MMD研究所の「2022年1月QRコード決済サービス調査」によると、今もっとも利用されているスマホのQRコード決済サービスはダントツで「PayPay」がトップだそうだ。しかし、本当に「PayPay」がお得なのかと問われれば、必ずしもそうではない。そこで今回は、本当にお得なスマホ決済サービスは何なのか検証してみたいと思う。
QRコード決済サービスのシェアトップはダントツで「PayPay」だが……
アナタはスマホのQRコード決済サービスに何を利用しているだろうか? MMD研究所の「2022年1月QRコード決済サービス調査」によると、もっとも利用されているQRコード決済サービスはやはり「PayPay」が45.4%でダントツのトップであった。詳しくは→こちらで確認して欲しい。
以下2位「d払い」、3位「楽天ペイ」、4位「au PAY」と続いている。たしかに「PayPay」のユーザー数は2022年1月19日時点ですでに4,500万人を突破しており名実ともにQRコード決済No.1である。しかも、PayPay加盟店は全国に344万カ所以上もあるため、PayPayが非常に使いやすいのも間違いない。
また、最近はソフトバンク・Yahoo!JAPANのグループ会社を積極的に「PayPay」ブランドに編入し、PayPayを金融プラットフォームの中核としてシナジー効果を高めようとしている。
さらに、Tポイントを廃除してポイントをPayPayボーナスに統一する動きもみられるので、今後も「PayPay」の優位性は崩れそうもないのだ。
だが、本当に「PayPay」がお得なのかと問われれば、筆者は必ずしもそうではないと思う。それでは、本当にお得なスマホ決済サービスとは何であろうか?
PayPayは「PayPaySTEP」の厳しすぎる条件を毎月クリアしてやっと1.5%ポイント還元!
PayPayのデビューは華々しいものであった。2018年10月にサービスを開始し、その直後の12月には「100億円あげちゃうキャンペーン」をブチ上げて、ビックカメラなどで高額商品を買う人が続出した。
日本では未知のQRコード決済サービスだったが、PayPayがその利便性を強力にアピールし、2019年初頭には一気に500万人のユーザーを獲得している。
だが、その後PayPayのキャンペーンは徐々にショボくなっていった。現在の「ペイペイジャンボ」では、抽選で1等100%(全額)、2等で10%、3等で1%ポイント還元されるといったものばかり……。
筆者にすれば、当たるかどうか分からない1万ptより、確実にもらえる500ptのほうがありがたいのである。
しかも、2021年7月1日から「PayPaySTEP」の特典条件が改悪され、1%還元は「1回300円以上/月30回」「月5万円利用」が条件となり、1.5%還元の獲得にはさらに厳しい条件をいくつもクリアしなげればならない。
詳しくは→こちらで確認してほしいが、今どき、年会費無料のクレカでも1%ポイント還元されるのは当たり前なのに、毎月こんなに頑張らないと1.5%還元を受けられないなんて……。
楽天ペイは誰でも簡単に2.5%還元を受けられる!
楽天ペイは1.5%ポイント還元を受けるのに、毎月PayPayのように頑張る必要はない。楽天カードからチャージして支払うだけで常に最大1.5%ポイント還元されるのだ。
しかも、楽天ポイントカードを加盟店で提示するだけで、最大+1%還元されるため、誰でも簡単に合計2.5%ポイント還元を受けることが可能である。
楽天ペイで3重取りする方法は→こちらで詳しく解説しているので参考にしてほしい。
これだけでも十分お得なのだが、楽天では楽天市場を中心とし、あらゆるサービスで楽天ポイントが使える「楽天経済圏」を構築しているのが特徴だ。
なかでも、楽天市場での買い物でポイントが最大15倍(2022年4月以降は14倍)になる楽天SPU(スーパーポイントアッププログラム)は強力で、もらった楽天ポイントを、楽天ペイにチャージして使うこともできるようになっている。なお、楽天SPUについては→こちらで確認できる。
au PAYはゴールドカードのチャージで最大2.5%還元も!
