iPhone「ボイスメモ」はどのくらいの距離まで音を拾ってくれる? – ズボンのポケットでもOK!?

仕事の会議や打ち合わせなどで活用できる、iPhoneの標準アプリ「ボイスメモ」。相手の話した内容をもう一度聞きたい時に活用する人も多いのではないでしょうか。しかし、あくまでスマホの一部の機能であるため、一般的な“ボイスレコーダー”のようにしっかり音声を拾えるのか気になるところです。そこで今回は、「ボイスメモ」の性能について検証してみました。

「ボイスメモ」を使って、数メートル先の声が録音できるのか実験!

(Image:Aleksey H / Shutterstock.com)

「ボイスメモ」はどのくらいの距離まで音を拾える?

今回は、iPhoneから1m、3m、5mとそれぞれ離れた距離で喋り、声がしっかり録音できているのかを検証。さらに、衣服のポケットに入れた状態や、雑音が多い環境下でも活用できるのか確認します。

「ボイスメモ」アプリの使い方は、いたってシンプル!

まずは「ボイスメモ」を開いて録音をやり方をおさらいしましょう。使い方は非常に簡単で、「ボイスメモ」アプリを開いたら、録音ボタンをタップして録音を開始するだけです。録音が終わったら停止ボタンを押し、最後に「完了」をタップすれば録音データが保存されますよ。

まずは「ボイスメモ」のアプリを起動します

画面下部の赤い丸(録音ボタン)をタップすれば録音が始まります

録音を止めたい時は画面下部の停止ボタンをタップ

画面右下の「完了」ボタンを押すと録音データが保存されます

録音データが一覧で表示される画面から“聞きたい音声”を再生できます

1m先の音声はしっかり録音できる?

それではさっそく、「ボイスメモ」で音声がしっかり録音できているのかチェック。最初は静かな場所(室内)で、1m離れた距離から「テスト、テスト、テスト」と話してみます。

iPhoneは机の上に置き、1m離れた場所からボイスメモを使用した時の画像

録音後にデータを再生してみると、しっかりと声が録音されていました。音の波形で見ても、しっかりと声を拾っていることがわかります。

赤枠内が「テストテストテスト」と言っている時の“音の波形”

シャツの胸ポケットに入れた状態でも録音できる?

続いて距離は1mのまま、“iPhoneをポケットに入れた状態”でも録音できるかどうかを確かめていきます。

まずはシャツの胸ポケットに入れて実践。念のため、底面にあるメインマイクを“上向き”のパターンと“下向き”のパターンの両方で試してみました。

iPhoneはシャツの胸ポケットに入れ、1m離れた場所でボイスメモを使用した時の画像

iPhoneのメインマイクを上向きにした状態(逆さの状態)で、シャツの胸ポケットに入れた時の画像

iPhoneのメインマイクを下向きにした状態で、シャツの胸ポケットに入れた時の画像

結果としては、どちらも音声をしっかり録音できていましたが、メインマイクを“上向き”にしている方がやや音を拾えている気がしました。音の波形でも、若干上向きの方が波形が大きくなっています。

iPhoneのメインマイクを“上向き”にした状態で胸ポケットに入れ、1m先の音声を録音した時の波形

iPhoneのメインマイクを“下向き”にした状態で胸ポケットに入れ、1m先の音声を録音した時の波形

ズボンのポケットに入れた状態は音が聞き取りづらい…

今度はズボン(スラックス)の中にiPhoneを入れた状態で検証。こちらも先ほどと同様に、メインマイクを“上向き”と“下向き”の両パターンで録音してみます。

iPhoneをズボン(スラックス)の中に入れた時の画像

すると、シャツの胸ポケットに入れた時と同様に、メインマイクが“上向き”の方がしっかりと音声が聞き取れました。もちろん両パターンとも声自体は拾えていたものの、胸ポケットに入れている時よりも少し聞き取りづらい印象を受けました。やはり、ズボンのポケットの方が密閉状態に近くなる分、音が拾いづらくなるのかもしれません。

iPhoneのメインマイクを“上向き”にした状態でズボンのポケットに入れ、1m先の音声を録音した時の波形

iPhoneのメインマイクを“下向き”にした状態でズボンのポケットに入れ、1m先の音声を録音した時の波形

なお、シャツやズボンのポケットに入れた状態で録音をする際、少しでも動くと生地がこすれて“ガサガサ音”が入ってしまうので、しっかりと音声を録音したい時はポケットに入れない方が良いでしょう。

「ボイスメモ」で5m先の音声も拾うことは可能?

