回線目だけが対象、2回線目以降はキャンペーン対象にならない点は要注意!
ちなみに、最近のキャンペーンでは「10分(標準)通話かけ放題」の申し込みで5,000ptが加算されるが、これは月額1,100円の有料プランの加入が条件なので注意したい。
【6】自分のスマホが楽天モバイルで使えるか確認
楽天モバイルの4G回線は自社回線の1.7GHz帯とauのローミング回線の800MHz帯の2つしかない。まずは、自分のスマホがこの2つの周波数帯に対応しているか確認しよう。
前述したように、楽天モバイルのキャンペーン条件をクリアするには、楽天回線の開通手続きが必須となるが、もし、自分のスマホが楽天回線に非対応だと開通手続きができず、特典ポイントがもらえないことがある。
そのような事態を避けるうえでも、とりあえず楽天モバイルに申し込むときは、0円で買えるスマホを同時に申し込んでおいたほうが安全だろう。
また、自分のスマホが楽天回線に対応していても、SIMフリーでないと開通手続きはできない。とくに他キャリアで購入したスマホは、事前にSIMロックを解除しておく必要がある。
最近、SIMロック解除はキャリアの公式サイトから実行することも可能なので、自分でやれば手数料も無料になる。
ただし、SIMロックを解除するにはスマホの「IMEI(製造番号)」が必要になるので、事前にチェックしておこう。iPhoneのSIMロック解除方法については、こちらで解説している。
【7】自分のスマホのSIMカードの種類を確認
「SIMカード」とは、電話番号などの情報が記録されたICカードのこと。スマホで電話やネット接続をするためには必須となる。
楽天モバイルでは、物理SIMの「SIMカード」とスマホの本体内蔵チップの「eSIM」の2種類に対応しているが、契約前にどちらのSIMを選択するかを決めておこう。
また、物理SIMカードには「標準SIM」「MicroSIM」「nanoSIM」の3サイズがあるが、楽天モバイルから送られてくるSIMカードはマルチタイプなので、すべてのサイズに対応する。
これに対し「eSIM」は、オンラインで開通手続きするだけですぐに利用できるのが魅力。ただし、eSIMに対応するスマホは限られているので、事前に自分のスマホがeSIM対応かどうか調べておこう。
なお、契約後に機種変更などでnanoSIMからeSIMに変更することも可能だ。手順についてはこちらの記事で確認してほしい。
【8】半年以上使わないと休眠回線として契約解除される!
楽天モバイルを契約するとき、スマホだけ安く買いたいと思っている人や、1GB以下ならタダで維持できるので、契約後はSIMカードをスマホから抜いておけばいいと考えている人もいるだろう。
だが、楽天モバイルでは2021年7月1日より、180日(6カ月)以上まったく利用していない人は、自動的に楽天モバイルの契約を解除されることになっている。
つまり、少なくとも半年に1回は電話をかけたり、ネット接続などをしないと楽天モバイル回線を維持できないのだ。詳しくはこちらの記事で解説している。
【9】iPhoneでは「Rakuten Link」での無料通話・SMSに制約がある
楽天モバイルでは独自アプリ「Rakuten Link」を使って、通話やSMSを無料でできるのが特徴だ。確かにAndroidスマホはそのとおりなのだが、iPhoneでRakuten Linkを利用するときは注意が必要になる。
iPhoneでRakuten Linkを使って電話をかけるときは無料で通話できるが、Rakuten Link以外からの着信は、iOS標準の電話アプリで着信してしまう。
そのため、着信履歴から標準電話アプリで電話をかけてしまうと、通常の電話代(30秒/22円)がかかってしまうのだ。
次に、SMSもRakuten Link同士なら無料でやり取りできるが、Rakuten Linkアプリ以外からのSMSは「iOS標準のメッセージ」アプリで送受信することになり、やはり通信料がかかる。
これについては、下記の記事で解説しているので、iPhoneで楽天モバイルを使いたいと思っている人は必ず事前に目を通しておいてほしい。
【10】楽天モバイル店舗でのサポートは限定的
楽天モバイルの実店舗は2022年3月8日に1,000店舗を突破した。だが、楽天モバイルショップでは、ほかの大手キャリアショップのように何でもフルサポートしてもらえるわけではないのをご存じだろうか?
楽天モバイルの実店舗では、新規申し込みやMNPでの乗り換え、契約の変更や解約、さらに楽天モバイルスマホの故障受付は可能だが、それ以外のトラブルは無償サポート外となる。
たとえば、楽天モバイルが開発&販売しているスマホ以外は、基本的にメーカーに連絡して修理などをお願いすることになるのだ。
また、楽天モバイルアプリの使い方を、店頭で直接スタッフに教えてもらうには「あんしん操作サポート」(月額550円)を申し込まなければならない。
さらに、新しいスマホに電話帳などのデータを移行する作業をお願いすると「データ移行サポート」を利用することになり、1回1,100〜2,200円も取られてしまうのだ。
まとめ
いかがだろうか? 大手3キャリアに比べると最後発の楽天モバイルはまだまだな部分も多い。とくに楽天モバイルをメイン回線として新規で申し込んだり、MNPで乗り換えたいと考えている人は、ここで紹介した注意点をしっかり確認しておくべきだろう。
ただし、2台目スマホ(サブ回線)として、あるいはデュアルSIMの2回線目として利用する分には、楽天モバイルはかなり有能だ。
たとえば、auの格安プラン「povo2.0」と組み合わせてデュアルSIM運用すれば、セルフパートナー回線として年間数百円で利用することも不可能ではない。詳しくはこちらの記事を参考にしてほしい。
●楽天モバイル「キャンペーン・特典」(公式)は→こちら
●楽天モバイル「ご利用製品の対応状況確認」(公式)は→こちら
●楽天モバイル「サービスエリア」(公式)は→こちら