KDDIが提供するau PAYはポイントをリクルートやローソンなどでも使える「Pontaポイント」に統一してから、使い勝手がかなり良くなっている。
au PAYの基本ポイント還元率は0.5%だが、実質年会費無料の公式クレカ「au PAYカード」からチャージすると1%還元が受けられるため、誰でも簡単に1.5%ポイント還元を受けられるのが魅力。
また、au PAYアプリはPontaカードも一体化されているので、Pontaポイント加盟店で提示すると、0.5~1%のポイントが加算されるのだ。au PAYのポイント3重取りについては→こちらで確認してほしい。
さらに、年会費1万1,000円の「au PAYゴールドカード」からチャージすると+1%(合計2%・月上限1,000pt)還元されるため、最大2.5%還元となり、Pontaカード提示の0.5%を考慮すれば3%還元となる計算だ。
ちなみに、au PAYゴールドカードは、auスマホユーザーならau携帯電話の利用料金の支払いで+10%還元(税抜1,000円毎に100pt)を受けられるので、年会費の元はすぐに取れるだろう。
d払いはdカードを設定してdポイントカードを提示するだけで最大2.5%還元!
ドコモが提供するd払いは基本ポイント還元率が0.5%だが、ネットで利用すると1%還元となる。
また、年会費永年無料の公式クレカ「dカード」は1%ポイント還元されるため、d払いでdカード引き落としに設定するだけでポイントの2重取りができ、町のお店で1.5%還元、ネットショップでは2%還元されるのだ。
もちろん、dポイントカード加盟店ならdポイントカードの提示で最大1%還元も受けられるので、両方に対応するお店では2.5%還元となる。
d払いの3重取りについては→こちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
さらに、2021年9月からスタートした「d払いステップボーナス」では、d払いの利用回数によって、ステージ還元率が最大+1%加算される。
これは、ドコモ回線に紐づいたdアカウントでd払いを利用するのが条件だが、d払いの決算回数が4回までで0.2%、5~14回で0.3%、15~29回で0.5%、30~49回で0.7%、50回以上で1%が加算されるシステム。
もし、前月に50回利用していればステージ還元率が+1%となるため、d払いの基本還元率0.5%と合わせて1.5%還元になるのである。
三井住友カード(NL)ならコンビニで5%ポイント還元!
スマホのQRコード払いだけがお得なキャッシュレス決済なわけではない。多くのクレカが0.5%~1%ポイント還元されるなか、とくに注目したいのが「三井住友カード(NL/ナンバーレス)」だ。
三井住友カード(NL)は、年会費永年無料のクレカで基本ポイント還元率は0.5%だが、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドで利用すると+2%、さらにタッチ決済を利用することで+2.5%還元され、最大5%もポイント還元されるのである。
詳しい使い方は→こちらで解説しているが、もし、コンビニやマクドナルドでの支払いが多いなら、是非検討してみてはいかがだろうか?
なお、三井住友カード(NL)でもらったVポイントは、そのままVポイントアプリに残高チャージして支払いに利用できる。詳しくは→こちらで確認してほしい。
まとめ
いかがだろうか? PayPayは地方都市の個人商店でも利用できることが多く、確かに使い勝手がよい。
最近PayPayでは5~10%程度の割引を受けられるクーポンを定期的に発行しているし、ソフトバンクユーザー向けには最大半額のクーポンが利用できる「スーパーPayPayクーポン」を用意している。
また、ヤフーカードに変わる公式クレカ「PayPayカード」をPayPayに登録することで、+1%還元されるキャンペーンも実施されているのだ(終了日未定)。
もちろん、PayPaySTEPでは「PayPayモール」や「Yahoo!ショッピング」のポイント還元率も高くなるので、「ソフトバンク・PayPay経済圏」にオールインするなら、PayPayを主軸にしていくのも悪くないだろう。
しかし、それでもなおPayPaySTEPで1.5%のポイント還元を毎月キープするのは、あまりにもハードルが高すぎると思う。
ちなみに、筆者の場合はメインクレカのEPOSプラチナカードを中心に、三井住友カード(NL)、au PAY、楽天ペイ、PayPayなどを、お店やお得なキャンペーンに合わせて使い分けている。
それはそれで面倒くさいのだが、少しでもポイント還元で得したいなら、PayPayだけにこだわらないほうがいいだろう。
出典元:MMD研究所「最も利用しているQRコード決済サービス、トップは「PayPay」で45.4%、次いで「d払い」「楽天ペイ」が16.7%」は→こちら
●PayPaySTEP(公式)→こちら
●楽天ペイ(公式)→こちら
●au PAY(公式)→こちら
●d払い(公式)→こちら
●三井住友カード(NL)(公式)→こちら