ChatGPTのAPIを使う前に知っておくべき利用料金と「トークン」の考え方、注意点

ChatGPTのAPIはプログラミングコードの作成やチャットボットの活用に便利ですが、無料枠を使い切ると従量課金となります。APIとは外部アプリやサービスとChatGPTの機能をつなぐインターフェースのことです。

ChatGPTのAPIの料金はトークン数で決まります。具体的な計算方法は以下の通りです。

「入力トークン数」と「出力トークン数」の合計に「使用モデルにおける利用単価」をかけたのがAPI料金です

ChatGPTにおける「トークン数」とは、テキストデータをAIモデルが理解できる形式に分割した単位のことです。日本語は英語に比べて、トークン数が多くなります。

英語と日本語ではトークンの数え方が異なり、英語に比べて日本語はトークン数が多くなるのが特徴です

ChatGPTのAPIを活用する場合、APIを利用する際の料金体系だけではなく「トークン」の概念を理解しておく必要があります。この記事では、ChatGPTのAPIを効果的に活用するための基本情報、利用料金やトークンの仕組み、そしてAPIを使う上での注意点について解説します。

ChatGPTのAPIの用途

APIを活用すると、「ChatGPTを組み込んだオリジナルサービスを開発する」といったことができるようになります。

たとえば「AIチャットくん」はChatGPTのAPIを組み込んだチャットボットのひとつ。ChatGPTは公式にはLINEを経由した受け答えには対応していませんが、APIを利用して開発を行えば、LINEのUIで「ChatGPTに質問する」ことができるようになります

また自らサービスを開発せずとも、ChatGPTを組み込んだユニークなサードパーティ製のプラグインなどのツールが数々登場しており、APIキーを入力すればすぐに使えるようになります。

たとえば「AutoGPT」もそのひとつ。ユーザーの簡単な指示に対して「意図を汲んで自律的に複数のタスクを生成し、自ら実行してくれる仕組み」で、いわばプロンプトの入力を自動で行ってくれる仕組みです。

AutoGPTの利用には複雑な設定が必要ですが、より簡易的な「AgentGPT」であればWeb上のプラットフォームを利用しているためブラウザ経由で簡単に使えます。

​AgentGPTは、​プログラミングやブログ記事作成などのタスクを自動化することが可能。たとえば「投資に適した高級腕時計のブログを作る」というGoal(目標)を与えると「人気腕時計をリサーチ、情報収集」などのタスクを生成してくれます。しかし、2023年5月現在は実行回数に制限があり、完全な目標にたどり着く前に自動で終了してしまうことも

ChatGPTのAPIの発行方法

ChatGPTのAPIの発行方法は以下の通りです。

まずOpenAIのユーザー登録を済ませた状態でAPI取得ページにアクセスします。

その後の手順は以下の通りです。

ChatGPTにログインした状態で取得ページにアクセスすると、上記ページになるため「Create new secret key」をクリックします

次に作成するAPIキーの名前を作成(入力)し、もう一度「Create new secret key」をクリックします。なお、作成したAPIキー名はあとで変更可能です

そうすると、APIキーが発行されます。発行されたAPIキーはこの段階で必ず保存し、誰にも知られないように保管しておきましょう

ChatGPTのAPIの利用料金と無料期間について

ChatGPTのAPIは、2023年2月までは登録時に18ドル分の無料クレジットが付与されていましたが、2023年3月からは5ドル分に変更されています。どちらも3カ月間の有効期限が設定されており、期限切れまたは無料クレジット分を使い切ると、課金の必要があります。

「Free trial usage」バーが表わしているのが、無料クレジットの利用分。登録したら3カ月間で利用しきるのがおすすめです

無料枠を使い切った後は、従量課金制となります。

2023年5月現在、ChatGPTのAPIには定額プランはありません。利用したら利用した分だけ請求される従量課金制で、価格は1,000トークンあたりの計算です

OpenAIの文章生成に利用できるAPIは4種類。ChatGPTとの料金比較は以下の通りです。

APIの種類 料金
ChatGPT(gpt-3.5-turbo)のAPI 0.002ドル/1000トークン
Ada 0.0004ドル/1000トークン
Babbage 0.0005ドル/1000トークン
Curie 0.002ドル/1000トークン
Davinci 0.02ドル/1000トークン

この中では、DavinciがChatGPTと同様のgpt-3.5系を使っていて他の3つと比べて高性能ですが、料金はchatGPTの10倍です。

なお、ChatGPTにおけるトークン数とは、ChatGPTのAPIを利用する際に課金の単位となるデータ量のことです。

たとえば、編集部で4691文字の原稿をトークン数換算したところ、「5792トークン」になりました

APIを利用する前に知っておくべき「トークン」の考え方

先述した通り、ChatGPTのトークンとは、ChatGPTのAPIに送る文章や受け取る文章の長さを表す単位。日本語の文字数とは異なるもので、たとえば「こんにちは」という5文字の日本語の文章をChatGPTのAPIに送ると、6トークン分の料金がかかります。

「投稿文」も「応答文」もトークンを消費する

ChatGPTのAPIでは、過去のやり取りを含めると、より文脈に沿った返答が得られます。しかし、過去のやり取りを含めるということは、「投稿文」も「応答文」もトークンを消費するということです。

たとえば、1回目の投稿分で「元気ですか?」と送った場合、トークン数は「10」。応答文で「元気ですよ」と返ってくるとトークン数は「8」、さらに2回目の投稿で「どう元気なんですか?」と送ると、トークン数は「15」。このやり取りで「33」ものトークン数を消費することになります。

つまりやり取りを重ねるごとにトークン数は消費していきます。これを防ぐには、事前に「過去のやり取りは直前〇回までと設定する」「APIのmax_tokensパラメータで出力文の長さを制限する」などの対策が必要です。

日本語と英語ではトークンの消費数が全く異なる

漢字はひらがなよりもトークン数が多くなるため、日本語は英語よりもトークン数を消費します。

たとえば、日本語の「日本の総理大臣」はトークン数が13ですが、英語に翻訳するとトークン数は4にまで減ります。APIの料金を節約したい場合には日本語を英語に翻訳してから質問するのがおすすめです。「出力は日本語でする」と追記しておけば、回答は日本語でしてもらえます

まとめ

ChatGPTのAPIを使いたい場合、無料クレジット分のAPIを使い切った後は課金するしか方法はありません。ChatGPTのAPIの利用料金を抑えたいなら、いかにトークン数の消費を少なくするかがポイントです。トークンの考え方や計算方法を理解し、質問文を英語に変換するなどの工夫をしましょう。

オトナライフ編集部
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