では次に、少し距離を延ばして3m先の音声を拾うことができるのか確認します。iPhoneのメインマイクを録音したい方向に向けて机に置き、3m離れた場所から喋ってみました。

相手の方向にiPhoneのメインマイクを向けて、机の上にセットした時の画像

iPhoneを机の上に置いた状態で、3m離れた場所からボイスメモを使用した時の画像

そして録音した音声を聞いてみたところ、3m先でも問題なく声がクリアに拾えていました。音の波形も大きめで、ズボンのポケットに入れている時よりも、しっかりと録音できていることがわかります。

iPhoneを机の上に置いた状態で、3m先の音声を録音した時の波形

さらに5m離れた距離からでも、話し声を録音することに成功。5mともなるとさすがに声は少し小さくなっていましたが、雑音のない静かな場所であれば、かなり距離があっても「ボイスメモ」を活用できそうです。

iPhoneを机の上に置いた状態で、5m離れた場所からボイスメモを使用した時の画像

iPhoneを机の上に置いた状態で、5m先の音声を録音した時の波形

雑音の多い場所でボイスメモを活用!

では雑音の多い場所でもしっかり音声を拾えるのでしょうか? そこで実際に飲食店へ足を運び、他の人の話し声やBGMが流れている中で「ボイスメモ」を使ってみました。

さっそく、テーブル席で対面の人の声を録音できるのか検証していきます。机の上にiPhoneを置いて「ボイスメモ」を起動。

テーブルの長さは約74cm

机の上にiPhoneをセットし、対面の人の声が録音できるのか検証

いざ再生してみると、多少雑音は聞こえるものの、対面の人の声をしっかり拾えていました。しかしここで、メインマイクを相手側に向けるか自分側に向けるかで、声の聞き取りやすさに大きな違いが。

実際に、メインマイクを自分側に向けた状態で録音をしたところ、相手の声が雑音によってかき消されそうになっていました。

音の波形を見ても一目瞭然で、マイクを自分側に向けている状態の波形では、話し声の振れ幅がそこまで大きく動いていません。雑音のある場所でマイクの向きを逆にしてしまうと、1m以内の距離でも音声を拾いづらくなってしまうようです。

iPhoneのメインマイクを“相手側”に向けた状態で机の上に置き、音声を録音した時の波形

iPhoneのメインマイクを“自分側”に向けた状態で机の上に置き、音声を録音した時の波形

まとめ

ボイスメモをさまざまなパターンで検証した結果、静かな場所であれば5m先でも音声を拾えることがわかりました。しかし、衣服のポケットに入れた状態だとやはり聞き取りづらくなるため、机や膝の上に置いて「ボイスメモ」を活用した方がよさそうです。もしどうしても、iPhoneを相手に見せない状態で録音したい場合は、ズボンのポケットよりもシャツやジャケットなどの胸ポケットに入れた方が、より声を拾いやすくなるかもしれません。

そして「ボイスメモ」を活用する際には、“iPhoneの向き”がキーポイントに。底面のメインマイクをできるだけ相手に向けた状態で活用しないと、雑音の多い場所ではかなり声が聞き取りづらくなる可能性があります。ポケットに入れる時はメインマイクを上向きにして、机に置く時は相手側の方向に向けましょう。

とはいえ、今回の検証では“一切声が拾えなかったケース”は1つもなかったため、「ボイスメモ」は“ボイスレコーダー”の代替品として大いに役立つのではないでしょうか。

●『ボイスメモ』スマートフォンアプリ(iPhone)は→こちら

※サムネイル画像(Image:Aleksey H / Shutterstock.com)

若林勇希
編集・ライター。編集プロダクションやライティングスクールの講師として5年以上WEBライター業に携わっており、現在は独立してフリーライターとして活動中。これまで様々なジャンルを手掛けてきたが、最近はガジェットやスマホ関連の記事を執筆することが多い。「老後2000万円問題」のために、iDeCoやつみたてNISA、貯蓄型保険なども実践している。

Twitter:@webwriter888

関連記事

TOPICS
iPhone最新記事
iPhone&Android最新記事

RANKINGランキング

18:00更新